第686話「2021年の雇用動向の予測と考察(前編)」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

慌ただしい年末も過ぎて、あっという間に2021年に突入です。毎年感じることですが改めて振り返ってみると昨年も色々ありました。職員から1年を振り返っての感想や意見を収集し具体的に紐解き考察してオフィスタからの視点でみた2020年の振返りと、そこから毎年恒例の2021年の雇用関連の予測をしてみたいと思います。

 

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【2020年に感じたこと】

①2020年4月に労働者派遣法が改正され、派遣スタッフと派遣先の従業員との間に“同一労働同一賃金”の考え方が適用され派遣料金の高騰が行われるのではないかと昨年初頭に予想しました。

 

昨年初頭には未確定部分が多かった法改正ですが、その後のコロナ禍発生と重なっての4月施行が行われ一時期は話題になりましたがその後は音沙汰ない状況で収縮してしまいました。しかしながら、法改正に伴って派遣料金の高騰は既定通りされたようです。派遣会社の約9割以上が値上げを敢行したと聞いています。オフィスタはこの法改正に対応しつつも派遣料金据え置きを実現した国内でも数少ない派遣会社の一つとなりました。

ただ、国内の派遣業界で囁かれているのは、派遣料金の値上げは行われたものの、実際に何が変わったのかを実感できている企業や派遣スタッフはあまりいないのではないかということです。コロナ禍の話題でずっと持ちきりだったため同一労働同一賃金制の法改正の話題は霞んでしまい、今では「そんなのあったな…」程度にしか記憶されていないような気もします。

 

この制度はコロナ発生前に制定されたものですから、今と状況が異なる時に発案された法律です。ただ、その当時でも現実を無視した無茶苦茶な悪法と言われた法改正です。もはやコロナ禍の現在で同一労働同一賃金制など叫ぼうものならば各企業は一層苦境に陥り、雇用自体が崩壊しかねない、そのため政府・行政・派遣業界含めて敢えて触れないようにそっと封印してしまったんだろうなというイメージの1年でした(派遣業界は元々この制度に反対で、料金値上げが出来るという以外に何のメリットもなかったわけですが…)。

 

②次に正社員の派遣化(子会社出向による転籍など)・ハケン活用の増大・ハケン希望者の減少、こういったことが表れてくるのではないか。その点が2020年の注目点になりそうだと予測しました。

 

同一労働同一賃金制の施行次第の予測だったのですが、コロナ禍で全く考察不能の状況になってしまいました。先にも書いたように派遣料金は法改正を理由として全国的に値上がりしました。それに伴い派遣活用をする企業も一時期減ったように見え、派遣希望者も減少傾向に思われましたが、それも6~7月頃までの印象です。

 

緊急事態宣言があったとはいえ、夏前までは内心一過性の流行り風邪で捉えられていた風潮も秋以降は経済の深刻化が誰の目にも明らかな状況になり、失業者増大の中でむしろ正社員にこだわって就活をしていたらとても就業はできないことを悟った労働者で派遣希望者は10月以降に増大傾向になりました。

企業側のハケン活用云々以前の事で、このコロナ禍に“人手が足りなくて困っている”という企業があるわけもなく当然求人募集そのものが消えたのも夏頃からです。

意外だったのはコロナ禍で解雇・閉店・倒産・人員削減などで失業者となった者は、その殆どがパートやアルバイト・契約社員といった直接雇用されている者たちで、派遣スタッフは解雇や派遣切りはほぼ見受けられなかったのです。オフィスタの例でいえば、コロナで解雇されたスタッフはいなかったように記憶しています。報道ではコロナで失業しているのは派遣社員と言われているが全くそのような事実はなく、むしろ逆であるといえます。これは派遣会社、業界団体が失業阻止のために陰ながら動いた結果であり、厚生労働大臣からの通達で雇用の安定の要請や措置が図られる等、過去の不況時における苦い教訓が活かされ、この辺は派遣業界の健全化の表れ、派遣のメリットだったのではないかと思います。

最終的にこのような未曽有の雇用不況下においては、リーマンショック時も東日本大震災後もそうだったように、人材活用の手段として企業が最終的に求めるのはハケンであり、失業者が雇用手段として最終的に選択するのはハケンであり、不況下において最も安定しているという点では、日本の不況下における雇用労働形態のヒエラルキー構造の頂点はやはり人材派遣制度なのです。企業の業務や人員の整理、労働者の貯蓄が底をつく頃をターニングポイントとすれば夏以降が活発化と予想します。

 

③次に、同一労働同一賃金制度の法律自体がまだ曖昧で、とても内容が難しい法律なので概略解説の特集を組みたいと考えていますと昨年初めに書きました。

 

私どもも専門家を交えてかなり勉強しましたが、とても複雑な法改正でした。おそらく派遣を使っている企業の担当者でもこの法律をよく把握できている方は極稀だと思います。オフィスタでも本誌3月号(第142号)で特集を組みましたが、とても紙面で説明しきれるものでもなく解説を希望する取引先各社を説明に回った記憶があります。

 

ただ、この法律をよく理解すれば派遣料金の値上げの必要などないことは明白なのですが、法改正だからの一点張りで派遣会社各社が値上げを強行してしまったのは今思うと残念なことではないでしょうか。このコロナ禍で求人募集を出す企業自体がいないというのに、派遣料金だけ値上げしてしまったのですから…。今にしてみれば、派遣料金を値上げした派遣会社はここにきて自らの首を絞めた格好になったようです。

 

(次回後編につづく)

 

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