第410話「均衡待遇」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 労働者派遣法改正で均衡待遇というものが定められております。これは派遣先で同種の業務に従事する労働者と均衡を考慮しながら、賃金の決定・教育訓練の実施・福利厚生の実施を行うように配慮するというものです。例えば、派遣先で同じ業務をしている労働者の賃金水準で著しい差が生じないように配慮しなさいということで、同一労働同一賃金制度と似ています。但し、派遣法改正で定められたのは、「均等(同一賃金)」ではなく「均衡(同水準)」ですので、お間違えないようにしてください。また、「均衡にしなければならない義務」ではなく「均衡にするように配慮する義務」である点も併せて覚えておいてください。

世間では正社員でも雇用契約書を見る限りでの賃金は最低賃金水準以上であるが、サービス残業や奉仕活動などへの無償参加等を合わせると時給換算で最低賃金以下となるケースも多々あると言われていますので、そういう意味では労働対価としてしっかり賃金が保証されているハケンで働いている人の方がむしろ高給の場合があり、同一労働同一賃金で逆に給与が下がってしまってはこれまた問題です。自分の給与が低い時は高い者に合わせろ、自分の方が給与が高い場合はそのままにしろ、というような虫の良い話があるわけもなく、このようなことから同一労働同一賃金制は現実には不具合が多いため均等ではなく「均衡」という言葉が使われているのだと思います。理想としては良いと思いますが、理想と現実は違いますのでやむを得ないところでしょう。

いずれにしても均衡ですから格差是正に効果はあると思いますが、事務系のお仕事だとハローワークなどの求人を見る限り、どう考えてもハケンの方が高給のような気がしています。ネットなどで高給を謳った掲載が目につくため(目につくように敢えて出しているのだろうが)それが相場のように錯覚してしまいますが、求人全体で見ると最低賃金に少し上乗せしたくらいの正社員募集が多く、賞与・退職金もないようなのでたぶんハケンの方が優遇されているような気がしています。取引先の従業員から雑談の中で「自分も同一労働同一賃金でハケン社員と同じ給与にして欲しいよ・・・」というボヤキ嘆きを耳にすることもあります。事務系しか知りませんので、工場派遣などは専門外なのでよくわかりませんが、正社員とハケンで均衡なのか大きな開きがあるのかを「職種別」で調べてみるのがよさそうです。たまたま低賃金の業種・職種だけを取り上げてそれが全てと言うようなイメージで物事全てを決めるのもおかしいですしね。本来、派遣社員は正社員よりも高給取りで、当然正社員以上の能力を有するものという定義でしたし、正社員・ハケンを問わず実力能力次第で世の中どうにでも満足感を満たせるはずなので、法改正などで他力本願で給与を上げてもらうのを期待するのではなく、「自分はこれだけの給与が欲しい、自分にはそれだけの価値がある」と企業に明言できるスキルを身に付け、必要とされる人材を目指すのが大事です。


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