第344話「2015年の雇用動向の予測と考察」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

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はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

2015年も始まりましたので、ここで毎年恒例の新年予測をしてみようと思います。


①労働者派遣法改正を契機に、企業の派遣活用が増大すると思われる。顧問や嘱託という形で人件費を抑えながら厳しい時代を乗り切ろうとしていた矢先に団塊の世代が各企業からごっそり抜けてしまった今の日本企業が、新たに若い人材を正社員として受け入れて定年まで雇用し続けていける体力はないだろう。ましてや賃上げを政府から要求される中で年々人件費が膨らむことが分かっている若年層を受入れるのは景気的に無理がある。これまで3年縛りがあった人材を、企業は継続して活用できるのであれば今後の消費増税の効果も相まって経営面でも資金面でも企業は優遇されることとなり派遣雇用は増大する。労働者側としてもこれまで一部のスキル保有者にしか門戸が開かれていなかった専門26業種が撤廃されれば、全ての者に平等にそれだけ雇用機会が増えるという企業・労働者の両者にとってメリットが見いだせる時代になるだろう。


②派遣はワークライフバランス(WLB)を重視する者にとって満足できる制度に変化すると思われる。現在国内総労働者数は約6,600万人。昨年新たに就職した者の数(就職活動者も含める)は、前年比でみると男性は約1213万人ほど減少している。原因は団塊の世代が隠居し始めたことや定年退職、若者は働かないニートが増大したためである。正社員になれないから就活をあきらめた者も男性に多い。その一方で女性は主婦や育児中女性を中心に約50万人増加した。都心ではいまや専業主婦を探す方が困難ともいわれる程、女性が社会進出を果たした。女性がワークライフバランスを求めてパートやハケンなど家事・育児の両立を目指し理想の働きやすいスタイルを望み社会進出してきている。その数は男性の就職者をはるかに凌ぐ数である。昨年の雇用率を押し上げたのは紛れもなく女性であり、特にWLBを重視した主婦・育児中女性である。『雇用が増えたというが、その大半は非正規ではないか!』と叫んでいる政治家をTVで見たことがあるのではないでしょうか。昨年のこの状況を考えれば至極当然の結果であり、これこそが現在の日本の雇用を主に支える者たち(WLBを希望する女性)が出した紛れもない答えなのです。男性陣がだらしないと言ってしまえばそれまでですが、このことからWLBを目指す女性にとっては企業側が派遣活用を積極化すればするほど雇用機会に恵まれるということです。反対に正社員にこだわり続ける者は雇用機会が少ない冬の時代になりそうです。終身雇用が終わりを告げようとしている現代において正社員にこだわり続ける者に取って替わって、肩書や身分よりも「はたらく」ということこそが満足できる人材のためだけに派遣制度が生まれ変わるような気がします。 


新卒採用は2015年も引き続き横ばいと思われるが、中途採用者にまで門戸が開かれるかはわからない。門が狭くなればなる程、待遇面でも冷遇される契約社員が増えそうだ。一方で、主婦・育児者といったWLB希望者はパートや契約社員を避け、WLB待遇の満たされた派遣制度を活用して社会進出してくると思われる。


④労働者の質が問われる時代になると思われる。これまでは一定以上のスキル保有者は専門26業務で優遇されていたが、法改正で撤廃されれば全員が同一線上でスタートすることになる。すべての者に公平に機会が与えられる反面、スキル勝負が激化するため、これまでのように派遣登録をしておけば仕事は回ってくるだろうという意識では追い付けない。高スキルを持つ者から優先的に仕事を確保する状態になり、派遣会社各社もブラック労働者の廃絶に注力し労働者の質は一層向上すると思われます。企業側が派遣活用を活発化させたとしても、失業者数を上回る仕事数(雇用率)になるとは考えにくい。企業側は競争原理で労働者の質・スキルが上がるメリットを享受できるが、労働者側は一流のスキルと意識がなければ就業は遠のくばかりの年になりそうです。


 オフィスタでは2015年は企業の派遣活用は活発化すると予想します。特に育児中女性をはじめとするWLB重視型ではたらく方にとってチャンスが回ってくる年になりそうです。一方でフルタイム勤務で正社員にこだわる独身者には正直かなり厳しい年になりそうです。

2015年も“はたらく女性が活躍”できる年になって欲しいと願っています。オフィスタでは今年は、”障害のあるお子さまを抱えるはたらくママさん”にもスポットを当てて、WLBではないかもしれませんが「本当に働きたい」と願う女性を支援していきたいと思います。


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