世間は大変な状況ですが趣味の話はほそぼそと続けていきたいと思います。

 

AWの画像も見れるようになりましたが、ちょっとコインを購入してしまい資金があまり無いので今回はどうしたものかと。

うーん、デカドラクマやオクタドラクマなど高額なコインは、このまま地球が滅びず平和な老後が来た時に購入するかを考えるとして(つまり考えてない)、他は入札するとしてもあまり高いものは狙わないと思います。

 

オークションでも古代コインの人気は出て欲しいので記事でも書いてみたい所なのですが、写真ストックが無くなってしまったので近代コインの話でも。

 

アメリカ 1885年 1ドル銀貨

ニューオリンズ

PCGS  MS64PL

 

あまり知識が無い近代ですが、有名どころは押さえておきたいと購入したのが皆様ご存じモルガンダラーです。

 

モルガン氏がデザインしたのでモルガンダラーと呼ばれるそうですが、シルバーダラーとも呼ばれるそうでこちらもかっこ良いです。

沢山作られて沢山スラブ化されているそうですが、特年とかは分からないので綺麗なのが一枚欲しいな、どうせ買うならPL評価がいいなと選んだのがこちらのコインになります。

 

手元に来てからしげしげと眺めながら光にかざしてみると、PLの輝きの中から表面にデザインされた女神の肖像が浮き上がって素晴らしいですね。

自由の女神と裏面の翼を広げたハクトウワシのデザインとを合わせて、これ一枚でアメリカの大型銀貨の素晴らしさを楽しめる魅力が詰まったコインだと感じました。

 

お値段もグレード次第でおは求めやすいのでコレクターの一家に一枚モルガンダラー!なんて事も出来そうですね。(こんなに持ち上げちゃっていいのかな…。)

 

そんな我が家のモルガンダラーですが、上で一枚でいいと書いているモルガンは実はもう一枚あったりします。コレクターは欲張りなのです。

そちらはまた次回にでも。

 

ではこんな所で。

 

今回はコインのトーンの話です。

私の手持ちの中で一番濃いトーンが付いているコインがこちら。

 

マケドニア王国 アレクサンドロス3世 紀元前336-323

テトラドラクマ銀貨

早期死後発行

Ch XF Strike5/5 Surface4/5 Fine Style. edge marks.

 

コイン収集においてトーンの評価は人様々。ピカピカのPRや渋い古色、はたまたほどほどのトーンで図柄が引き立つ物や、綺麗なレインボートーンなどなど、好きな状態は人それぞれ。

 

私はコインを並べて見たときの統一感が好きなので一つだけ濃いトーンの物があると浮いて見えてしまいますし、購入するコインもなるべく近い雰囲気のコインを選ぶのでこちらは珍しくかなりのはみ出し者になります。

 

アレクサンドロスの顎の辺りに傷があるので、edge marks評価なのですかね。

 

実は初めて購入したFine Style評価なのでが、当時はとにかくFine Styleが欲しい!と思って購入した物で後から他のコインが集まってきて並べて見たら、あれっ?なんか違うぞこれ…。となってしまった悲しきコインなのです。

でもでも、日に当てるとキラッと濃いゴールドや凹面のブルーのトーンが輝いて綺麗ではあるのですけどね。

 

それとこれは以前紹介した、生前ー早期死後発行のアレクサンドロス銀貨と同じ都市のシデで作られた銀貨なのです。こちらの方が後に作られたタイプですが図柄の作り的には好みのデザインだったのです。

 

どちらが好みですかね?

 

古代コインはスラブ入りを中心に集めていますが、たまに石油にでも漬けたの!?てトーンのコインがあったりしますけど、スラブに入った物で近代のコインのような綺麗なブルーやゴールドのトーンが付いている物はあまり見かけない気がします。

外国の発掘品のマーケットはよく分かりませんがトーン無しの大半は、brushed(洗浄)評価でなくても掘り出してからある程度は洗浄したり、トーンが付く前にスラブに入ったりしてるのですかね?

実際の発掘現場の写真とかを見ても地中のコインは綺麗なトーンが付いていませんし、空気中で上手く硫化しないと綺麗にはならないようです。

 

と、言っても私はほどほどトーンが好きなので、興味が向いていないだけで実際はハデハデのレインボートーンのスラブ入り古代コインもあるのかもしれませんが、あくまで私見ということで。

 

裸コインの多いヨーロッパの古代コインオークションを見るとほどほどのトーンが付いた物や、古いコレクションの伝世品コインには濃いトーンが付いている傾向が多い気がしますので、トーンを楽しむならスラブ無しの方が良いのかもしれません。もちろん綺麗に付いたトーンの維持でスラブ保管も大事と思います。

 

色々と書いてみてから改めて見直してみると、濃いトーンが時代を経たオールドコレクションみたいで単体で一枚持つのなら悪くない雰囲気ではあります。スラブに入ってしまうとそれ以前のラベルが無くなってしまったりするのでコレクションの来歴が分かりませんが、もしかしたら誰かのコレクションとして長くキャビネットにでも入っていたコインなのかもしれませんね。

 

ではこんな所で。

 

 

古代ギリシアのコインといえば、ゼウスやペガサスといった特定の神々や動物の図柄が多いですが、ギリシア神話のエピソードを図柄にしたコインもあります。

 

パエオニア王国 BC 359/6-335

テトラドラクマ銀貨

Ch AU Strike5/5 Surface5/5

 

息子を殺してしまった罪をあがなうため、ヘラクレスが行う十二の功業の1つであるネメアの獅子退治は人気なエピソードのようで、ローマ時代のコインにも使われている図柄です。

今回のコインはマケドニアの近くのパエオニア王国という所で発行されたテトラドラクマ銀貨です。

 

脳筋パワー全開の図柄ですね。

 

まー、いきなりライオンさんは死にかけですが獅子退治なのでしょうがないですね。

ネメアの獅子は刃物を通さない強靭な毛皮なのでヘラクレスは武器を捨てて絞め殺して退治したそうです。コインにもヘラクレスのお尻のあたりに手放した矢筒があるのですが、打刻しきれずに一部だけです。それでもバランス良く図柄が打ち出されているのでStrike5/5評価なのですかね。

 

ヘラクレスといえばライオンの皮を被った姿ですが、このネメアの獅子の皮なのですね。

 

さて、この獅子退治は裏面の図柄なのですが、ヘラクレスとライオンの図柄に一目惚れしまして、裏面メインで購入を決めました。表面はゼウスの図柄なのですがこちらは頬のあたりに傷があって、テストカットではないようですがちょっと気になってしまう傷なのです。

 

表面のちょっと痩せ気味のゼウスさん。

 

しかし、裏面の図柄の打刻の良さとデザインの素晴らしさはまさにギリシア神話!といった感じで気に入っています。余裕があればNGCに裏面をメインにスラブの表側に入れ替えをお願いしてみたいですね。

 

そんなこんなで我が家に来たこのコインですが、発行地のパエオニアは全く知らない所でした。パイオニア?なにそれNASAの宇宙探査機?

調べてみるとマケドニア王国の上のギリシア世界からは辺境の辺りにある、アレクサンドロス大王以前のマケドニアの混乱期に独立した王国だそうです。アレクサンドロス大王の東征記なんかを読んでみるとパエオニア人部隊の記述が出てくるので大王の東征にも参加していたようです。

何人かの王が続いた後、大王死後のマケドニアに再併合されてしまったそうで、今回のコインはリュケイオス王の時代に発行された物です。ギリシア世界からは端っこの王国ですがこんな見事なコインを作っていたのですね。

ちなみにテトラドラクマ銀貨ですがアッティカ基準の17.2gではなく、13.13gでした。古いマケドニア周辺の独自重量基準なのかな?

 

最後は古代世界のライオンの話を。

古代のギリシアやローマ、オリエント世界は王権の象徴や美術に力強いライオンをデザインしていますが現在はこの地域にはライオンはいませんね。

 

ライオンといえばアフリカのライオンですが、ちょっと詳しい人はインドライオンやバーバリライオンなんかも知っていると思いますが、古代ギリシア地域にいたライオンはヨーロッパライオン(亜種の分類はいくつか説がありますが)という絶滅種だそうです。

かつてはアフリカからインドまで途切れることなく生息していたのですが、ペルシアの壁画やローマの闘技場の出し物の記述のように、ライオン狩りは各地で行われ文明の古い地域は例外なくといった感じで絶滅してしまっています。

 

古代コインのライオンのデザインは素晴らしいですが、生きている姿を見る事が出来ればもっと素晴らしかったのにと思います。現代の環境問題は文明が続く限り解決できない問題だとも思ったりもしますが、古代の美術や映像の記録としてしか見る事が出来ない未来は御免こうむりたいものです。

 

今回はこんな所で。