先日インターネットに「タバコを吸う人は採用を見送れるか」というような記事がありました。人材にかかわる仕事をしていると何気ないことでも、以外の人にとっては悩ましい質問になるのだなと思って見てました(読む必要性もなかったので、題目くらいで内容はあまり深くは読まなかったが)。会社は一度雇った人を解雇するのは大変だということは皆さん知っているようですが、それが独り歩きして「法律上、労働者に会社は頭が上がらない」といったイメージがあるように思います。タバコを吸うからといって雇わなかったら違法だというような労働者上位主義のイメージは全くの誤りです。むしろ雇用する側の会社の方が上位主義思考と考える方がよっぽど理にかなっていると思う。
答えというか考え方は簡単です。労働者には憲法で「職業選択の自由」が認められています。自分の好きな職業を選んで、自分の好きな会社に就職する権利が法律で認められています。労働者は会社を選べるのに、会社は労働者を選べないなんていうご都合主義が何故生まれたのか不明ですが、そのように考えている人がいるようです。現に「タバコを吸う人は採用を見送れるか」なんていう質問が出るくらいですからね。
会社には憲法第22条・第29条に「採用の自由」が認められています。理由はどうであれ雇いたくない者を雇う義務はありません。労働者に選択の自由があるなら会社にも自由がなければ不公平です。どちらかにだけ都合のよいそんな虫の良い話があるわけない。よって、タバコを吸う人を雇うも雇わないも会社の自由(権利)です。但し、タバコを吸う人を雇用して、タバコを吸うからと言って解雇は出来ないというだけのことです。
会社の採用の自由が認められない例外は以下の4つです。
①年齢(旧雇用対策法)、②性別(男女雇用機会均等法)、③障害者(障害者雇用促進法)で差別したり、④人権侵害(プライバシー)に抵触する採用行為は違法になります。
逆にそれ以外に採用の自由を制限する法律もありません。例えば、会社(経営者)にも宗教の自由が認められていますので、宗教を理由に不採用としても違法とはされません。占い・風水・タロットカード・霊感などを根拠にして人材の合否を決めたって違法ではありません。何となく気に食わないから不採用だって当然ありです、違法でもなんでもありません、れっきとした憲法で認められている会社側の権利です。既に採用されている労働者に対して会社が労働者の宗教の自由を制限したり、何となく気にくわないから解雇などをすると違法になりますよというだけのことです。
働き方改革や残業時間問題、ブラック企業問題などで、風潮的に「会社が悪」のような報道偏向もあって労働者が勘違いしてしまっている部分もあると思いますが、当たり前ですが会社と労働者は原則権利義務は平等と考えていた方がいいでしょうね。
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