第317話「ゆるい就職」 | OFFiSTA オフィスタ・ブログ

OFFiSTA オフィスタ・ブログ

はたらく女性/育児とお仕事がメイン・コンセプトのハケン会社オフィスタです。
ここでは派遣のお仕事についてハケン会社の立場から日々思ったこと・感じたことを綴ってみるWeeklyコラムです。

 インターネットのニュースで掲載されていましたが、メンバー全員がニートで構成される会社があるそうです。「ゆるい就職」といって週休4日で月収15万円を目指すという派遣事業だそうです。こうした「緩い」働き方は定着するのかというテーマで記事は綴られており、フルタイムで雇用されるか、時間単位で働くかのいずれかの日本の社会で、もう少し多様な働き方ができないかという視点で考え出されたのが、週休4日、月収15万円という派遣事業なのだそうです。『この就労形態がうまく成立するのかは、派遣社員を受け入れる企業次第ではありますが、価値観やライフスタイルの多様化が進む時代にあっては、こうした就労形態が存在するのも悪くありません。この考え方は、社会全体として見れば、一種のワークシェアリングと解釈することもできます。仕事の内容をしっかりと明文化し、責任の所在をはっきりさせることができれば、様々な雇用形態の人が、仕事をうまく分担しながらプロジェクトに関わることが可能となります。そうすれば、従来よりも多くの人に雇用の機会が与えられることになるでしょう』という内容の記事でした。

 

 オフィスタは創業以来一貫してワークシェアリングを推奨し、週23日勤務はあたりまえのハケン会社ですので、この記事を見たときに「え?今頃こんな当たり前のことを言っているの?」という感じで受け止めてしまいました。逆に言えば、やっとワークシェアリングという言葉が世に定着してきたのかなという気もしますが、オフィスタの事業は外部から見ると随分先進的な試みだったのだなと改めて実感しました。但し、このニートで構成するワークシェアはオフィスタの提唱するワークシェアとは根本的に異なる点がありそうです。記事を読んだだけなので受けるイメージでしかありませんが、働きたくない(または労働意欲の低い)ニートを活用したワークシェアのように見えました。オフィスタははたらきたい女性によるワークシェアですので“はたらく”の意味が根本的に違うのではないかと感じました。まず文面が「週休4日」と表示されていますが、何故「週3日勤務」と書かないのかという点。「休む・休める」ということが前提であることが読み取れ労働意欲が伝わってこない(このニート達も文筆者も週3日勤務と週休4日の違いを理解できていないと思われる)。また月収15万円というのも根拠がよくわからない。ニートなら月収10万円で親の扶養の範囲内に収まっていた方がよほど金銭的にもメリットがあると思うが・・・。


派遣社員を受け入れる企業次第で確かにワークシェアは国内に定着できると思うが、受け入れる派遣先企業の大前提は「労働意欲のある者を活用する。」であるのは古今東西不変である。どんなに雇用システムが良くてもやる気のない人間など誰も雇わない。『人手不足であるが故に、企業側は労働者の就労形態についてより柔軟に対処する必要が出てくるとも考えられ、人手不足をうまく利用してゆるい就職が提唱しているような就労形態を定着させることができれば、日本人の新しい働き方というものが見えてくるかもしれません。』と書かれていたが、まずは①労働者が強い労働意欲を持つこと、②その労働スタイルである必要性があり自身が満足できること、この2要素が伴わなければワークシェアを定着させることは不可能であるとオフィスタは考えます。ニートを活用した事例なら過去にいくらでも存在するし、派遣会社各社もかつてはネットカフェ前でビラを配ったりして時短や数日勤務といった同じようなニートシステムを何度も導入しているが全て失敗している経緯はこれに尽きます。「ゆるい就職」と呼ばれているものは過去の失敗例と何も変わっておらず、ニート自身が設立したという点を除けば特段目新しいシステムではないが(ニートは発達障害に関係して発症するケースもあるので、単にニートが働きますというだけではなく障害者枠としての労働などアイデアやひねりがあった方が良いと思うが)、同じワークシェアの定着を志す者としてこの会社には過去と同じ過ちでありきたり的に消滅して欲しくないなとは少し感じますが、労働意欲のないニートが話題作り・ゲテモノ狙いの派遣ビジネスなら間違いなく破綻するだろう。世の中そんなに甘くないということでしょうか。
主婦・ママさんとニートでは根本が違うので同じワークシェアでも決して交わることのない平行線であるため同列に語るべきではないのかもしれませんが・・・。


オフィスタ公式ツイッターはこちら


オフィスタ公式ホームページはこちら