会数06:運転資金ていくら必要ですか? | 面白くて役に立つ。会社数字のポイント! -愛知県豊田市の大澤税理士事務所-

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分かりやすくて役に立つ

 

会社の数字の使い方の第6回です。

 

今回も引き続き、

 

しつこく会社の安全性をやっていきます。

 

今回のテーマは、

 

自分の会社に必要なお金っていくらだろう?

 

運転しきってどうやって計算するの?

 

です。

 

〇準備

 

前回同様、せっかくなので、お手元に自分の会社の試算表を

 

準備しておいていただくと良いです。

 

なるべくわかりやすく項目分けされている奴がほしいです。

 

勘定科目だけの羅列の場合、

 

足し算してください。

 

あと、電卓も使ってください。

 

文章だけ読んでも、なんとなく、分かったような気になるのですが、

 

あとで、なんだっけ?となりやすいので。

 

ちょっと、もったいないかなーと思います。

 

と、いつもの前置きをしておきます。

 

 

〇運転資金の中身を説明できますか?

 

経営者に運転資金って知ってる?と聞けば

 

とうぜん、知っている!という答えが返ってくるでしょう?

 

じゃあ、それって、何?と聞くと

 

会社を運営するのに必要なお金と言うでしょう。

 

さて、ここで、もっと踏み込んでみましょう。

 

じゃあ、いくらですか?

 

どうやって計算するの?

 

その理由は?

 

こうやって踏み込むと、よくわからないという人が大半です。

 

つまり、なんとなくはわかっているけど、

 

実際に活用できていないパターンがとても多いです。

 

たとえて言うなら、箸ってしってる?と聞いたとき、

 

知っている!と答えても使い方を知らなくって

 

手づかみで食べているようなものです。

 

なんか、ちょっと違う感じがしますよね。

 

 

 

〇運転資金を考えるために必要な3つのもの

 

運転資金を考えるときには次の3つの要素で考えます。

 

①まだもらっていないお金(売掛債権)

 

②まだ払っていないお金(買入債務)

 

③売るために使ったけど残っているもの(棚卸資産)

 

ひとつづつ説明していきます。

 

①まだもらっていないお金(売掛債権)

 

売掛債権とは、商品やサービスを提供したけど

 

お金が後払いになっているので、

 

自分のところにお金が入ってきていない物です。

 

財務諸表の、売掛金や受取手形に関係するものです。

 

最近は手形も減って来たので、売掛金だけの場合も

 

かなり増えてきました。

 

②まだ払っていないお金(買入債務)

 

買入債務とは商品やサービスを受けたけど、

 

お金が後払いになっていて、まだ払っていない物です。

 

財務諸表では、買掛金や支払手形に関係するものです。

 

こちらも、支払手形を見ることはものすごく減りました。

 

③売るために使ったけど残っているもの(棚卸資産)

 

棚卸資産とは売るために買った商品や作りかけの仕掛品などで

 

まだ販売されていない物になります。

 

ザックリいえば、在庫ですね。

 

細かく見ていくと深いので、在庫にかかった費用ぐらいのイメージを持ってください。

 

 

 

〇運転資金を計算する方法

 

さて、運転資金を計算するときには、この3つを使って次のように計算します。

 

売掛債権① + 棚卸資産③ - 買入債務②

 

①は、まだもらっていないお金

 

②は、待ってもらっているお金

 

③は、もう払ったお金

 

です。

 

運転資金と言うのは、このお金のうち、どのぐらいを毎月自社で負担しているのか?

 

を計算したものになります。

 

つまり、

 

まだもらっていないお金 + もう払ったお金 - 待ってもらっているお金

 

というのは、自社が負担したお金ですよね。

 

この部分が毎月の運転資金として必要になるものです。

 

さて、ここで、ちょっとした疑問が出てくるかもしれません。

 

例えば、製造業ならモノづくりの機械、飲食業なら厨房設備など

 

大きなお金が出ていきます。

 

このために支払いをするお金だって、普段の商売で必要なお金じゃない?と。

 

確かにこれらのお金は、普段の商売で必要になるものですが、

 

運転資金にはふくまれず、設備資金というカテゴリーになります。

 

なぜなら、定常的に買う物ではなく、

 

設備の購入で大きく支払う物なので、お金の流れが

 

運転資金とは違うからです。

 

 

〇資金の流れを知らないと…

 

前回、設備買って大丈夫?という話をしました

 

これは、今回の運転資金の話と関係してきます。

 

なぜなら、運転資金の額をきちんと把握していないで

 

設備投資をすると、資金を圧迫してしまうからです。

 

売り子は、売った後の資金のことに責任は持ちません。

 

そのため、儲かって良い気分のところに売りに来ることがあります。

 

これは、金融機関がすることすらあります。

 

運転資金がつらくなって困るのは会社だけです。

 

 

 

〇運転資金と借り入れの関係

 

今回紹介した運転資金の考え方は金融機関でも使われています。

 

そのため、金融機関はこの数字を目安に運転資金の貸し付けを検討します。

 

さて、この場合、運転資金の借り入れが困難な会社は

 

どういった業種でしょうか?

 

代表的なのは飲食業です。

 

最近だと、キャッシュレスとかの影響で

 

クレジットカード払いも多くなり売掛債権①が増えてきました。

 

とはいえ、現金商売であるイメージもまだまだ強く、

 

現に現金でのやり取りも多くなります。

 

そのため、売掛債権が発生しない日銭型の商売であるため、

 

運転資金を計算すると、ほぼ0となります。

 

そのため、なかなか借り入れができません。

 

とはいえ、運転資金がまったく借りれないか?と言えば

 

そんなことはありません。

 

きちんとした理由があれば可能です。

 

例えば、人を雇う場合などです。

 

この場合、人を雇うことで商売を促進させるということが

 

きちんと説明できれば、その時の財務情報等を

 

総合的に勘案して、資金を借りる事もできます。

 

 

 

さて、運転資金について、なんとなくわかったでしょうか?

 

資金の安全性に関する指標の一つではありますが

 

結構、重要な指標でもあります。

 

一度、計算してみてください。

 

 

 

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