長年仕事をしていれば数々の企画が立ち上がるわけですが、全ての企画が成功に導かれるとは限らないですよね。特に前例のない画期的な企画であったりすると、当たるか外れるかなんてやってみなければわからないわけで、オフィスタなどは特に国内でどの企業もやったことがないような企画ばかり積極的に打って出し続けている会社なので、当然ズッコケ企画もたくさんありました。
ここで悩むのは、ズッコケ企画だったときに継続するか撤退するかの判断だと思います。経営判断になると思いますが、撤退するは易しですが継続は信念なくては行えない。そういう意味でいうと、オフィスタではズッコケ企画だからといって終了したり撤退した企画はほとんどない。
例えばIT業界やネットゲームなどではよく見かけますが、大風呂敷を広げて大々的に企画を打ち出しておきながら鳴かず飛ばずだったときに、平気で「短い間でしたがご愛顧ありがとうございました」とさっさと逃げ出すのは企業としてどうかと思う。少数ではあるかもしれないが支持した顧客がいる限り継続すべきではないかと考える、たとえそれが赤字を垂れ流す結果だとしても。そのくらいの覚悟で企画を立てて宣伝するものではないのかと考えます。そこに企業の優良さとか不誠実さが如実に表れるのだと思う。中小のベンチャー企業はこのような新規格売り込みに必死で、実際その企画が良いなと思い使っているにもかかわらず思ったように売り上げが見込めないと思ったら一方的に「都合により終了となりました」と姿をくらますのは早い。売り込むときは電話だメールだDMだとこれでもかとしつこいセールスするのに企画外れで逃げ出すときはあっさりとしたもので素早いものだ。ただ、その企画を使ってビジネスをしている一部ユーザーはどうなるのだと言いたい。無責任な話である。
最近だとアドビ社のショックウェーブが当社としては大迷惑をこうむった。ショックウェーブを使ったエクセル研修ソフトを開発してスタッフ研修に提供していたのに突然サービスを終了した。ショックウェーブを利用していた世界中の会社が困ったはずだ。ショックウェーブで組まれたソフトは世界中で全てゴミと化した。当初はあれほど宣伝して売りまくったソフトも、売れなくなれば使用者のことなど無視して一方的に終了となる。
ビジネス、企画、赤字の関係性は企業なら永遠の課題だといえますが、オフィスタでは原則物理的に継続不可能でない限り、一度出した企画は赤字でも継続する方針です(物理的不可能は例えばショックウェーブサービス終了でソフトが使えなくなって終了を余儀なくされた企画など、いわゆる連鎖倒産みたいな火の粉をかぶってしまった企画のこと)。利用者がゼロなら終了してもいいと思うが、そのサービスを利用している人が1人でもいるならズッコケ企画でも終了はしない方針だ。改善はしても撤退はしない。利用者を考えると自社の企画に賛同いただいたのに儲からないからという当社の事情だけで白紙になんてできない、ドライ&クールがビジネスの鉄則かもしれないがオフィスタにはそういう観点でのビジネスは気持ち的にできそうにないので、ズッコケ企画でも一度始めた以上責任をもってしぶとくしつこく絶対に止めない。そもそもそういう当社の理念自体が今の時代にそぐわないズッコケ企業なのかもしれないですね。でも、ズッコケ企画があってこそヒット企画も生まれるのであって、その元ネタは大体ズッコケ企画継続の最中で「さて、どうしたものか」という考える行為から飛び出してくるもので、そういうところに会社の経営や企画という楽しみ面白さがあると思うんです。
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