椚田のブログ  -112ページ目

道ならぬ恋

「恋文」 中島みゆき


直接的、間接的に不倫を描いた歌が、みゆきさんの楽曲には数多くある。

本作中の「寄り添う風」もそのひとつで、ある種典型的な、身を引く女性の心情が切々と吐露される。

それとは対照的なのが「恋とはかぎらない」。
快活な曲調だが、これも同様の歌と読めなくない。
一聴、淡い思いがカラッとつづられているかのようだが、ここでの心理描写は極めてリアル。
ところどころにのぞく本音を含めて、大人の女心を聞かせてくれる。
こんなところも醍醐味。

昭和チックなタイトル曲もいい味を出している。


2003年の作品






高速道路ロマンチシズム

「LOVE OR NOTHING」中島みゆき


ひとたび出張に出れば、二週間足らずで3,000kmを走る。
トラックの運ちゃんとまではいかないが、本作中の「流星」に歌われる♩次の町まであと何百キロ~♩も、さして無縁の世界ではない。

ブルーワーカー(なんて言い方を、今はしないのだろうか)の粗野な優しさをすくい上げるみゆきさんの視線がここにある。

夜のSAで、ツアー移動中のシンガーソングライターとの出会いをついつい妄想してしまう。
スプリングスティーンの口笛は吹けないけど…

大ヒット曲「空と君の間に」については多くを語る必要もないだろう。

当時は聞き流していた「風にならないか」が、近頃とにかく沁み入ってくる。


1994年の作品

輪廻転生

「36.5℃」 中島みゆき


ご乱心時代真っ只中の作品ということで、ヘビーサウンドに彩られたアルバムである。

その中では異色とも言える「HARF」が、昔から大好きだ。

近作では「昔から雨が降ってくる」など、いわゆる輪廻転生を題材にした歌がいくつかある中で、このミドルテンポのバラードは、とりわけ男女の巡り合わせに焦点を当てたもの。

「たら」「れば」は無く、思い出や後悔の中に生きることはできない。
強かった想いだけが昇華していく様に、痛みを伴う感動を呼び起こされる。

昔オールナイトニッポンで、「私、弟がいるから年下ピンと来ないんだよね~」

あの発言は、当時ホントに痛かった…


1986年の作品。