第346話「コンパニオン」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 コンパニオンというとみなさんは展示会などでのイベント・コンパニオンを想像すると思います。露出度の高いコスチュームについて米国では女性蔑視であるとか風紀を乱すという論争も出ていますが、そもそもコンパニオンとは、展示会などで商品の横に立って説明をしたり接客をするのが仕事で、元々は1970年の大阪万博が始まりと言われています。初の万国博覧会ということもあり語学力や高度の接客マナーが求められていたため良家の女子大生が従事したと云われています。それが1980年代にイベントが各地で増え、女子大生ブームと相まってアルバイト化し、今のようなイベントコンパニオンが誕生した(「イベントコンパニオン」は和製造語)。

モーターショー等を機にコスチュームの露出が多くなり、後にキャンペーガールやレースクイーンへと様々な形態へ派生していった。携帯電話が爆発的に普及し電話会社各社がこぞって競争していた頃はキャンペーンガールなしには立ち行かないという位のコンパニオンが働いていた。


 元々はコンパニオンというのは高度な接客能力を武器に商品の良さを伝えるのが本来の姿だが、最近は若くて綺麗な子に露出の多いコスチュームを着せているだけではないかとの声が多い。ヘソ出し・脚出しが当たり前で、男性客を魅き付けられれば語学力や接客能力は二の次である。来場者を引き付ける魅力的な女性を起用することに主眼を置くことの是非が今問われている。確かに高度な語学力と接客力があればコンパニオンの仕事は誰でもできるはずだが、現在の状況で高齢の方にイベントコンパニオンが務まるかどうかは疑問である。高齢の女性にヘソ出しの露出の多いコスチュームを着させたらそれこそセクハラ問題にもなりかねない。何故露出が多いのか、何故若くて綺麗な女性なのか、これは幾多のライバル企業が居並ぶ展示会で集客目的に他ならない。まずは来場者に足を運んでもらわなければならないし、露出の多い若い女性がいるブースに男性客が集まるのも紛れもない事実である。接客よりもカメラを片手に持った来場者に写真を撮られるのが主となる場合もある。もはやコンパニオンとはモデルであり芸能界への登竜門の一面もあり、自身を売り込むための手段と捉えているアルバイターも多い。一方で同性の女性からすれば「はしたない」、「女性蔑視」という感覚も植えつけることになった(芸能界でもモデルでもそうなのだが、本人の意であったとしても女性の露出に対してクレームを出すのは大概同性者である)。


コンパニオンの仕事とは「接客」なのか「集客」なのか、その目的が過去と現在では異なっているだけのことで、コンパニオンの定義が「接客」というのは確かに本来の意味はそうかもしれないが時代的に感性が古いのであって、コンパニオンの定義を「モデルとかアイドル」に近い位置づけとすれば、「接客業なのに若い子しか出来ないのはおかしい」とか「接客業なのに露出の多いコスチュームを着なければならないのはおかしい」とか「接客業なのに女性蔑視だ」などという議論も少しは減るような気もする。

なお、コンパニオンの定義は接客となっているためハローワーク等の行政庁に求人募集を出す際は勿論のこと、いかなる募集広告においても年齢不問が義務付けられる。法律により年齢で採否を判断してはならないとされている。露出の多いコスチュームがあることを謳ってある求人募集に、高齢の方が応募されて、企業側も年齢で合否を決められないとしたら、このような方を採用してコスチュームを着させるのはどうなのでしょうか。確かに労働法には適合しているのだろうが、人権侵害などその他の問題が色々あるのではないかと常々思っているのですがどうなのでしょうか。その一方で芸能としての求人募集は法律上年齢制限を掛けても良いこととされている。現在のコンパニオンはこちらの意味合いが強いのだが、「コンパニオン」はあくまで接客と定義されているので年齢制限は掛けられないというのが現状だ。法律が今の世の中の現実に追いついていっていない一例のようにも見える。

ちなみに、コンパニオンのお仕事は給料(アルバイト料)がよくて華やかな仕事に見られがちではあるが実際には接客や長時間の起立を強いられるなど体力の消耗が非常に激しく過酷な仕事であるため、芸能人・アイドルと同じく決して傍から見るほど楽なお仕事ではないということを補足しておきます。


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