第656話「求人倍率1倍を切る」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 

『厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は120倍となり、前月から012ポイント低下した。過去2番目の落ち込みで、下落幅は第一次石油危機の19741月(020ポイント)以来46年ぶりの大きさ。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済活動の自粛で、宿泊・飲食業を中心に雇用情勢が一段と悪化している。総務省が30日発表した5月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は03ポイント上昇の29%。3カ月連続で悪化した。なお、厚労省によると、5月の都道府県別の有効求人倍率は北海道や神奈川、高知など7道県で1倍を切った。』(2020.6.30 時事通信社、共同通信社)

 

有効求人倍率が1を切るなんていうことが起こりえるとは昨年末には思いもよらなかったこと。わずか数か月間で雇用はこうまで変わったのです。倍率1.0を切るという事はお仕事を探している人に11件の割り当てもないという大不況を意味します。コロナの影響で日に日に解雇される人も増えているのですから、雪だるま式に失業者数が蔓延増大していくのは必然です。そもそも直近年度の1.51.6倍の時代でも大半は建設業・介護業の求人が占めており、事務職は事実上0.30.4などと噂されていましたが、全体で1.0を切るなんて信じられません。バブルがはじけた後、リーマンショック後が似た例ですが、共にある日一夜のうちに沈没というイメージが強いですが、コロナショックもそういう意味ではあれよあれよであっという間に大不況にという同じ印象が強い。こういう突発的な大不況は抜け出すのに相当年数に亘ります。

 

バブル後にメキメキ頭角を現した産業が人材派遣業です。当時オー人事オー人事のCMは年中流されていましたが、派遣というものを広く日本に周知しました。リーマンショック後はドラマ「ハケンの品格」などハケンバブルといわれハケンという働き方が広く認知され世の女性のステータスを象徴する近代ワークスタイルでもありました。オフィスタが当時日本初のママさんハケンと銘打って誕生したのもまさにこの頃です。時代が派遣を求めていたのです。コロナショックを受けて夏以降の動向も気になるところですが、オフィスタだけの例ですが、昨年12月(コロナ前)とこの6月を比較すると登録者数だけで約3倍増。多くの方が派遣会社へ足を運んでいることを意味します。何故なら市場に仕事が回っていない以上、お仕事を抱えている派遣会社に行くのが最短ですからね。しかし、同時にライバルの数も3倍になったということでもあります。

 

バブル後もリーマンショック後も人材派遣はその時々の国難を救ってきた産業です。但し、このコロナショック後は前回前々回とは少し勝手が違います。今までの不況時に人材派遣=雇用率アップの原動力だったのは企業が派遣を使いやすかったからです。昨今では派遣法改正で派遣期間制限や無期雇用化推進を、直近では41日施行の同一労働同一賃金制など企業側にしたら人材派遣を使いづらいものに変えてきたツケが来たと言えます。有効求人倍率が1.6倍に上がった昨年頃は正社員という働き方をさかんに謳っていたのもつかの間、これからは正社員どころか派遣でさえ倍率過多の時代にある日突然変化してしまったという事です。来年度卒の女子大生が派遣会社にこぞって足を運ぶなど、去年の先輩方にしたら思いもしなかった事態が現実化しています。リーマンショック後に雇用率がうなぎ上りに上昇したのは小泉政権の打ち出した「派遣自由化」のお陰というのはご存知の通り。その自由化を安倍政権が「派遣制限化」したのですが、こうなると次期政権では当然「派遣の再度自由化」が雇用の国策になると考えなければなりません。景気には波があり、波を右肩上がりにするのは雇用です。そのどん底の時代に求められるものが人材派遣という縁の下の産業であるということを、(景気が良いときには悪者にされがちですが、)今回のような不況の時こそ必要な産業なのだとよく覚えておいていただけると幸いです。そう考えると派遣法というものは無暗に規制を掛けるべきではないという事も分かっていただけるのではないかなと思います。

 

参考)オフィスタ・ブログ 第428話「有効求人倍率の事務職」

 

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