新年の新聞紙面で、働き過ぎを防止するために有給休暇の完全消化ができるように企業側に対し義務化するという労基法改正案が載っていました。一方で、同じく労基法改正案の中には、働いた時間にかかわらず、成果で賃金を払うとする「残業代ゼロ」制度なども盛り込まれています。一部のブラック企業と呼ばれる会社を除けば、大半の企業で従業員は有給休暇を取得でき、むしろ有給休暇が許可されないという会社は殆ど見たことがありません。有給休暇を“使わせない”会社が多いのではなく“使わない”社員が多いのが現実ですので、【社員は有給休暇を使わなければならない】に改正した方がよほど現実的な気もしますが、このへんの行政庁と現実の現場の温度差の違いはどうしても出てしまいますね・・・。
『政府が26日召集予定の通常国会に提出する労働基準法改正案の骨子が明らかになった。企業に対し、従業員がいつ有給休暇を取得するか時期を指定することを義務づけ、確実に取得させることが柱だ。働き過ぎを防止し、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現を図る狙いがある。有給休暇は、休んでも賃金が支払われる制度で、勤続6か月以上で、定められた勤務日の8割以上出勤した従業員が原則として年間10日から20日間取得できる。勤続年数に応じて日数は増える。パート従業員でも、週5日以上勤務などの要件を満たせば、取得することができる。現行の法律でも、企業は従業員に有給休暇を取得させなければならないと定めている。しかし、従業員が自ら、いつ休むか時期を指定して請求することが前提となっている。従業員が請求しなければ、企業は有給休暇を与えなくても違法ではなく、取得率が低迷する要因になっている。』(2015.1.7付 朝日新聞)
-特集『休暇を取りたがらない社員を休ませるには』-