日立製作所が年功序列制度を廃止すると発表しましたが、年功序列は日本企業において良い側面と悪しき側面を有しています。
大企業では多くの社員数がいますが、その全ての人間が優秀なわけではありませんし能力差は必ずあります。そこを賃金や出世を平準化することで平等性を持たせて労働者には安定を、企業側は人材定着と愛社精神の育成を互いにメリットとして有しています。銀行が融資をしてマイホームが持てる・住宅ローンが組めるのもある意味年功序列制度の恩恵である。
能力のない人にとってはありがたい制度である反面、能力のある人にとっては不公平な制度でもありました。ここでクローズアップされるのが能力・成果主義で出世や賃金が決まる風習がまだない日本でどう労働者が対応できるかだと思います。
傍から見れば能力のある者が高給を取るのは良い制度に思える一方で、自分のような優秀ではない人間からすれば自身がその立場だったら少し遣る瀬無いなという気もします。能力の有無に関係なくベテランなら誰にでもプライドや勤務年数という経験で得たものがあるという自負はありますので組織の和という面で心配です。高校野球で才能があるからと言って1年生がエースで4番で“キャプテン”というものがまかり通るとすれば、3年生の立場やこれまでの努力を考えると少し悲しいし、1年生のキャプテンに3年生が従うという光景が想像できない。会社でも新入社員にとって上司は人生の先輩。仕事帰りに一杯ひっかけながら上司は人生論を語り部下の将来を願う。「若い者が無理するな」と勘定を持ってもらったりというのが、どこにでもあるサラリーマン風景。これがある日、両者の立場が入れ替わったらやっぱり違和感がある・・・。自分が単に古いタイプの人間なだけなのかもしれないが。
欧米の方からすれば年功序列など理解できないと思うし、日本が生んだ「会社は我が家、社員は家族」のような社会風土は理解できないと思うが、時代も変わり始めグローバル化の中で実力のある者が生き残るサバイバル戦に日本もなったということだと思います。日産・ソニー・パナソニックなど有名大手企業では軒並み年功序列制の廃止を検討されているとも聞きますが、これから先の労働者に待っている新時代というのは厳しい現実社会のことなのかもしれませんね。時代の歯車は止められない、日本の伝統的な賃金体系や上下関係・雇用関係は大幅に変わっていく可能性が出てきました。グローバル化の次の段階に待っているものは間違いなく「終身雇用制度の廃止」なのですから。