第560話「年齢制限をハッキリ書いて欲しいですか?(前編)」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

OFFiSTA オフィスタ・ブログ

はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

2007年から雇用対策法により年齢で採否を決めてはいけないと制定され、あれから10年以上が経ちました。求人における年齢不問の表示を信じますか?建前(嘘)だと思いますか?

今回はあえて口に出してはいけないタブーに触れてみたいと思います。色々と問題があり、炎上したりクレームの抗議が来ても困るので、以下は全て勝手な妄想で根拠がないものであること、当社の採否は年齢不問ですということ、以下は全て個人的に“こう思う”という程度の感想に過ぎないということ、これを大前提だということを最初に断っておきます(嫌な世の中になったもんです)。よって単なる個人意見でありオフィシャルに宣言しているわけでも主張したいわけでもありませんので、クレームやお叱りの声は一切受け付けておりませんのであしからず。

 

まず、先日ツイッターでこんなアンケート調査をしてみました。

 

『求人広告の年齢不問の記載についてどう思いますか?』

①無理なら最初からハッキリ年齢制限を書いて欲しい(94%)

②採用する気がなくても建前で年齢不問と書いて欲しい(0%)

20代活躍とか遠回しな言い方でぼかして書いて欲しい(6%)

 

結果は①94%、②0%、③6%という回答でした。もうみなさん口に出さないだけで、どの企業も年齢の制限があることはわかってますよね。法律で年齢を書けないから仕方がないから年齢不問と書いているだけで、大人の世界の当たり障りのない建前(パフォーマンス)であることはお分かりいただけていることでしょう。業界や業種に寄るところが大きいと思いますが、デスクワーク系ですと高齢者が採用されるケースはかなり低いと思われます。イベントや受付もどうしても若い子が採用される傾向にあります。比較的年齢不問で採用されやすいのは清掃・マンション管理人・ファミレス裏方・警備・タクシー運転手など、当然ながら若者が応募してこない職種ほど上位に挙がってきます。事務職で働きたい人にしてみれば、「結局、年齢で採用しているじゃないか!」とお怒りの方もいらっしゃると思いますが、恐らくその通りだと思います。もし、あなたが会社の人事部長だったら、同じスキルの20代と70代どちらを採用したいですか?多くの担当者は前者を選ぶと思いますし、スキルが低くても20代を選ぶかもしれません(多分にその可能性はあります)、そして世の中それが現実だと思います。会社は「公平に審査して20代の人の方がスキルが高かった」と言えば、それで済んでしまう話ですし、労働者に「自分を雇え」という権利はありませんので(会社側にも憲法の「採用の自由」があるため)、年齢で採否をしたかどうかなんて結局のところ証明できないし、会社側に自身を雇用しろと命令を出すことは法律であろうが裁判所であろうが絶対に不可能なのです。

 

景気の低迷・倒産リストラ等による失業者の増大、これらに対応するため就業弱者である高年齢者も採用されやすいように法整備した背景はよくわかります。年齢を問わず誰でも能力が発揮できる企業ややりがいのある仕事に採用される世の中になったらまさに理想郷だし、どんなに素晴らしい事でしょう。他にも、世界中がいがみ合いのない平和な世の中になったらどんなに素晴らしいでしょう、戦争や核のない世の中になったらどんなに素晴らしいでしょう、犯罪の全くない世の中になったらどんなに素晴らしいでしょう、全ての人が助け合い全世界から貧困が無くなったらどんなに素晴らしいでしょう。理想が素晴らしいことは十分理解しますが、現実は理想だけでは成り立たないのです。特にビジネスにおいてボランティア精神は相反する位置にありますので、全ての国民が悩みなく皆が働けてハッピーな夢の国というわけにもいかないのです。つまり、求職者が年齢不問の幻想に夢や希望を託してみたところで絶望しかないと思います。

 

応募するためには履歴書や職務経歴書を作るところから始めますが手間も労力も掛かりますよね。顔写真はスタンドでも500800円位かかるのでしょうか、写真屋で撮れば3,000円近くしますよね。一生懸命書いて願いを込めて切手も貼って投函する求職者の姿が目に浮かびます。そんな願いもむなしく履歴書の年齢欄だけ見てシュレッダー行きだったら悲しくなりませんか。初めから無理だとわかっているのに求職者にこんなに手間暇かけさせて夢や希望を与えることは、わたしは罪悪だと考えます。企業担当者も組織に属する以上会社の命に従うのは雇われの身としては仕方がない所ですが、内心人間なら良心が痛むのではないでしょうか。わたしだったら心が痛みます。初めから無理ならそう言ってくれれば応募しなかったのに…という意見がアンケートの①に投票した人のまさに求職者の生の声ではないでしょうか。

 

では、求職者の生の声が「ハッキリ年齢を書いてくれ」という願いなのにもかかわらず、何故市場に出回っている求人はすべて「年齢不問」なのでしょうか。

このつづきは次回後編(第561話)にてもう少し詳しく書いてみたいと思います。

 

◎参考第561話「年齢制限ハッキリしい後編

 

◎参考:オフィスタNEWS第83号「求人における年齢不問は本当か?」

 

----------------------------------------

オフィスタ公式ツイッターはこちら

オフィスタ公式フェイスブックはこちら

オフィスタNEWS(無料メルマガ)はこちら

オフィスタ公式ホームページはこちら

 

◎オフィスタのお仕事情報を見るにはこちら

----------------------------------------