派遣会社にはみなさまのご就業をサポートするコーディネーターと呼ばれる担当者がいます。スタッフのみなさまのご希望・要望を考察して適正な派遣先をご紹介するコーディネート業務を主に行うのですが、もちろんご就業後もみなさまの悩みや相談を受け付け、問題解決に奔走する役割を担っています。派遣会社によっては「就業させたらそれで終わり」と考えているコーディネーターが多いと聞きますが、オフィスタでは「就業してからがコーディネーターの仕事の始まり」と考えています。また、コーディネーターはいついかなるときも常にモラルとコンプライアンスを持って生活していかなければなりません。
何故こんなことを書いたかというと、先日とあるコーヒーショップである派遣会社のコーディネーターとおぼしき2人の女性が隣に座っている場に遭遇しました。何故、派遣会社の関係者とわかったかというと、仕事も終わってコーヒーでも飲んでのプライベートな時間だったのでしょうが、周囲に聞こえる程、大きな声でスタッフの方の誹謗中傷を会話しておりましたので、同業者としてすぐに派遣会社名も含めて察しが付きました。
何気なく会話を聞いていたのですが、彼女たちの感性としては派遣業はビジネスであり、コーディネーターとは冷蔵庫やテレビを売り込む営業マンと同じという感覚なのだそうです。性能の善し悪し、欠陥品は交換、在庫を何人持っているといった会話は不愉快きわまりなくさすがに注意を促そうかと思ったほどです。
2人とも仕事に対してやりがいはなく転職をしたいとのことでしたが、そのようなコーディネーターに自身の人生を預けているスタッフの方々が気の毒だなとつくづく思いました。
確かに現在、派遣会社の社員の転職率は高く、原因のひとつとして過剰なノルマ主義が挙げられています。数字を取ることが社内で居場所を確保する唯一の手段であれば、おのずとスタッフは自分たちの取り扱う商品という意識が生まれ、スタッフの身を守る以前に自身の保身が優先されます。一方で大手派遣会社ほど広告宣伝費は大きくなりますのでイメージ重視で就業希望者が職を求めて流れてきます。現在の仕事減・派遣会社内のリストラ・コーディネーターの高離職率が相まって、結果としてお仕事を探している方にとって満足できる環境が破壊され、派遣会社自体のモラルが問われている時代でもあるのです。
この2人の勤務する派遣会社の企業方針もあるかと思いますので、どのような経営スタイルで運営するかはオフィスタで非難するつもりはありませんが、少なくとも企業コンプライアンスは徹底すべきです。派遣先の企業担当者の誹謗中傷、スタッフの方のミスや悩みを笑い話で会話し、上司の不平不満をコーヒーショップで周囲も気にせずに話している時点でこの派遣会社の信用を失墜させています。スタッフの教育・訓練をTV・雑誌で謳う前にまずは自社社員の教育が先ではないかとも思いましたが、同時に、オフィスタのコーディネーターにはこれとは真逆のスタイルで仕事に取り組んで欲しいと実感した出来事でした。
また、オフィスタのスタッフのみなさまにおかれましては、コーディネーターへのご意見・ご要望はご遠慮なくお申し付け下さい。毎日ベッタリ体を覆う毛皮のコートでは暑苦しいと思います、でもいざというときに身を守る盾として常に小脇に携えていただけたら、そんな存在のオフィスタ・コーディネーターになれたら幸いです。