ハローワークなどでは時給850円とか900円のお仕事情報も良く見かけます。中小企業で多くみられる現象ですが、お仕事内容と時給のバランスまで考えて明確な根拠の上で設定されている時給なのかどうか疑問です。売上や利益から時給額を設定しているようでは経営者は失格で、借金してでも従業員に見合った時給額を用意する気構えも経営者の資質です。「失業者が多いので時給900円程度でも応募者は来るだろう」と気楽に考えている経営者もいると思いますが、マッチする人材はまず来ないと思った方がいいでしょう。地域にもよりますが都内では実際難しいと思います。なぜなら仕事がないので失業しているのではなくて、自分に良い仕事がないので失業している方が多いのであって、決して仕事そのものがないわけではないからです。自分に良い仕事とは収入面も勘案されるべきものですので、やみくもに安い時給額で募集を出しても応募者は寄りつかないでしょう。比較的安い時給でも応募が来る場合の傾向としては、以下の2つに大分されそうです。
①時給・給与ではなく、自分がどうしてもその仕事をやりたい、金銭は二の次であるという者。
②とりあえず時給が安くても良いので就業したいという者。
①はまさに企業にとっては理想の人材だと思いますが、通勤圏内にこのような者が存在する確率は当然低いと思います。よほど人を惹きつける魅力的な業界・業種・企業ブランドがない限り難しいのが現実です。
よって応募者の大多数は②に該当すると思います。企業側も割り切れるのであれば時給が安くても応募者自体は獲得することが可能です。年金で暮らす65歳以上の方などは典型的な例ですし、もっと良い時給のお仕事が見つかるまでとりあえず腰掛で応募する者もいるでしょう。しかし、“とりあえず”で働く労働者である以上はスキル・愛社精神であったり定着率は望むべくもなく、企業側がそれを割り切れないから獲得できないだけの事なのです。「若くて、明るくて、仕事が出来て、通勤が近くて、愛社精神を持って真面目に時給900円で働いてくれて、文句を言わずに、長く定着してくれる」等、企業側にとっていわゆる“虫の良い話し”を並べても労働者は物ではなく人間である以上、そう簡単には動かない。現在の失業率は労働者も企業もお互いに“ない物ねだりが過ぎている”、“分をわきまえていない”結果生まれているのです。
時給額の設定とは一般的に考えて労働内容と相場が適合しているかどうかです。相場がいくらだからといって同様に設定するものではありません。都内のコンビニなどでは900~1000円位の時給が一般的のようですが、オーナーや店長に話を聞くと応募者が居なくて困っているとのこと。年中ハローワークに募集を出したり、張り紙を貼っているが一向に応募者が来ない。入ってもすぐに辞めてしまうの繰り返しだそうです。わたしも学生時代にアルバイトをしたことがあるが、正直1000円ではやる気は起きないと思う者が多いかもしれない。企業も不景気で高時給は難しいかもしれない、しかし時給を削れば良い人材は集まらないという企業のデフレスパイラルがここにあります。安い時給で来るか来ないかわからない良い人材を待つよりも、無理してでも高時給で良い人材を獲得して利益を倍増した方がよほどメリットがあると考えるのも一考ですが、ここが経営者の腕の見せ所ということでしょうか。ツイッターでコンビニ等のアルバイト達の悪ふざけが問題になっていますが、安い時給額で雇用した結果の事故だと思います。騒動で閉店に陥った店舗もあると聞きますので、経営者にしてみればまさに“小銭惜しんで大銭失い“の典型的な事例です。逆を言えば、労働者が納得できる時給額を設定すれば企業は成長できるという事でもあると考えています。人材が欲しいのか、人財が欲しいのかを企業は今一度考えてみる時代に来ているのかもしれませんね。
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