ホスピタリティの専門家 濱野まさひろのブログ

ホスピタリティの専門家 濱野まさひろのブログ

北海道流のホスピタリティ=「なまらあずましい」を探して

 

 

なぜ、コンサドーレは結果を出せなかったのか?

2025年、北海道コンサドーレ札幌はJ1昇格どころか、まさかの12位という結果に終わりました。
サポーターの一人として、そしてマネジメントを学び実践してきた者として、この結果には強い違和感を覚えます。

 

私は昨年、ブログで「コンサドーレから学ぶマネジメント」という記事を書きました。
そこでは、GM(ゼネラルマネージャー)と社長の兼任体制がクラブの弱点であると指摘しました。

GMはチーム強化とファンへの価値提供に責任を持ち、
社長は経営と収益拡大に責任を持ちます。
両立は非常に難しく、私は「マネジメントの弱体化につながる」と書きました。

 

2025年シーズン開幕時、三上GMが専任に戻り、石水創社長が就任。
私は「ようやく体制が整った」と期待しました。
しかし、シーズン中盤でGMが解任され、その後シーズン終了までGM不在期間が続きました。

これは、まさにマネジメントの中心が失われた状態です。


組織で言えば、「現場責任者がいないまま経営判断だけが進む」ようなもの。
理念がどれほど立派でも、日々の戦略や意思決定が噛み合わなければ成果は生まれません。

マネジメントとは、理念と現実を“なんとかする”こと。
その中核を担うポジションが空白になれば、現場は混乱し、方向性はぼやけていきます。

 

 

昨年決められたクラブの理念は明確です。

  • パーパス:「赤黒の輪で北海道の夢をつなぐ」
  • フィロソフィー:「走る、闘う、規律を守る、その笑顔のために」
  • コアバリュー:「Enjoy・Commitment・Open・Family」

これだけ理念が整っているクラブにもかかわらず結果が出ない。
その理由を突き詰めると「目標」「計画」の不在に行き着くと感じています。

 

 

■ 組織の成果は「目的・目標・計画」で決まる

組織が最大の成果を出すためには、必ず次の3つを明確にし、全員で共有することが必要です。

  • 目的(Purpose):なぜやるのか。なんの為にこの組織は存在するのか。
  • 目標(Goal):どこを目指すのか。到達点。
  • 計画(Plan):どうやって実現するのか。道筋。

 

目的が概念の最上位です。

漢字の通り、組織が最終的に目指す「的」です。

パーパスは「目的」を示しています。

フィロソフィーは目的に向かうための方向を示す「羅針盤」と言ったところでしょうか?

 

目標は「標(しるべ)」です。
仕事が目的に向かって上手く行ってるのか確認するための標です。

目標には指標と水準が必要です。

「何を(指標)」「どれだけ(水準)」達成させるか?ということを決めます。

 

計画とは、許容出来る資源の消費量(予算=お金)と活動の進捗量(スケジュール)を事前に決定することです。

簡単に言うと目標達成させる為にお金の使い方とスケジュールを5w2hであらわした物が計画といえます。

 

いくら目的が共有されていても「何を」「どれだけ」「いつまでに」「どうやって」実現するのか――この目標と計画が可視化されていなければ、現場もファンも同じ方向を向けません。

 

目的は概念ですから抽象的です。

「赤黒の輪とは?」「北海道の夢とは?」

皆、頭の中に浮かぶものはバラバラです。

それを明確にし共有するのが「目標」と「計画」なんです。

目的は“心の軸”ですが、目標と計画は“動かす軸”。
どちらかが欠ければ、組織は動かなくなります。

 

 

■ 理念だけでは動かない ― “Why”だけでなく“What”“How”を可視化せよ

組織のマネジメントは、
「Why(なぜ)」だけでは動きません。
「What(何を)」「How(どうやって)」があって初めて成果が出ます。

コンサドーレの場合、

  • パーパス=Why(なぜ)
  • フィロソフィー=どうあるべきか(価値観)
    までは明確ですが、
  • 目標(いつまでに、どこまで上がるのか)
  • 戦略(どのように勝つのか、育成と補強をどう両立させるのか)
    が明確に共有されていません。

結果として、サポーターも選手も「今、何を成功と呼ぶのか」が分からない。
これはまさに、企業組織で言う「理念はあるのに経営計画がない」状態です。

 

■ 組織力とは、理念 × 目標 × 計画 × 共有

私はこう考えています。

組織力 = 理念 × 目標 × 計画 × 共有

理念だけでは“熱量”は生まれても、方向性は生まれません。
目標と計画があることで、初めて熱量が“成果”に変わります。
そして共有されることで、全員が同じベクトルに向かって動くことができます。

クラブのコアバリューには、**「OPEN」「Commitment」**という言葉があります。

今こそ、この言葉をマネジメントの現場で体現すべき時です。

マネジメントにおける「OPEN」とは、仲の良さではありません。

「なぜこの計画で勝てるのか」というロジックを共有し、プロセスを透明にすることです。

 そして「Commitment」とは、掲げた計画に対し、誰が、いつまでに、どう責任を果たすのかを明確にすることです。

サポーターを「FAMILY」と呼ぶのであれば、その家族に対してこそ、美辞麗句ではない「現実的な航海図(目標と計画)」をOPENに示すべきではないでしょうか。

 

 

■ コンサドーレに必要なのは「戦略ストーリー」

今のコンサドーレに必要なのは、理念を動かす「戦略ストーリー」です。
たとえば次のような中期目標を掲げることで、組織全体がひとつにまとまります。

  • 2年以内にJ1復帰、平均観客数2万人
  • 北海道全域で育成年代登録者数20%増
  • 地域スポンサー参画率30%アップ

こうした明確な目標と戦略をサポーターにも開示し、
「なぜ今この補強なのか」「どんなチームを目指しているのか」を共有する。
これこそが、パーパスを現実に変えるマネジメントです。

 

 

まとめ:マネジメントの可視化が組織を救う

「地域の誇りでありたい」という高い理想。 「J1で勝たなければならない」という厳しい現実。

この二律背反を、精神論ではなく「ロジック」で繋ぐこと。それがマネジメントの役割です。 2026年、コンサドーレが再び輝くためには、理念(目的)を語るのと同じ熱量で、具体的かつ納得感のある「目標」と「計画」を可視化することが不可欠です。

マネジメントとは、なんとかすること。 今シーズンこそ、北海道の夢を「ロジック」と「情熱」の両輪で、正しく管理(マネジメント)していく姿を見せてほしい。私も一サポーターとして、そしてマネジメントを志す一人として、この「可視化」の行方を厳しくも温かく見守り続けます。

 

新年あけましておめでとうございます。
オフィスAZMの濱野まさひろです。

昨年は、多くの方に支えていただきながら、さまざまなご縁と経験を重ねる一年となりました。

日々の仕事を通じて出会えた皆さまに、心より感謝申し上げます。

社会や働き方を取り巻く環境は、変化のスピードを増しています。

そうした中でも、目の前の一つひとつの仕事に誠実に向き合い、相手の立場に立って考える姿勢を大切にしていきたいと改めて感じています。

 

本年も実務に根ざした支援と、長く信頼していただける関係づくりを心がけてまいります。

小さなご相談でも構いませんので、気軽にお声がけいただければ幸いです。

皆さまにとって、この一年が実り多く、健やかな年となりますようお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

オフィスAZM
濱野まさひろ

最終回:リーダーとしての行動を習慣化する方法

 

皆さん、こんにちは!

 

前回は「成長し続けるリーダーになるために必要なこと」についてお話ししました。

 

- **コンフォートゾーンを抜け出す**(意識的に新しい挑戦をする)

- **フィードバックを積極的に活用する**(自分を客観的に見る)

- **学び続ける習慣を持つ**(読書、他業種から学ぶ、メンターを持つ)

 

最終回となる今回は、**「リーダーとしての行動を習慣化する方法」**についてお話しします。

 

1. 習慣がリーダーの質を決める

 

リーダーとしての成長は、一時的な努力ではなく、**日々の行動を積み重ねること** で形作られます。

 

習慣化することで、

 

- **考えなくても自然に適切な行動ができる**

- **リーダーとしての軸がぶれなくなる**

- **チームに良い影響を与え続けられる**

 

では、どのようにリーダーとしての行動を習慣化していけば良いのでしょうか?

 

 2. 習慣化の3ステップ

① 小さく始める(ハードルを下げる)

 

習慣化のコツは、**最初のハードルを下げること** です。

 

例えば、「毎日チームメンバーに感謝の言葉を伝える」と決めても、忙しくて忘れてしまうことがあります。そこで、

 

✅ **「1日1回、メンバーの良い点を見つける」** という小さな目標から始める

 

このように、無理なく続けられる行動を設定すると、習慣になりやすくなります。

 

 ② ルーチン化する(行動のトリガーを作る)

 

習慣を定着させるには、**「いつ・どこで・どのようにやるか」** を決めることが重要です。

 

✅ **朝のミーティングで1つポジティブなフィードバックをする**

✅ **毎週金曜日に1週間の振り返りを行う**

 

このように、決まったタイミングで実行すると、自然に行動が定着していきます。

 

③ 継続を可視化する(記録をつける)

 

習慣は、続けることで定着します。

 

✅ **「毎日○○をやったか?」をチェックリストに記録する**

✅ **できたらカレンダーにマークをつける**

 

記録をつけることで、「やった」という達成感が生まれ、継続しやすくなります。

 

3. 私の経験:習慣化で変わったこと

 

私自身も、リーダーとしての行動を習慣化することで大きな変化を経験しました。

 

例えば、ホテルの支配人時代、「部下とのコミュニケーションを増やす」という目標を立てました。しかし、忙しい業務の中でつい後回しにしてしまうことがありました。

 

そこで、**「毎日1人のスタッフに5分だけ話しかける」** というルールを決め、実践しました。

 

最初は意識的にやっていましたが、次第に「今日は誰と話そう?」と考えるようになり、気づけば自然な行動になっていました。

 

その結果、スタッフとの信頼関係が深まり、チームの雰囲気も大きく改善されました。

 

4. ワーク:「習慣化する行動を決める」

ここで皆さんに考えていただきたいことがあります。

 

**「リーダーとして習慣化したい行動は何ですか?」**

 

- 毎朝、チームのメンバーに声をかける

- 週に1回、メンバーの良かった点を伝える

- 毎月、チームの目標を確認し、共有する

 

個人ワークで3分間考えた後、グループでシェアしましょう。

 

まとめ

 

リーダーとしての成長は、**日々の行動の積み重ね** で決まります。

 

1. **小さく始める**(ハードルを下げる)

2. **ルーチン化する**(行動のトリガーを作る)

3. **継続を可視化する**(記録をつける)

 

習慣を身につけることで、自然とリーダーシップが発揮できるようになります。

 

これで、「改めてリーダーシップを学ぶ」シリーズは終了です。

 

ここで終わりではなく、これからの成長のために、学び続ける姿勢を持ち続けましょう。

 

皆さんのリーダーシップが、チームに良い影響を与え続けることを願っています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画「MI:ファイナルレコニング」を見てきました3時間があっという間に感じる素晴らしい映画でした トムがインタビューで「映画を作るときは、常に観客の立場に立っているんだ」という言葉が感銘を受けました。

第3回:リーダーシップの必須能力「対人影響力」を発揮するには?

皆さん、こんにちは!

前回は、リーダーシップの大前提として「信頼」が不可欠であることをお話ししました。

信頼を得るためには、

1. **言行一致を心がける**(約束を守る、言ったことを実行する)

2. **誠実なコミュニケーションを取る**(部下の話を聞く、ポジティブな姿勢を持つ)

3. **日々の習慣として信頼を積み重ねる**(感謝を伝える)

これらが重要であることを学びました。

今回は、リーダーシップの必須項目「対人影響力」についてです。

リーダーが対人影響力を発揮する為の公式があります。

対人影響力を発揮するための公式:「能力 × 人格」

リーダーとしての対人影響力は、**「能力 × 人格」** という掛け算で成り立っています。

– **能力(スキル)** … 業務遂行力、専門知識、判断力、問題解決力など

– **人格(人間力)** … 誠実さ、責任感、コミュニケーション能力、謙虚さなど

つまり、どんなに優れたスキルを持っていても、人格が伴わなければリーダーシップは発揮できません。逆に、人柄が素晴らしくても、必要なスキルが不足していれば、組織を導くことはできません。

では、それぞれの要素を詳しく見ていきましょう。

1. リーダーに求められる「能力」

リーダーとしての能力は、単に業務遂行力だけではありません。以下の5つの要素が求められます。

① 判断力

– 状況を冷静に分析し、適切な決断を下す力。

– 例えば、私がホテルの支配人をしていた時、台風の影響でキャンセルが相次ぎました。その際、「どうすれば被害を最小限にできるか?」を素早く判断し、宿泊者への柔軟な対応を即決しました。

② 問題解決力

– 課題を整理し、解決策を導き出す力。

– 例えば、売上が低迷しているときに「単に客数が少ないのか?それともリピーターが増えていないのか?」を分析し、的確な対応策を考える。

③ コミュニケーション力

– 相手の話をよく聞き、的確に伝える力。

– ただ伝えるだけではなく、「相手にどう伝わるか?」を意識する。

④ 計画・実行力

– 目標達成のために計画を立て、着実に実行する力。

– 例えば、新しい施策を導入する際、ゴールを設定し、具体的なステップを踏んで進める。

⑤ 育成力

– メンバーの成長をサポートし、チーム全体の力を引き上げる力。

– 「リーダーは部下を成長させてなんぼ」とも言われます。

【ワーク】能力の自己分析

皆さんに質問です。

**「あなたが最も強みだと思う能力は何ですか?」**

**「逆に、今後強化したい能力は?」**

個人ワークで3分間考え、その後、グループでシェアしましょう。

 2. リーダーに求められる「人格」

能力が優れているだけでは、リーダーとしての信頼は得られません。次に、人格面で大切な3つの要素を見ていきます。

① 誠実さ

– 約束を守る、嘘をつかない、責任を持つ。

– 「誠実さは最大の資産」とも言われます。

② モラルあるコミュニケーション

– 人を見下さず、敬意を持った言葉遣いをする。

– 「お前やれ」ではなく、「○○さん、お願いできますか?」と伝える。

 ③ 成長意欲

– 新しいことに挑戦し、学び続ける姿勢。

– 「もう学ぶことはない」と思った瞬間、人の成長は止まる。

【ワーク】人格の自己分析

次に、皆さんに考えていただきたいことがあります。

**「あなたが尊敬するリーダーの人格的な特徴は?」**

– どんな行動をしていたか?

– どんな言葉をかけてくれたか?

まずは個人で2分間考え、その後グループでシェアしましょう。

3. 能力と人格のバランスを取る

「能力 × 人格」のバランスが取れていると、強いリーダーシップが発揮されます。

しかし、バランスが崩れるとどうなるでしょう?

– **能力が高くても人格が低い** → 「優秀だけど嫌われる上司」

– **人格が高くても能力が低い** → 「人柄はいいけど頼りない上司」

どちらも、リーダーとしては理想的ではありません。

大切なのは、**「能力も人格も同時に高めていくこと」** です。

 まとめ

リーダーシップは、「能力 × 人格」の掛け算で成り立っています。

1. **能力**(判断力、問題解決力、コミュニケーション力、計画・実行力、育成力)

2. **人格**(誠実さ、モラルあるコミュニケーション、成長意欲)

どちらもバランスよく磨くことが、信頼されるリーダーへの道です。

次回は、「成長し続けるリーダーになるためには?」について詳しくお話しします。

お楽しみに!

 

 

第2回:リーダーが信頼されるために必要なこと

皆さん、こんにちは! 前回は「リーダーシップとは何か?」についてお話しし、リーダーに必要な3つの力(目標を示す力、メンバーを奮い立たせる力、仕組みを作る力)について考えました。 しかし、これらの力を発揮するためには、ある重要な前提があります。 それは、「信頼」 です。

リーダーシップの大前提:信頼

ピーター・ドラッカーは、 「リーダーに関する唯一の定義は、『フォロワー』(信頼してついてくる人)がいるということである。」 と述べています。 つまり、メンバーからの信頼なしに、リーダーシップは成り立たないのです。どんなに素晴らしい目標を掲げ、メンバーを奮い立たせる言葉を発しても、リーダー自身が信頼されていなければ、チームは動きません。 では、リーダーが信頼を得るためにはどうすればよいのでしょうか?

  1. 言行一致:有言実行の姿勢

「この人は約束を守る」「言ったことをやる人だ」という信頼感があると、メンバーは安心してついていきます。

たとえば、あるプロジェクトでリーダーが「自分も現場の負担を理解している」と言いながら、実際には現場に足を運ばず、メンバーの意見を聞かない場合、どうなるでしょうか?

一方で、あるリーダーは「自分も一緒に頑張る」と言った後、定期的に現場を訪れ、作業を手伝ったり、メンバーと対話を重ねていました。その結果、メンバーは「この人は本当に私たちのことを考えている」と感じ、信頼を寄せるようになったのです。

リーダーは、まず自分の言葉に責任を持ち、言行一致の姿勢を貫くことが大切です。

  1. 誠実なコミュニケーション

信頼は、日々のコミュニケーションの積み重ねから生まれます。 たとえば、

  • 部下の話を最後まで聞く

  • 困っているメンバーを気にかける

  • 指示するだけでなく、相手の意見を尊重する

こうした誠実な対応を続けることで、メンバーはリーダーを「頼れる存在」と感じるようになります。

また、信頼を築くうえで気をつけたいのが、ネガティブな発言をしないこと です。 もし、リーダーが「会社が悪い」「上層部がダメだ」といった愚痴をこぼしていたら、メンバーはどう思うでしょうか? 「この人についていって大丈夫かな?」と不安に思うかもしれません。

私がホテルの支配人をしていたとき、ある上司が印象的でした。 仕事には非常に厳しい方でしたが、メンバーに対しての挨拶を必ず満面の笑顔で行い、一人一人と定期的にマン・ツー・マンの面談を行い、仕事やプライベートの悩みをじっくり聞く人でした。 仕事に厳しくても、メンバーのことを考え、誠実に向き合うことで、大きな信頼を得ていたのです。

リーダーは、前向きな姿勢を持ち、チームが建設的な雰囲気になるよう意識することが重要です。

  1. メンバーとの信頼関係を築く習慣

信頼関係を築くには、日々の小さな積み重ねが大切です。

私が実践していたのは、「感謝の言葉を意識的に伝えること」 でした。

 百貨店時代、あるスタッフが自主的に売り場のディスプレイを工夫してくれたことがありました。

そのとき私は、「素晴らしい工夫をしてくれてありがとう!すごく助かるよ」と伝えました。 

すると、彼は「自分の意見が認められた」と感じ、それ以降も積極的にアイデアを出してくれるようになったのです。

リーダーが感謝の気持ちを持ち、それを伝えることは、チームの士気を高める大きな力になります。

 

ワーク:「理想のリーダー像」を考える

ここで皆さんに考えていただきたいことがあります。 あなたは、どんな上司や先輩と働きたいですか? 「教え方が上手い人」「部下を気にかけてくれる人」など、思いつく要素を挙げてみてください。

このワークを通じて、

  • 自分の考える「理想のリーダー像」

  • 他の人が大切にしているリーダーの要素 を知ることで、リーダーとしての成長のヒントを得ることができます。

まとめ

リーダーシップを発揮するためには、メンバーからの信頼が大前提です。 そのために、

  • 言行一致を心がける(約束を守る、言ったことを実行する)

  • 誠実なコミュニケーションを取る(部下の話を聞く、ポジティブな姿勢を持つ)

  • 日々の習慣として信頼を積み重ねる(感謝を伝える)

これらを意識して実践していきましょう。

次回は、「能力×人格」の視点から、リーダーシップのさらなる要素について掘り下げていきます。 お楽しみに!

 

 

スノーボードをする画像

 

 第1回:リーダーシップとは何か?

 

皆さん、こんにちは!

濱野まさひろです。今回も、どうぞ宜しくお願いいたします。

今回からはホスピタリティマネジメントを実践するには欠かせない「リーダーシップ」についてお伝えしたいと思います。

 

リーダーがリーダーシップを発揮することで、チームビルディングがなされ、チームはより良い姿に成長していきます。

 

経営学者のピーター・ドラッカーはこう語っています。

 

> 「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを『仕事』と見ることである。」

 

リーダーというとカリスマ性や生まれ持った才能が必要と思われがちですが、そうではありません。リーダーシップとは「仕事」として学び、実践するものなのです。

 

 私の経験から学んだこと

 

私は百貨店で約20年間、さまざまな売り場のマネージャーや改装プロジェクトのリーダーを経験し、その後ホテルで5年間支配人を務めました。

 

しかし、その中で「リーダーとは何か?」を体系的に学ぶ機会はありませんでした。書籍を読んで学ぶことはありましたが、実際には先輩や上司のやり方を見て真似るしかなかったのです。

 

良いリーダーから学ぶことは多かったですが、一方で「悪いリーダーシップ」を無意識に受け継いでしまうこともあります。

例えば、厳しすぎる指導をする上司の影響で、私自身もそのスタイルを取り入れてしまい、結果としてチームの士気を下げてしまったこともありました。

 

この経験から学んだのは、**「リーダーシップは意識的に学ぶ必要がある」**ということです。単に過去の上司のやり方をなぞるのではなく、自分なりに「どうすればメンバーが最大限の力を発揮できるのか?」を考え、実践することが大切なのです。

 

リーダーシップとは何か?

 

リーダーシップを発揮するとは、「共に働くメンバーを引っ張り、巻き込むこと」です。

 

ここで、「引っ張る」と言っても、無理やり強制するわけではありません。むしろ、**「この方向へ行こう!」と旗を振るイメージ**です。目的や目標を明確に示し、それに向かってチームを導くことが求められます。

 

また、「巻き込む」とは、メンバーが自主的に動ける環境や雰囲気を作ることを意味します。つまり、リーダーが単独で何かを決めるのではなく、メンバーが自ら考え、行動できる仕組みを作ることが大切なのです。

 

リーダーに必要な3つの力

 

リーダーシップを発揮するためには、以下の3つの力が求められます。

 

 1. 目標や行き先を指し示す力

リーダーはチームの方向性を示し、目標を明確にすることが求められます。「どこへ向かうのか?」「何を達成すべきなのか?」をしっかりと伝え、メンバーと共有することが重要です。

 

特に、組織のミッションやビジョンといった価値観に共感してもらうことが大切です。

リーダー自身がその価値観を理解し、何度も語ることでメンバーに浸透させていきましょう。

 

2. メンバーを奮い立たせる力

目標を示すだけでは、人は動きません。チームが「よし、やるぞ!」と前向きに行動できるようにするには、リーダーがメンバーを鼓舞し、やる気を引き出すことが必要です。

 

例えば、「このプロジェクトが成功すれば、こんな素晴らしい成果が得られる」といった未来を語ることも有効です。また、メンバーの小さな成功を積極的に認めることも、やる気を引き出す要素になります。

 

3. 仕組みを作る力

やる気を引き出すだけでは、行動が持続しません。モチベーションを維持し、目標に向かって努力を続けるためには、具体的な仕組みを作ることが求められます。

 

例えば、

- 毎週のミーティングで進捗を共有する

- 成果を可視化し、達成感を得られるようにする

- メンバー同士が称賛し合う文化を作る

 

こうした仕組みを整えることで、チームは継続的に成長し続けることができます。

 

ワーク:現在のリーダーシップを振り返る

 

ここで、皆さんに考えていただきたいことがあります。

 

**あなたは、今の自分のリーダーシップについてどう感じていますか?**

 

- 目標を明確に伝えられているか?

- メンバーを鼓舞し、動機づけできているか?

- 仕組みを作り、継続的に改善できているか?

 

これらのポイントを振り返りながら、自分のリーダーシップを見直してみましょう。

 

まとめ

 

リーダーシップは特別な才能ではなく、「仕事」として学び、実践するものです。

 

そのためには、

1. **目標や行き先を指し示す力**(ビジョンを示す)

2. **メンバーを奮い立たせる力**(やる気を引き出す)

3. **仕組みを作る力**(継続的な成長を促す)

 

これらを意識して行動することが大切です。

 

次回は、「リーダーが信頼を得るために必要なこと」について詳しく掘り下げていきます。

 

お楽しみに!

 

 

TV番組ヒューマングルメンタリー オモウマい店が好きです。

『オモウマい店』には、経営の教科書には載っていない、

けれど人の心を動かす商売の本質が詰まっています。

どの店も、効率や利益よりも「お客さんに喜んでもらいたい」という想いを最優先にしているのが特徴です。

時には「こんな事して大丈夫?」と思うほどのサービスを提供し、店主やスタッフの温かい人柄が溢れています。

 

今回は、そんな『オモウマい店』の中でも特に印象的だった 「あたか食堂」 と 「喜味屋食堂」 のエピソードを通して、ホスピタリティとマーケティングの本質を考えてみたいと思います。

1.あたか食堂:たった一人のための行動が広がる

先日放送された「あたか食堂」では、双子の店主さんが切り盛りする温かい雰囲気のお店が紹介されました。

このお店の素晴らしい点は、お客さん同士の関係性にもあります。

常連のお客さんの中に聾唖(ろうあ)者の方がいたのですが、ある常連さんがその方とコミュニケーションを取りたくて、必死に手話を覚えたそうです。

最初はたった一人のために始めたことでしたが、その行動が口コミで広がり、「あたか食堂は手話が通じるお店」として、多くの聾唖者の方が訪れるようになりました。

これは、マーケティングの本質 を表していると思います。

「たくさんの人に届けよう」とするのではなく、目の前の一人を大切にすることが、結果として大きな広がりを生む。これはまさに、強いブランドを作る上で重要な考え方です。

「誰でもウェルカム」と広くアピールするのではなく、「このお店なら私のことをわかってくれる」と感じてもらうことが、結果としてリピーターを増やし、口コミにつながっていくのです。

 


2. 喜味屋食堂:感情を伝えるホスピタリティ

もう一つ、印象的だったのが 喜味屋食堂 のエピソードです。

このお店では、ビジュアル系の店長さんとアルバイトのハヤトさんが活躍しています。

特にホール担当のハヤトさんの接客が素晴らしく、オーダーを取るたびに 「嬉しいです♪」 と感情を込めて応えていました。

一般的な飲食店では、オーダーを受ける際に「ありがとうございます」と言うことが多いですが、それが決まり文句になってしまうと、機械的に聞こえてしまうことがあります。

一方で、ハヤトさんの 「嬉しいです♪」 という言葉には、心からのリアクションが込められていて、お客さんも思わず笑顔になってしまう。

まさに 「ホスピタリティは心を伝えること」 を体現した接客だと感じました。

これは、ホテルや旅館の接客にも通じる話です。

たとえば、チェックインの際に「いらっしゃいませ」と言われるよりも、「お待ちしておりました!」と言われたほうが、歓迎されている気持ちになりますよね。

ホスピタリティは、決まり文句のセリフではなく、感情を伝えるリアクションが大切 なのです。


3. ホスピタリティはマーケティングの一部である

私は、ホスピタリティは単なる「接客技術」ではなく、マーケティングの一部だと考えています。

マーケティングとは、本来 「お客様に価値を伝え、選ばれる存在になること」 です。

そして、ホスピタリティはその「価値を感じてもらう手段」になります。

どんなに良い商品やサービスがあっても、提供する人の対応が悪ければ、お客様は離れてしまいます。しかし、「このお店なら安心できる」「また来たい」 と思ってもらえれば、自然とリピーターが増え、口コミで広がります。

特に現代のマーケティングでは、「顧客体験(CX)」 が重視されています。

つまり、「このお店と関わることで得られる心地よい体験」 が差別化のポイントになるのです。

『オモウマい店』に登場するお店は、まさに ホスピタリティによるマーケティング を実践していると言えます。

店主やスタッフは、マーケティング戦略を意識しているわけではありません。

ただ純粋に 「お客さんに喜んでもらいたい」 という気持ちで行動している。

でも、それが結果として 「この店はすごい!」 と口コミが広がり、たくさんのお客さんが訪れるようになる。

まさに、「目の前の一人を大切にすることが、最強のマーケティングになる」 ことを証明してくれています。


4. まとめ:「オモウマい店」が教えてくれること

『オモウマい店』は、ただのグルメ番組ではありません。

そこには、商売の本質や、人が人を思う温かさが詰まっています。

今回の2つのエピソードから学べることは、次の3つです。

  1. 目の前のお客様を全力で大切にすることが、結果としてお店の繁盛につながる
  2. マーケティングにおいても、「広く浅く」ではなく「一人に深く」が鍵
  3. 形式ではなく、本気のホスピタリティが人の心を動かす

飲食店に限らず、どんなビジネスでも、最終的に選ばれるのは 「この人、この店なら信頼できる」「ここに来ると心が満たされる」 という体験があるからです。

 

『オモウマい店』のような、お客様との関係を大切にする商売の姿勢 は、どの業界でも活かせる大切な学びだと改めて感じました。

 

安全で健康な入浴法を広めるべく、北海道内各地を巡って講演活動を行っています。

今回訪れたのは、自然豊かな様似町です。

 

今回の講演は、町内の女性大会の一環として開催され、町長をはじめ、約100名の方々が参加。

多くの方が健康への関心を持たれていることを改めて実感する機会となりました。

 

 

講演では、まず「なぜ毎日の入浴で健康になれるのか」というテーマで、入浴が心身に与える影響についてお話ししました。

日々の入浴が血流の改善、リラックス効果、さらには毎日の入浴が免疫力向上にどのように寄与するのかを具体的に解説。

 

次に、「安全で効果的な健康入浴法」について具体的に詳しく紹介。

適切な温度や入浴時間、水分補給の重要性など、日常の入浴で気を付けるべきポイントを分かりやすく伝えました。

 

後半では、温泉ならではの入浴法にも触れ、温泉成分の効能や、より効果的に温泉を楽しむためのポイントを解説。

 

最後には、おすすめの温泉をいくつか取り上げ、参加者の皆さんに実際に訪れていただきたい温泉宿を紹介しました。

 

2時間にわたる講演でしたが、皆さん真剣に耳を傾けてくださり、終了後は「具体的な入浴法を知れてよかった」「早速実践してみたい」といった嬉しい声が多数寄せられました。

 

また、講演後には町民の皆さんによるアポイ太鼓の演奏や踊り、地域のサークルによる作品展示などがあり、地元ならではの文化を楽しむ素晴らしい時間となりました。

参加者同士の交流も深まり、とても温かい雰囲気の会とだったことが印象的です。

 

健康づくりの一環として、入浴法を見直すことはとても重要です。

講演を通じて、地域の皆さまが健康的な生活を送るためのヒントを得る機会を提供できます。

今後も各地で講演を続けてまいりますので、ご興味のある自治体・団体の皆さまはぜひご相談ください。

 

皆さまとともに、健康な暮らしを支える活動を広めていけることを楽しみにしています。

 

J2に降格してしまったコンサドーレ

北海道コンサドーレ札幌が好きです。

昔(15年位前)競技場の近くに住んでいた事があり、最初は何となく、何度か観戦するようになりました。

その後、小野伸二が加入しミシャが監督になり、2019年のルヴァンカップ決勝戦で決定的に心を奪われてしまいました。

今ではホーム全試合スタジアムで観戦するほど熱く応援してきたのです。

 

しかし、昨シーズンは開幕前に主力選手が移籍し補強もほとんど無く、その上怪我人が続出している中シーズン突入。

当然、開幕から不振を極め、夏に慌てて多数補強したものの、ついにJ2降格という結果に。

 

大きな原因の一つに考えられる、ここ数年懸念していた課題があります。

元々GM専任をしていた三上氏が、GMと代表取締役を兼任していたことです。

 

兼任することで業務が多忙を極める点も、もちろん問題なのですが、

この構造は、組織としてマネジメントの弱体化に繋がってしまいました。

 

GMとしては非常に優秀な三上氏。

しかし、代表取締役として組織を持続させ利益を拡大する責務と、

GMとして現場の強化を通じてファンサポーターに価値を提供する責務。

この二つは、一人で兼任することが難しいことなのです。

 

この状況は、スポーツクラブだけでなく、サービス業等一般企業にも通じる普遍的なマネジメントの課題を浮き彫りにします。

特に、顧客満足(CS)と収益性という、二つの相反する目標をどう調整するか。

この問題は、サービス業に携わる皆さんにとっても、決して他人事ではないでしょう。

 

マネジメントの本質とは?

そもそもマネジメントとはなんでしょうか?

何をすることでしょうか?

 

マネジメントという言葉は

英語の動詞"manage"(なんとかする)から来ています。

また日本語ではよく「経営管理」という言葉で訳されています。

 

組織には常に、継続・発展という「組織目的」と、

顧客に価値を提供する「事業目的」という2つの目的が同時に存在します。

 

マネジメント=経営管理における経営とは、組織目的を達成するための仕組みや技術のことを言います。

具体的に言うと売上利益を獲得することです。

 

経営管理における管理とは、事業目的を達成するための仕組みや技術です。

具体的に言うと、資源(匕ト・モノ・カネ)を適切に配分調整し、

顧客に提供する価値を最大化することです。

しかし、この2つの目的(獲得と提供)は相反するのです。

 

例えば、私が居たサービス業界を例に考えてみましょう。

組織目的から考えると…

  • 少ないコストで売上を拡大し、利益率を高める。

  • 高効率のオペレーションで最小限の人員で多くのお客様に対応する。

事業目的で考えると…

  • お客様に最高のホスピタリティを提供する。

  • 地元の特産品を使った料理で満足度を向上させる。

これらは、しばしば対立します。

人件費を削減すればホスピタリティが低下し、

逆に高品質なサービスを追求すればコストが増大します。

 

この二律背反の問題を「なんとかする」事が、マネジメントなのです。

 

例えば地域特産品を使った料理を提供する一方で、

コスト削減を求める場合、次のような工夫が必要です。

  • 部分的な特産品活用: メインディッシュに特産品を使い、サイドメニューはコストを抑えた素材を選ぶ。

  • ストーリーテリング: 特産品の背景や生産者の想いを伝えることで、付加価値を高め、価格への納得感を与える。

     

私が居たホテルでは、経営者側から食事の原価管理が徹底されており、原価率が一般的なホテルより、かなり低めに設定されていました。

 

そのため私は、バイヤーに地元産で格安な食材を探し回るよう依頼。

料理長にその食材で工夫を施して魅力的な季節のメニューを考案してもらいました。

それをスタッフ皆で試食会を行い、顧客に満足をさせられるか判断します。

試食会で「その刺身はマグロに出来ないか?」

「いやそれやると原価10円あがるからムリ」といったやり取りを延々と続け、

お客様に如何に満足頂けるか考えます。

そして、宿泊後のお客様アンケートや楽天じゃらん等の口コミ点数で評価を行い、

更に改善を図ります。

この流れ、そうPDCAですね。

そうする事で二律背反の目的を「なんとかする」のです。

組織の「あるべき姿」がジャッジの基本

マネジメントにおいて、意思決定は常に難しい課題です。

特に、二律背反の問題に直面した際、何を基準に判断すべきか悩むことも多いでしょう。

 

その際に最も重要なのが、組織の「あるべき姿」です。

ビジョンなどの「あるべき姿」の設定とメンバーとの共有が大切なのは、まさにそのためです。

なぜなら、問題とは「あるべき姿」と「現実」のギャップだからです。

 

先日もある宿泊施設の社長から「人手不足で夕食提供を止めてB&B(宿泊と朝食のみ)に業態転換したほうがいいですか?」と相談を受けました。
私は「損益計算上ではそうかも知れません」

「しかし、あなたは何のためにこの施設を運営しているのですか?目的や経営理念、ビジョンに影響があるかどうかで判断するべきです」と答えました。

 

ビジョンがあるからこそ、二律背反の問題に直面した際に正しい判断が可能になります。

そのギャップを埋めることこそがマネジメントの本質です。

組織の未来を見据えた判断を下すために、常に「あるべき姿」を意識したマネジメントを心がけましょう。

二律背反を「なんとかする」

サービス業を取り巻く環境は、競争が激化し、顧客の期待がますます高まっています。

そしてあらゆるコストが急激に上昇するなど外部環境は悪化、この状況下で相反する目標を「なんとかする」力が求められます。

 

あなたの職場でも、コスト削減と顧客満足という二律背反の課題に直面しているかもしれません。

しかし、それを言い訳にして現状維持を選ぶのではなく、創意工夫を重ねて問題を解決することが必要です。

あなたの職場でも、少しの変化が大きな成果につながる可能性があります。

「マネジメントとはなんとかすること」

この言葉を胸に、ぜひあなたの職場でも変革の第一歩を踏み出してみてください。

 

コンサドーレも、2025年シーズンは三上GMが専任に戻り、社長に石屋製菓の石水創社長が就任しました。

すると早速、三上GMはベルギーから高嶺朋樹を呼び戻すなど、強化の面で動きを見せています。

 

コンサドーレの1年でのJ1昇格をサポーターとして、今年も全力応援していきます!

留萌はホスピタリティを考える「応用編」

2025年最初の出張研修は、昨年末にお伺いした留萌の道の駅です。

昨年12月に行った研修では、接遇の基本マナーを中心にお伝えしました。

挨拶や身だしなみ、言葉遣いといった基礎は、接客業における土台です。

しかし今回は、その先にある「ホスピタリティ」についてお話ししました。
ホスピタリティとは、お客様がサービスを受けた際、その体験をどれほど豊かにできるかです。

具体的に言うと「お客様が何を求めているか」を察知する力や、自発的に行動する姿勢は基本以上に大切になります。

まず普段行っているサービスとホスピタリティの違いを、ゲームで体験して頂きました。

ホスピタリティを理解して頂いた上で、必要な基礎スキルお客様とのコミュニケーション、特に「みる」「きく」をワーク中心に学んで頂いたのです。

特に「きく」為に大事なスキル「傾聴」をしっかり取り組みました。

接客時の何気ない対話からお客様が何を望んでいるかを推測し、言われる前に行動に移すのがホスピタリティ。

そのためにはお客様の話を(心の声まで)しっかり「きく」=傾聴することです。

だから、マニュアル以外の対話が重要なのです。

今回も前回同様、皆様全員終始真剣に取り組んで頂き、具体的なケーススタディにおいても積極的に意見を交わしていただきました。

こうした姿勢が現場に持ち帰られ、継続され、組織風土になることでしょう。

 

豊富温泉にてヒアリング

研修後は、翌日の研修準備のために、車で約3時間かけ豊富温泉の宿へ移動しました。

ご存知の方も多いかもしれませんが、豊富温泉はその特異性で全国的にも有名です。

特有の油分を含む温泉は「奇跡の湯」とも言われ皮膚病への効果も高いとされ、全国からアトピーに悩む方たちが訪れます。

この宿でもかけ流しで素晴らしいお湯が堪能出来ます。

 

食事は地元の食材を多く使い、それぞれ工夫が施してあって、とても美味しいものでした。

特にエゾ鹿のシチューが素晴らしかったです。

夕食後、まず社長ご夫妻とのヒアリングを行い、経営における課題を整理しました。

その中で見えてきたのは、スタッフと経営者の間で認識のズレがある点です。

ホスピタリティマネジメントで重要なことは、

進むべき方向(目的・ビジョン・ミッションなど)を組織のメンバー全員に共有浸透すること。

目指す姿(何のために?)が無いと、「仕事」ではなく「作業」になってしまいます。

するとスタッフのモチベーションは下がり、離職率が高くなってしまうのです。

私はこれを重要視し単純な研修の形ではなく、社長と従業員の皆様との「対話の場」が解決の糸口になると考えました。

ホスピタリティの向上は、現場の皆様の主体性があってこそです。

この対話の場を有効に活用するための仕組みを設計しました。

AI(Appreciative Inquiry)手法を用いた理念の共有

翌日の研修では、まず簡単なCS(顧客満足)の仕組みを理解して頂きました。

CSは単なる目標ではなく、具体的な行動計画として落とし込まれなければなりません。

 

その後に社長ご夫妻と従業員の方との対話を行いました。

ここで採用したのがAI(Appreciative Inquiry)という手法です。

この手法は問題解決型ではなく、「強み」に焦点を当てた未来志向のアプローチです。

特徴として「組織の強みにフォーカスする」アプローチで、ポジティブな視点を重視します。

そのため 離職率が高い場合にもモチベーションが上がる話し合いがしやすいというメリットがあるのです。


AI手法の具体的な流れは以下の通りです:

  1. 発見(Discover):何が上手くいっているのか、現状の強みを明確化します。
  2. 夢(Dream):その強みを基に、「理想的な未来」を描きます。
  3. 設計(Design):その理想を実現するためのプロセスや仕組みを考案します。
  4. 実現(Destiny):計画を実行に移し、理想の未来を現実にしていきます。

この手法は、対話を通じて全員が前向きになれる点です。

問題だけを議論すると、どうしても否定的な雰囲気に陥りがちですが、AIでは「成功体験」や「強み」に着目するため、参加者のモチベーションが高まりやすいのです。

私がファシリテーターとして壁に貼った模造紙に発言の要旨を書きながら進行することにしました。

 

テーマは「経営理念の共有と目指す理想の姿の具体化」です。

まず話題提供として社長夫妻から、それぞれ経営理念への思いを語って貰いました。

そしてアイスブレイク代わりに、改めて参加者全員の自己紹介です。

次に対話でのルールを説明。

他人の意見を否定しない等幾つかのルールを承知して頂きました。

 

対話の進行は以下の通りです:

  1. 「旅館の目指す姿や理念を聞いて、どんな感想を持ちましたか?」

    • 初めて社長が経営理念を語ったことで、スタッフの意識が変わるきっかけとなりました。

       

  2. 「この施設の『宝』は何ですか?」

    • 接客、食事、温泉など、施設の誇れる要素を全員で洗い出しました。

       

  3. 「その『宝』から理想の姿を実現する可能性と課題は?」

    • 施設の強みを活かしながら、改善すべき点を明確にしました。

       

  4. 「5年後、この施設が地域やお客様にとってどうなっていたら最高ですか?」

    • 長期的なビジョンを全員で共有しました。

       

  5. 「この未来像を実現するために明日から何ができるか?」

    • 具体的な行動計画を考えました。

最後に「今日の話し合いで感じたこと」を共有し、振り返りを行いました。

研修の成果と今後の展開

研修と対話終了後、参加者の皆様から非常に前向きな意見が寄せられました。特に若手スタッフの一人は、「自分たちがこの旅館の未来をつくれるという実感が湧いた」と語ってくれました。

これこそがAI手法の醍醐味です。

自分の役割が経営理念とつながっていると実感できることで、スタッフ全体の士気が向上します。

この日、旅館の未来像を共有した時間が、確実に次の一歩への原動力になったと感じています。

 

 

ホスピタリティの本質は「対話」にあります。

接遇の基本を磨くだけでなく、組織内外での良質な対話を促進することで、サービスの質は飛躍的に向上します。

皆様の現場でも、ぜひ「傾聴」と「AI手法」等を活用し、前向きな対話を生み出してください