慌ただしい年末も過ぎて、あっという間に2019年に突入です。毎年感じることですが改めて振り返ってみると昨年も色々ありました。職員から１年を振り返っての感想や意見を収集し具体的に紐解き考察してオフィスタからの視点でみた2018年の振返りと、そこから毎年恒例の2019年の雇用関連の予測をしてみたいと思います。詳しくはオフィスタNEWS1月号（第128号）誌上にて公開しますので、ここでは簡単にまとめる程度に留めます。
【2018年に感じたこと】
①昨年頭に、2018年は政府が発表した副業公認の流れが一般化するかどうかが鍵で、副業が当たり前の世の中になるのであれば、勤務先や守秘義務をしっかり保証する第三者仲介人が必要になるため副業先を探すために人材派遣会社を活用する者が増えるだろうと予想しました。結局、副業解禁でもその流れは来なかったようです。75％の企業が副業を認めないとしている現状が原因でした。ただ、単発スポットのお仕事や在宅勤務のお仕事においては男女問わず“現在就業中”の人が応募しているのが目立ちました。会社に見つからない程度にコッソリ時折アルバイトという方が在宅・単発の仕事に非常に多かったような印象を受けます。
②家事・仕事・育児を男性に頼ることなく１人で完結するワンオペの一般化も予想しました。但し、これは働き方改革がどの程度本気で推進されるかに左右されそうだと前置きのうえでのことです。これまで週２～３日扶養内で働けるという形態だから労働に興味を示していた主婦層が、フルタイムで働くのであれば（そういう流れを余儀なくされるなら）ワークライフバランス（WLB）が崩れてしまいますので、夫や会社の協力や理解を頼りにせず１人頑張るというワンオペが注目されるのではないかという意味で書きました。結果的には昨年はワンオペという言葉自体殆ど聞かれることはなかったように思います。働き方改革で残業減の流れは確かに到来していると感じます。休日もできるだけ休める風潮も確かに来ていると思います。同時に春頃から週2～3日の案件が求人サイトや求人誌からパッタリ姿を消しました。面接に来る主婦の方からも「扶養内の仕事が全然見つからない」というセリフがとても多かった。フルタイムで働くことを余儀なくされるならWLB自体が崩れてしまうのでワンオペが進むだろうという予想だったのですが、結果はそうなりませんでした。これは、フルタイム化の流れが来ていても扶養内勤務を希望して諦めずに活動している求職者がまだまだ多かったからだと分析します。
③テレビのCMで転職やアルバイトの広告が増えましたが、人材派遣のCMや広告はあまり見かけませんでした。どれも全体的に20～30代をターゲットにしたCM作りになっていることから、少子高齢化で若い人材の獲得にどの企業も苦しんでいる様子が窺えました。
④一般事務や庶務業務やデータ入力等の派遣時給が上がりました。社員転職を考える人材が増加したこと、自社採用を諦め派遣を活用したい企業が増加したこと、この需要と供給のバランスが悪いため、供給を満たすために時給上昇による獲得合戦が本格的に始まったともいえる一年でした。
⑤昨年の10月1日で派遣法改正後満3年が経ちましたが、直接雇用にする企業は殆どなかったようです。そのことに触れることなく気付けば通り過ぎていた感じがしました。大改正と言われていた割にはあっけなかった印象があります。
⑥秋頃から派遣登録者の年齢層が上がっていました。具体的には50歳以上の登録者が例年よりも増加傾向にありました。一方でハローワークが殆ど機能していないのか求人を出しても応募者は全く期待できない状態でした。高齢者にもスマホが普及したため、PCが苦手な方がハローワークを利用するという図式が崩れ徐々に求人サイトへ移行してきた結果と分析します。
今回前編では2018年の振り返りを取り上げましたが、次回後編では2019年の雇用動向予測を取り上げてみようと思います。
（後編につづく）
（参考）オフィスタNEWS第128号（H31.1.15発行）特集「2019年の雇用動向の予測と考察（コラム）」
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