老父の長い一日①。 | がん闘病~妹とあたし、おまけに老父も~

がん闘病~妹とあたし、おまけに老父も~

なんでか乳がんになってしまった私のつぶやき。
公開することでいつかどこかで誰かの参考になればと思って。

転倒しても普段と変わりなく過ごしていた老父。…だが、足腰の衰えが急激に進み、

オシッコも間に合わなくなり始めたので、予約を待たずに電話連絡して診察を受けた。


タクシーから降りると、前日に購入した杖を使う間もなく、車いすのお世話に。


「え、あ、どうしたん、2週間前に診察させてもらってから痩せたんじゃ…」驚く主治医に

答える老父「ちょっと、コケましてね、すりむいた程度なんですが、…頭を少し打ったからか、

その前からのぼんやりとした感じがひどくなったような気がして…」

「どれどれ…いや、これはすり傷程度だし、痺れや頭痛がないのなら心配ないですよ。」

「それはないですが…ボケたんでしょうか?」

「いやいや、それもない。こんだけしっかりお話しされてるからボケてません、大丈夫。」


「2~3日前から急に、立ち上がるのも困難になり、食べる量も減ってきました。」私から状況説明。


「…癌性腹膜炎の場合、これから今よりシンドい状況になることも…今後、そうですね、

在宅で医師の訪問や看護を受けるか、専門病院に入院するか、そろそろ、決める時期に

来ていると思われます。」

「お父さん、お父さんの、希望に添うようにしていきたいので、娘さんたちとも相談して、来週の

予約してもらっている診察日に、お話、お気持ちを聞かせてください。

決定でなくて、経過報告でいいですから。」

静かに優しく語りかける主治医に老父は小さな声で「よろしく、お願いします…」と答えて

うなだれるだけだった。


診察時間約15分。うつむいたままの老父の車いすを押して診察室を後にした。


そして、ここんとこ週イチペースで実家にやってくる妹と合流してタクシーで帰宅する…