今回のメインとも言える洞窟見学。
第二次世界大戦中に戦車を製造する為に作られた地下工場なのです。今のような掘削機も無い時代、手作業で掘り土砂を捨て…
ここでは戦車が作られる事無く終戦を迎えました。先代の社長が中学生の時に洞窟を掘る手伝いをしていたそうです。
天然洞窟では無いので、通気孔がある関係で夏場は15度くらいまで気温が上がります。それにより、貯蔵している酒瓶の中で液体が対流する現象が起こり、熟成を上手く促すそう。
今回はまだ吐く息も白くなるくらいの温度でした。
こちらは申し込みした方のオーナーズセラー。
熟成年数を選んでここで保管してもらい、規定年数になったら出す契約。
ワインだと子供が産まれた年を買って20年後に開けようとか、酒精強化ワインや蒸留酒ならお祝いする方の生まれ年を探すとか。
日本酒でも同じような楽しみが出来るのです!
洞窟を作ったきっかけは戦争ですが、後世で未来に向けての有意義な利用をされている事を知ったら、作業に携わった方々も嬉しいだろうなと思いました。
熟成五年以上が右、拾年以上が左。
アーモンドや熟成したコンテチーズの香り、味わいは五年と拾年を比べると、インパクトは五年の方が強く、拾年の方が滑らかで柔らかく芳醇。
これはお料理と合わせるなら?とお話が弾みます。
大吟醸は白玉やミルクの香り、こちらも一年寝かせていますが、まだまだフレッシュ。
洞窟酒三種。
左の山田錦の山廃純吟はそれほど山廃のニュアンスは強く無いかな?三種の中では一番大人しめ。
でも、飲んだ印象はしっかりとした旨口タイプ。
真ん中は五百万石使用。スモーキーで麦のような香り。山田錦よりも口当たり柔らかく蜂蜜や花梨のまろやかさ。
右は一番山廃らしいぐっと来る強めの香り。カカオのニュアンス。三種の中で酸も一番しっかりしているので、味の強さの割にはくどさを感じません。これはお燗したらもっと楽しそう。
袋吊りの高級タイプ。
メロンを食べているような香りと上品な甘み。ここまでくると無濾過生原酒でもさらりとした余韻に感じます。
純米大吟醸。こちらは例えるなら絹のようなお酒。赤ワインでタンニンのきめ細かさをシルクのようと表現します。日本酒はタンニンはありませんが、軽やかさ、滑らかさ、上品さがまさに絹。
色々なお話が出来、とても充実した時間でした。
お忙しい中ご案内して下さりありがとうございます。
今月の酒蔵イベントの他に田植え体験などが企画されているので、是非ホームページからご覧下さい!→島崎酒造
こちらはまた後日。
おまけ