AIが進化して身近なところにも知らず知らずのうちに人工知能は導入されてきています。AIとは情報処理工学の研究分野で、「これまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語運用、創造など)を、どのような手順(アルゴリズム)とどのようなデータ(事前情報や知識)を準備すれば機械的に実行できるか」というものです。例えば、将棋や囲碁、オセロといったゲームでは数十年前から取り入れられていて最近ではプロさえ負かすほど発達しているそうです。インターネットなどでも過去の閲覧履歴から嗜好を調査分析して、ショッピングでは興味を示した商品群から推測して興味を示しそうな同類商品を表示して購買意欲を誘ったり進歩発展は絶えません。電話のやり取り(受け答え)を臨機応変に人間と行えるAI動画を見ましたが、これは電話の相手側がまさか機械だとはとても気づきません。雑談まで含めて臨機応変な対応でスムーズな一般会話が今のテクノロジーなら出来るのです。最近のAI発達の要因は「ファジー(いわゆる曖昧)」という機械にありえなかった思考が取り入れられたことが大きいといわれます。これによりアルゴリズムに性格と曖昧さが加わり人類に近い思考するようになったので、いずれ人間い出来ることは機会にもできる未来に希望が開けます。
コンピューターが自身で思考するなんて昔のSF小説のようですが、そう遠くない未来にこれらを搭載したロボットなどが身の回りで活躍するのかもしれません。AIBOやPepper君といったロボットは市場に投入されていますが、いかにもロボットであるため近未来的なアンドロイド姿で登場したら人間と見分けがつかないかもしれませんね。すでに一部では開発中で人間そっくりな高精度なアンドロイドがニュースで取り上げられることもあるのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
自分で考えて人間と遜色ない振る舞いで行動できる人工知能の登場は便利になるかもしれません。いや、間違いなく人類の生活は便利になります。一方で人工知能の台頭進出は人間の職を奪うことにもなります。ユーチューブなどでも機械の音声が蔓延していますし(音声変換ソフト)、将来アナウンサーや声優の職などは危ういかもしれません。初音ミクのように24時間ライヴしても一音も間違えずに歌い続けられるアーティストに人間は勝てるのか。税理士も機械に取って代わられる職業の代表格としてよく言われています。無人コンビニも既にテスト段階との事です。アマゾンが開発していると噂の人工知能搭載ドローン配送システムは日本経済の中核である運輸産業に大打撃を与え職を奪います。人材派遣会社はアンドロイド派遣会社に変貌するかもしれません。医療、金融、物流、飲食、サービス、ほぼ全ての産業が人工知能に乗っ取られる可能性もないとは言えません。便利になる一方で、不利益をこうむる人間も出るということです。一番の心配はやはり雇用・失業といった人間の心配です。
昔ブラックジョークで「近未来の会社は従業員1名と犬1匹いれば経営できる。全て機械が仕事をしてくれるので防犯の犬1匹と、その犬に餌を与える人間1人いれば会社は回る」なんていうのがありましたが当たらずも遠からずな未来は来るかもしれませんね。
ただ、こうも何でもかんでも機械が考えて行ってくれるのは便利と言えば便利ですが、一方で機械が狂った時のダメージが怖いです。現在でもスマホに頼りきりの日常で、常に監視カメラに捕らわれた日常空間で、何を買って何を観て貯金がいくらかまで全て機械に管理されているわけですから。自動運転の車も近い将来当たり前になると言われていますが、もしプログラムにバグやエラーがあったら…なんて思ってしまいます。ロボットでもアンドロイドでも自分で考える力を与えれば、憎悪・怨念・暴力の感情も生まれるに決まっています。SFでロボット三原則というものがあってロボットは決して人間に危害を加えないという絶対の掟があると子供の時に読み聞かされましたが、自我を持つ以上何故そのような保証が出来るのかと子供心に思ったものです(その当時読んでいたドラえもんはのび太とお菓子の取り合いで喧嘩して暴力危害を加えている場面も多々あったので余計に信用できなかった)。映画ターミネーターみたいなこともテクノロジーの進化で現実味があるということです。
たまたま某大手チェーン店でロボット案内係を導入してコロナ禍で人件費大幅ダウンを実現したなんていうニュースを目にしたので、このロボットのせいで何人の人間がその店舗から職を失ったのかなとふと気の毒に思い、昨今の大失業時代突入の背景もあってなんとなく令和はもう昭和・平成ではないんだなと世間の空気の違いを感じてしまいます。
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