「ガールズ・ロスト」(2015・スウェーデン/フィンランド) 77点 Pojkarna / Girls Lost (Swedish)
2/15 ユーロスペース/トーキョーノーザンライツフェスティバル2017
2/15のノーザンライツ耐久レース最後の作品。
一晩だけ少年に変わる力を持つ不思議な花を手に入れた少女たちの冒険を描く青春ドラマ、と聞いて興味を持った。

スタンド・バイ・ミーの女の子版みたいな冒険譚を想像していた。勝手に。
ボーイッシュな仲良し組女の子たちが男の子の姿になって一夜の冒険を楽しむ。
男の子だけの世界感を共有したり、恋物語なんかもあったり。
ワクワク・キュンキュン系かと……。

…と思っていたら、結構ダークなヤツですよコレ。
いやね、確かにファンタスティックで幻想的なんだけども。
昨年の「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」上映作品だったのね、ど〜りで!

学校ではイケてない女の子3人組の溜まり場はモモん家の温室。
そこで奇妙な種から咲いた花の密を飲んだ3人は皆、男の子の身体に変身してしまう。

男の子の姿で揃って街に出掛けた3人は、普段は到底敵わない男子と互角にサッカーする自分たちの身体能力を楽しみ、気になっていた男の子にも同性として気軽に話せることを発見する!

3人は “本当は女の子だけど夜だけ男の子に変身できる魔法” を楽しんでいたが、キムだけは違った。
普段から心と身体に違和感を持っていたキムは、男の子に変身したことで “これが本当の自分の姿だ” と実感していた。

前から気になっていた男子、不良のトニーと男の子の姿で仲良くなり、つるんで酒を呑み犯罪行為にまで加担するキムは、次第に仲良しだった2人と距離を置くようになる…

身も心も男の子になって本当の自分自身になりたい!
そして好きな男の子のことを思いっきり好きと言いたい!

今までずっとモヤモヤしてたものが晴れて自分の欲するものがクリアーに見えた!…という点は良いのだが、実際にはそんなにウマいこといかない。現実に戻れば二重苦(トランスジェンダーとホモセクシュアル)という問題も明確に見えてしまったワケで。

目覚めてしまった14歳の少女は、理想と現実の狭間でもがき葛藤する。

かく言うnagiも小学校の頃は本気で男の子になりたかった。
赤いランドセルを背負うのが何よりも苦痛で、スカートを履くことは断じて拒否していた。
リカちゃん人形よりもプラモデルや超合金を欲しがった。

でもそれは…何て言うかな〜、そんなに重たい気持ちではなくて。
ジェンダーうんぬんよりも好みの問題?女の子っぽいものよりも男の子っぽいものの方が好きだっただけで。または女性的なものへの拒否というか。当時はまだそこまで自己分析は出来なかったけども。

要するに成長したくなかったんだと思う!
小学校から中学校って、子供から女性の身体にどんどん変化する時期(ブラジャーとか生理とか)。
それが嫌で嫌で。そんなん全部無くなればいいのに!何で今までと同じじゃダメなの??……と本気で思っていた。

とはいえ、いつの間にかそんな思いも消え、あれから何十年も女をやっているワケだけど。
あの頃のワタシにこんな魔法の花があったら…男の子の様に走り回れたら…男同士つるんだり喧嘩したり…もし一晩だけでもそんな体験をしてしまったら…

そう思うとキムの苦悩が他人事とは思えなくて。
どうしょうもなく切なくて苦しくて。
見てる間じゅう…いや見終わってからもなお、キムに肩入れして応援していた。
これからも強く生きろよ!…と。

[昨年のノーザンライツ・フェスより「ウィ・アー・ザ・ベスト!」劇場鑑賞時の感想↓]
コチラは “ガールズバンド” 呼ばわりを拒否したパンクバンドのハナシw