JAXAから10月18日の中間報告が有りましたので検証します。

 

昨日投稿しましたが、当方の重大なミスが有りましたので削除させていただきました。

人間が良くやる“自分にとって都合の良い思い込みミスを犯してしまいました。”検証不良で誤解を与えたことをお詫びいたします。特にイプシロン関係者の方に深くお詫びいたします。

 

【原因】

2つのRCSの内、片方の下流タンク圧が上昇せづ(燃料であるヒドラジンが供給されない為)180°対角に有るある一方のRCSが作動しなかった為、目標姿勢から約21度ずれてしまった。

【原因の要因】

フライ トデータに基づき、

①   PSDBスイッチ下流~パイロ弁までの系統異常

 

②   パイロ弁の開動作不良

 

③   推進薬供給配管の閉塞

 

3要因に絞り込んだとのこと。

今後も、引き続きフライ トデータ の詳細な分析と製造・検査データの確認を進め、更なる原因究明、是正対策/水平展開の検討を進めていく。

・・・とのこと。

 

【私の解析】

①   PSDBスイッチ下流~パイロ弁までの系統異常
 信号系は2系統あるので同時に故障することは無いと考える。
 1系統の分岐の一方で作動しているのでハーネス異常は考えにくい。

 

③   推進薬供給配管の閉塞
 こちらも極短い配管なのでねじ込み不良等考えられなくも無いが圧の変化が無いので外れてもいない限り起きないと思われる。又閉塞も導通検査を行っていると思われるので考えにくい。

 

②  パイロ弁の開動作不良
 ここが最も怪しい。


左図:ステン素材のV-PCM 右図:アルミ素材のY-PCM

 

NASAで2件の報告書(Technical Bulletin)が上がっています。

 

No. 09-01 - 花火バルブの故障(AI-Y-PCM故障の報告書 上図右)
No. 10-02 - デュアル同時開始花火式バルブの潜在的な故障(SS-V-PCM試験報告 上図左)

 

この報告では、パイロバルブ故障が4件発生したため調査したようです。
報告書では、
デェアルイニシエータの非常に狭い時間での燃焼がバルブ不良の原因で有るとのこと。NASAの推奨時間は2ms(ミリ秒)以上離して点火する様に求めています。

 

イプシロンは、1秒で点火しています。

この使い方は、点火しなかったときの予備点火と考えられる。
下の波形でも50msで圧は上がりきっていますので燃焼は終わっている。

 

圧力波形を見ると

よく見るとほんの少し圧は上がっている。

バルブは作動している。

 

【私の解析結果】

1.  パイロバルブ(弁)の作動不良が原因と考える。
 ・NASAは、デェアルイニシエータの点かを同時はダメで2ms以上離して連続点火を推奨している。
(これは、自動車のエンジンで言えば排気ガス対策初期にプラグをデェアルで使ったのと同じで燃焼を完全にさせるために使用したと思われます。2msずらすのは火炎方向制御(おそらく渦巻化)する為と思われる。)
 ・AI-Y-PCMの不良からSS-V-PCMに改良したが、同時燃焼異常を解消しなかった。
両方とも、2つのイニシエータの起動コマンドを少なくとも2ms離すことで信頼性の高いブースター点火に十分なブースター界面温度が生成される。と有ります。
 ・パイロバルブ(弁)は、2個のイニシエータを2ms離して連続点火することで燃焼を向上させるものと考えられます。
決して、点火ミスの予備として考えられてない。

 

2.  1回目の点火で下流配管圧力が、ほんのチョット上昇しているので点火はしている。
 ・点火はしたが燃焼が不十分で充分な燃焼温度&圧力に達しなかった。
 ・燃焼は十分だったが初期にRam(ピストン)の咬み込みがあった。
 ・1回目の点火で火薬は燃焼してしまい2回目の点火コマンドの時は火薬が無い為変化なし。

 

以上の事からパイロバルブ(弁)の使用方法の間違いではないか?と判断する。

 

報告書では、 単独使用も推奨しているのですが?バルブにはシングルとデェアルが有るようで、デェアルイニシエータ(SS-V-PCM)では、起動コマンドを少しずらし連続点火を推奨しているものと思います。あくまでもデェアルは燃焼の確実化です。設計者は、点火ミスを防ぐことばかり考えていたのでしょうか?

ミスはめったに起きないので5号機までは、運がよかったのでしょう?

 

ところで

バルブが電磁バルブじゃないのですね?

火薬なので燃焼してたらリトライが出来ません?(圧力変化無いですしね)

ストロークも有るようですし齧ったら終わりです?

車の場合ドアのロックは、わざわざモータとギヤー(機構部分はグリスで覆いコンタミの混入を防いでいます。)で作っています、何故ソレノイドでは無いのか繊維機械から車に変わったとき不思議に思っていましたが、作動不良を嫌っていたのだと今では納得しています。

もう火薬より電気の方が信頼性が有ると思うのですが?切り離しも以前は火薬でしたね。

 

それと

姿勢角誤差(ヨー、ピッチ、ロール)タンク圧と下流配管圧力を計測しているにもかかわらず姿勢制御プログラムに使わて無いようです。

狂ったままスピン制御まで行ってしまっている。

単なるシーケンスプログラム??

本来RCSが片側しか動いて無ければ制御を止め回復プログラムに移行する所です。

意外とロッケトのプログラムや機構も古いのかもしれません。回復手段がない為異常の無いものはそのまま続けるものでしょうから・・・。

開発者は、昔からの固体燃料開発者系列ではないのではないでしょうか?

アメリカの技術に頼っているように見える。

パイロバルブのRamがあのままなら急激な動作では、齧り易い形状です。
材料を齧り易いアルミからステンに変えてますが、何と無く圧力で少々の齧りなど強引に動かしている様に感じます。

 

独自技術が有ったのに??? どこに行った?

 

以上です。

 

関連記事

イプシロン6号機打ち上げ失敗について

イプシロン6号機打ち上げ失敗について(2/3報告)

 

品証の記事一覧