自動車の電動化(HEV&EV)コア技術 インバータ編 3.三相交流変換 その1 | 電気なんか嫌いだのブログ

電気なんか嫌いだのブログ

機械技術者の方は、電機は見えなくて好きじゃない方が多いいと思います。私も機械屋でしたので良く解ります。嫌いでも必要なので少しわかるようにしませんか?式や計算は無視して絵や図で感じを掴んで下さい。

3.三相交流変換

 

直流電流を三相交流に変換する方法

直流電流を交流電流へと変換するのは、スイッチの切り替えのタイミングで変換している。

一相当たり2個三相で6個のスイッチを切り替えて三相交流波形を作り出す。(下図参照)

 

 

例えばA点では、V,Wがプラス方向に流れているため、+側のスイッチを開き、-側を閉じると、電流はモータへと流れていく。モータから出る電流は、Uが-側に流れているため、Uのスイッチの+側を閉じて-側を開くと、モータからの電流はUから線路へと流れる。この要領で三相交流波形へと変換している。

 

このままではきちんとした三相交流の波形にはならない。
三相交流へと変換するにはもう一工夫が必要。

 

1)インバータ制御

 

マイコン内部の制御概念

位置センサ(レゾルバ)が有る場合の制御

 

車両のモータ制御は、全て絶対角センサであるレゾルバが使われている。当初多摩川製が使われていたが、多摩川は工作機械に使われる高価格帯のメーカなので徐々に量産の得意なメーカ製に代わると思われる。

 

位置センサ(レゾルバが無い場合の制御

 

エアコンなどの民生品は、位置センサは使われないのが主流と成っている。モータのUVWの波形から位置を検出している。

 

 2)可変電圧可変周波数制御(VVVF制御)

 

1.     電圧/周波数 ( V/f ) 一定制御
設定されているシーケンスで電圧/周波数を連動させて制御する。
特徴:制御回路が単純で安価であるが外乱による変化に対応しにくい。
用途:ファン・圧縮機・ポンプなど、2乗低減トルク負荷の部分負荷時の省
    エネルギー用。

 

2.     回転部センサレス・トルクベクトル制御
各巻線の電流の大きさと位相で、トルクと回転数を推定し、それに基づいて電圧・周波数を変化させ、目的のトルク・回転数を得る。
特徴:センサの保守が必要ないがトルク・回転数推定のための、高速な演算
   回路が必要である。制御回路に電動機・負荷の特性が正しく設定さ
   れていないと、制御が乱れる。
用途:クレーン・HEVEVなど、大きな始動トルクが必要な負荷用。

 

3.     回転部センサ付きトルクベクトル制御
回転部に回転或いは、回転子位置センサを取付、計測結果に基づいて電圧・周波数・位相などを適切に制御し、目的とする回転数・トルクを得る。
特徴:精密なトルク・回転数・位置制御が出来るがセンサの保守が必要。
用途:工作機・HEVEV・鉄道車両・エレベータなど、大きな始動トルクと
    正確な制御が必要な負荷用。

 

3)埋込磁石同期モータの制御

²  IPMSM の一般的な制御系は,下図 に示すように内側から順に電流制御,速度制御,位置制御のフィードバックループにより構成される.

²  速度を目標値とする場合には,位置制御ループを省略し,トルクを目標値とする場合には,位置制御と速度制御ループまでを省略することで,制御の目的に応じて使い分けることができる.

²  トルク制御の場合は,高性能なトルクセンサが高価であるため,電流からトルクの制御を開ループとして扱い,電流制御を行う方法が一般的である.

 

埋込磁石同期モータ(IPMSMInterior Permanent Magnet Synchronous Motor

 

 

4)同期モータの制御アルゴリズム
電流制御におけるdq 軸指令電流の決定方法によって,運転条件に応じたトルクと磁束の制御を行うことが可能である.

 

²  電流制御器の指令電流制御方法の各種アルゴリズム

 

  最大トルク/電流制御
同一のトルクに対して電流振幅が最小であり,電流制限時に最大のトルクが得られる.また銅損が最小となるため,定トルク領域における代表的な高効率制御法として利用されている.

 

  弱め磁束制御
速度の上昇に伴う速度起電力の増加を抑制し,定出力領域を拡大できる.定常的な電圧飽和が生じる高速域での代表的な制御法として利用されている.

 

  力率1 制御
常に力率を1 にする制御であり,モータを駆動する電力変換器での損失も小さく保つことができるが,発生できるトルクに限界がある.

 

  最大効率制御
任意の負荷状態において損失を最小とする.損失最小となる条件は,速度や負荷状態によっても異なり,テーブルや近似を用いて指令電流を与える.また,銅損と鉄損を合わせた損失を最小にするため,無負荷時においても負のd 軸電流を流すこととなる.

 

   最大トルク応答制御
指令トルクの急変等により過渡的な電圧飽和が発生し,トルク応答が劣化する場合に,制限電圧内で最大のトルク応答を与える.指令トルクまでは最短で応答するが,定常時には効率の悪化を招くため切り替えを要する.

 

以上です。