第370話「教えてくれる人がいるかどうか」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 わたしどもは毎日さまざまな就職活動中の方と面接という形でお会いしますが、求職者からよく聞かれるのが「周りに教えてくれる人はいますか?」という質問です。回答が難しいのですが、中途採用である以上答えはノーだと思います。取り方にもよりますが2つのパターンに分類されて、「過去にどのように作業されているのか、その会社の決まりさえ教えてくれればできます」という意味で聞く方と、「常に付きっきりでわからないときは手とり足とり教えてくれる人がいるならできます」という意味で聞く方です。前者が”引き継ぎありますか”という意味であるならば、後者は”家庭教師はいますか”というような感じになります。

最初引継ぎの意味で教えてくれる人はいますかということであれば当然あってしかるべきと思いますが、問題は後者の考えで就職活動をしている方です。企業は人手が足りないから採用をするわけで知識がある経験があるというようないわば”手のかからない”人材を求めているから中途採用者を採るのです。イチから育てるのであれば新卒を採用すればいいわけで、それができない社内状況だから中途採用者が欲しいということです。ここでよく考えて欲しいのは、わからなければ聞けば教えてくれる人が常にいて、教えてくれないなら私は出来ませんというのならばアルバイトでいいと思いませんか。正社員・契約社員・派遣社員など社員と名の付く身分はたくさんありますが職責が含まれているのが共通項です、一方でアルバイトは未熟で成熟されていない人材に指導するということを含みます。このことから家庭教師が欲しいならアルバイトからスタートして成熟した時点で社員を目指すのが良いと考えます。もちろんプライドや見栄もあるでしょうから、「いい年してアルバイトじゃ恥ずかしい」ということもあるでしょうが、会社は学校ではありませんから、わからなければ教えてくれる先生が常にいるわけではないし、それでも自己努力やこれまでの知識経験を総動員して解決に導く義務を有するのが社員です。最近はこういう企業も増えてきて依頼の時に「教えてくれればできます」という人材は採用しない、「教えてくれなくてもできます」という人材を採用するという明確な採用基準を引いているところが増えてきました。

わたしも色々な会社さんを見ていますが中途採用の者が入社した時に、最初の引継ぎ程度はしても以後の「これわからないので教えてください」というのは基本受け付けていない会社の社員は社会人としてレベルが高いと感じます。一方でわからなければなんでも手とり足とり教えてくれている会社の社員は成長も遅いし正直業務レベルで見たときに先の企業の社員よりも落ちます。キャリアといわれる優秀な人材を輩出している企業はそういう育て方をしていますし、誰かが教えてくれる傘下で働いている以上所詮はアルバイト・レベルの意識しか植えつけられないので、その差は一目瞭然です。わからないことは聞けば誰かが教えてくれる会社は一見優しそうで良い雰囲気に思えるかもしれませんが人間の成長を止めてしまうこともありますし、一度ぬるま湯につかった人間は転職時もぬるま湯の会社を探さねばならなくなります。その繰り返しで成長がないまま年齢だけを重ねてしまい業務レベルでどんどん差がつけられて就職活動が難しくなるという構図です。まさかとお思いかもしれませんが3540代の方でも「教えてくれる人が常に周りにいてくれないとできません」という方は結構いらっしゃるのに驚きです。これからもし社会で会社ではたらこうという意欲のある人は是非「教えてもらわなくてもできます」とハッキリ言えることを目指してみてはどうですか。できるできないはともかく、仕事に対する社員としての姿勢・意識は高く評価されると思いますよ。


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