第561話「年齢制限をハッキリ書いて欲しいですか?(後編)」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 

 

さて、前回(第560話)は前編として以下のようなことを見てきましたのでおさらいです。

(前編と後編はセットで1コラムになっていますので、必ず前編を読んでから後編をお読みください。大事な注意事項が前編に書かれているため。)

 

『求人広告の年齢不問の記載についてどう思いますか?』アンケート

①無理なら最初からハッキリ年齢制限を書いて欲しい(94%)

②採用する気がなくても建前で年齢不問と書いて欲しい(0%)

20代活躍とか遠回しな言い方でぼかして書いて欲しい(6%)

 

(1)求人広告の年齢不問の記載について「無理なら最初からハッキリ年齢制限を書いて欲しい」という意見が94%だった。

(2)高齢者採用の法整備は機能しておらず建前に終始している。

(3) 無理と分かっているのに夢や希望を持たせるのは罪悪であると思う。

(4)何故市場に出回っている求人はすべて「年齢不問」なのか。

・・・というところで前回終わりましたので、このつづきから。

 

求職者の生の声が「ハッキリ年齢を書いてくれ」という願いなのは実は企業担当者ならとっくに知っている事なのです。しかし何故ハッキリ年齢を書かないかと言うと、法に抵触しないようにするためには年齢不問と書いておく必要があるからです。とにかくこう書いておけば誰からも非難されないからです。要は一番当たり障りない大人のやり方という事です。でもアンケートで②に投票した人は1人もいませんでした。つまり、法律を表向き守って嘘を書くくらいなら、法を破ってでも本当のことを書いてもらった方がありがたいという意見の人がほぼ全員だったということがアンケートから読み取れます。

しかし①の意見を尊重して本当のことを書けば企業にはクレームや違法だという非難が殺到する(特ににわか法律に詳しい人が鬼の首を取ったように違法行為だと大騒ぎするので企業は面倒なので①に踏み込めない)。だから嘘でも②の表記をしておく必要がある(つまり建前)法と現実の矛盾がここにあるというわけです。

そもそもハローワークの求人票などは最初から年齢不問とハンコが押してあり、事実上その一択しか選べない(それならそもそもこんな欄自体要らないと思うが…)。

ちなみに「39歳まで」と書くとこの年齢以上の方からの批判やクレームは殺到し違法だ!なんだの大騒ぎになります。が、「5060代を採用したい」と書くと不思議とこの年齢以下の方からのクレームはピタッとこならしいのです。どっちも年齢制限を引いた違法記載なんですけどこの差はどこからくるのでしょう。

 

そこで兼ねてより使われてきた手法が「20代活躍」とか「30代活躍」というキーワードです。求人誌などで何度となく見かけたことがあるはずです。暗黙の了解で、意味はお察し下さいねと言う真意が込められています。そもそもストレートに読めば、20代活躍の職場だから何なんだ、30代活躍中だからそれが何だというのか、こんなに大々的に書くことなのか、という感想が正直なところ。暗黙の了解で何が言いたいのかみんなわかっているのだからいっそのこと20代が欲しい」とハッキリ書いた方がよっぽどスッキリしていて潔いと思うが、20代まで」と書くと違法で、「20代活躍」なら適法だという。今一度国民に問いたい、こんなことに意味がありますか?と。大手求人媒体(特に各社求人サイトには「20代活躍」とか「30代活躍」とか表示するかどうかのチェックボックスまでご丁寧に用意されている。中にはこれによって閲覧者の画面表示数が変わるサイトもある。要するに20代と50代の人では同じサイトでも各自表示されている仕事情報量が異なるという事)や広告代理店も大手を振って、法治国家らしい”グレーは黒ではない“を盾に違法行為を助長しているのと同じではないかと個人的には思う。要は“物は言いよう”の次元なのだ。この手の手段は雇用に限った事ではないし、国会中継でも珍しくない光景ですが、誰もが内幕をほぼ知っているにもかかわらず「証拠あるんですか?」の一言でグウの根も出ない日本国民の草食系性質が生んだ文化とでもいうのだろうか。

例えば大喰いTV番組で、かつて真似して死亡者が出たため早食い禁止令が出たはずなのに、「ゆっくり噛んで食べるように選手には指導していますので、早食いはさせていません」と敢えてのテロップがほんの1~2秒だけ流れる。どうみても必死のスピード勝負をしているようにしか見えない(先に完食した者が勝ち抜けなのに、よく噛んで食べましたなんて誰が信じる!?)。でも、本人がよく噛んで食べました、ゆっくり食べてあのスピードでしたと言えば誰もそれが嘘だと立証なんてできませんからTV局は規則違反にはならないらしいです。

最近では求人サイトに登録するときに「ついうっかり打ち間違えで悪意はない」という建前で1015歳サバ読む荒業に出る人も増えていますが、目には目をでこういう求職者もなかなかやり手です。求職者側もこれくらいの度量があってもいいのかもしれませんね。

 

なお、このアンケート③も支持する人は殆どいないようですが、ハッキリ年齢を言われるよりはまだ気持ち的に和らぐのか6%ほどの投票はありました。どうせ表記するならむしろ『建前ではなく本当に年齢不問です』って一言書いてあげた方がよっぽど求職者にとってありがたいと思います。

 

このアンケート結果は法律云々を抜きにして、求職者の生の声としては当然だと思いますし、こういっては何だが誰でも容易に予想できるあたりまえの回答結果だと思います。

わたしは、無理なものを実現可能にしろなんて言うつもりはありません。しかし、初めから無理と分かっているのに夢や希望を持たせるのは罪悪だと思います。嘘や建前で塗り固めてそれで我々は法を守っているのだと堂々と主張し、そういわれるとグウの根も出ないなんていう世の中も間違っていると思います。詰まるところ法と良心のどちらを優先するかになると思いますが、私は個人的には法を犯してでも良心を大事にしたいなと言う気持ちが正直なところあります。先日交番に幼稚園児か小学生低学年くらいの女の子が落し物だと100円を届けに来ていました。法律では拾得物なんとかで調書を取るはずなのですが、そのおまわりさんは「ありがとうね」と頭を撫でてその100円をその子にあげました。この違法行為をあなたは非難しますか?しませんか?法と良心はどちらが大事なのでしょうか、詰まるところ物事全てココだと思います。昭和の時代にあって平成の時代にないもの、それは人の情念だと言われていますが意味が何となく分かってきた気がします。

 

また、現在高齢者の人もかつては各企業から引手あまたの華の20代だった頃はあったはずです。今の20代だっていずれは高齢者になって就職の壁に悩む時期はいずれ来るのです。時間は全員に平等に流れているわけですからポジティブに考えれば、みな平等に良い時期も悪い時期も通り過ぎるという事でそれが人の生と考えましょう。おあとが宜しいのではないかと思いますのでそろそろ締めさせていただきます。

  

◎参考第560話「年齢制限ハッキリしい前編)

 

◎参考:オフィスタNEWS第83号「求人における年齢不問は本当か?」

 

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