椚田のブログ  -118ページ目

一番カッコいい曲

「中島みゆき」 中島みゆき

80年代中~後期は、後年ご本人が語るところの「ご乱心の時代」という模索期にあたる。

ここではロック的アプローチや電子音の多用がなされたが、現在ソフトロックとくくられる礎となったのではないかと想像する。

いわゆるニューミュージックのみゆきさんが好きだったファンには不評を買ったのだろうか。
その辺の世評は知らないのだが、元々多様なスタイルを持つ人なので、個人的には過渡期という印象すらない。

そのご乱心時代最後を飾るのが本作。

アーティストが自分の名前をアルバムタイトルに据えることはよくある。
そこを深く読んだことはないけれど、まさか「クレンジング クリーム」ではあるまいね。

きれいな鎖骨のジャケットが象徴するように、数ある中でも生身の女を強く印象付けるアルバム。

で、「黄色い犬」。
どこかオリエンタルでクールなサウンドに乗ったみゆきさんはアンニュイでエッチ。
彼女の全楽曲中、一番カッコいいと言い切ってしまおう。

1988年の作品



一番悲しい曲

「パラダイス・カフェ」中島みゆき

デビュー以来、切々と悲恋を歌い続けてきたみゆきさん。
歌の出自や解説を口にしないことでも有名だ。

作品の数だけ経験があればさぞやツワモノだろうが、無論そんなわけはなく、すべては創作である。

創作に、隅々まで自己を盛り込むことが不可能であるのと同様に、創作から完全に自己を消し去ることも不可能だ。

その前提で、創る人は、受け手にすべてを委ねる覚悟を持っているのだと思う。

頭ではそう理解していながら、どうしても作品に創り手を重ねてしまうことがある。

本アルバム中の「SINGLES BAR」がそれだ。

ここに描かれる孤独は、あまりにも純化されていて、深い。この透明な悲しみに、一度は彼女が行き着いたのだろうか、と考えると、言葉を失ってしまう。

1996年発表の作品。





「鍵のない夢を見る」 辻村深月

五つの短編から成るが、いずれにも唸らされた。
とりわけ、人物造形がすごい。

なので、この本は女性を知るための参考書となり得る。

ただ、分かったつもりになると、往々にして手痛い目に遭うことは言うまでもない(笑)

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