先日、ある大手広告代理店の担当者と打ち合わせをしていて、こんな話を聞きました。今年に入ってからアベノミクス効果もあり求人自体の数は増えてきているそうです。しかしながら「なかなかお仕事が見つからない」と嘆く求職者の数は一向に減らない。原因の一つには、求人が増えることによって目移りしてしまっている方と、自己でしっかり目的意識を持って就活している方とはっきりと分かれている。つまりお仕事を見つけることが出来る方と見つけられない方の二極化しているという。携帯電話を購入する際にも経験があると思いますが、Aという商品を買おうとお店に行ったとします。これを購入しようと決めているにもかかわらずBという商品もついつい見に行って比較してしまう。Bの方が良さそうに見えてしまってBを購入しようとすると、今度はCという商品と比較してしまいたくなる。結局最後はCという商品を買いに行ったが既に品切れで仕方なくAかBを購入しようと戻ったら先程完売になってしまったとのこと。このような現象が就活においても起きているようだ。ABCどれも買えなかったが必要に迫られているため背に腹は替えられないということで在庫のあるDという商品を仕方なく購入したが気に入らなくてまた買い替える羽目になり後悔する。一番良い買い物をしたのは最初から「自分は〇〇社製の商品しか興味がない、そのために〇〇社製の中で最も気に入っているAを購入する事しか眼中にない。他の製品よりも多少高くても、多少性能が劣っていたとしても自分はこれが欲しいんだ。」というしっかりとした幹をもっている方であろう。
お仕事探しは自身にとっても一大事なイベントですからよく考えて進路を決めるのは大切ですが、求人件数が増えれば増えるほど“他人の芝生”は良く見えてしまうもの。給与で選ぶも良し、通勤時間で選ぶも良し、業務内容で選ぶも良し、社風で選ぶも良し。但し、あれもこれも欲張ってしまうと二兎を追うもの一兎も得ずになってしまいますよ。求人が増えると要領よくやろうとする人よりも愚直な人の方に勝機があるようです。二極化する要因の一つにこういう意識的なものも影響しているのだろうなと感じました。