2.パワーデバイス
1)出力特性比較
2)IGBTとMOSFETの性能比較
3)GBTとは?
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)は、MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化することにより両者の機能の特徴を活かしたトランジスタである。MOSFETと同様に絶縁ゲートによる電圧制御形のデバイスであり、比較的高速動作が可能で、バイポーラデバイスの高耐圧・低オン抵抗という特徴を有している。
【IGBTの特徴】
(1) IGBTは電圧駆動形素子
IGBTは電圧駆動形素子ですが、各端子間に容量をもっているため、ターンオンあるいはターンオフさせるには入力容量(Cies)に充放電電流が必要です。
(2) IGBTは高速スイッチング素子
IGBTは高電圧、大電流を高速にスイッチングする為動作時高いサージ電圧が発生する。
(3) ゲートは絶縁構造
IGBTは絶縁ゲートを持っていますので静電対策が必要です。GオープンでC・E間に電圧を絶対印加しない。またC・E間に過大な電圧(±20V以上)も印加しないこと。
注意 : 運搬時,作業時に素手で触らない。
4)IGBTのディレーティング
電圧定格
母線電圧としては、素子定格電圧の50~60%以下で使用する。
素子定格電圧=入力AC電圧×√2+回生電圧増加分+サージ電圧+マージン
電流定格
インバータの過負荷率は150~200%に設定されますので、この過負荷時に最大定格電流を通電するとした場合、定常電流は最大定格の50~60%程度とする。
素子の電流定格はインバータ容量から最大電流を算出し、その値できめられます。
インバータ容量=モータ容量÷効率(0.75)
ピーク電流=インバータ容量×過負荷率÷AC電圧(rmsV)√3×√2×リプル率
接合温度
長期的信頼性やモータの過負荷時に最大接合温度になることなどを考慮して、定常時は最大定格の70~80%程度
スイッチング素子で最も重要な指標:オン抵抗(耐圧600VのIGBTは12~13mΩcm2程度)
素子がオン状態の時の素子の内部抵抗。オン抵抗が小さいほど、素子内部で発生する電力損失が少なく、パワー半導体素子としての特性が優れている。一般的に、パワー半導体素子の性能(静特性)は耐圧とオン抵抗で表される。オン抵抗が1/10に成れば空冷も可能
5)還流ダイオード(フリーホイルダイオード)
▼還流ダイオード : インダクタンスを持つ回路の電流を遮断或いは回生する時、大きなサージ電流が発生する。 これを他の負荷に流さないよう負荷に対して並列に入出力方向とは逆を向く ように接続し、サージ電流を逃がすダイオードを還流ダイオードと呼ぶ。
▼何故IGBTなどのスイッチングデバイスと並列に還流ダイオードが必要になるのか ?
赤い線がVDC[V],青い線が0Vの導線部分を示している.
負荷のインダクタの電流は急には方向転換できないため,インバータのバルブを切り替えた直後では印加電圧と逆の電流が流れることになる.こういったときに還流ダイオードがあると,その逆流の電流はIGBTではなく還流ダイオードの方を通って回生してくれる.つまり,左図の丸い点線で囲った2つのダイオードを経由してインダクタに蓄えられたエネルギーが直流電源へと返還されるのである.もし還流ダイオードがないとIGBTそのものに逆電流が流れ込むのでIGBTが破壊する恐れがある.
▼スイッチング回路のノイズ吸収用:耐圧と順バイアス時の低ON 電圧性、リカバリ特性が重要視される。
還流ダイオードは、インバーターの主要スイッチング・デバイスが、バイポーラ・トランジスタからIGBTなどの高速MOSゲート素子へと移行していることに加え、ラジオ・ノイズ規制などの観点から、逆回復特性(リカバリ)だけでなく、ソフト・リカバリ特性が主流となっている。
6)平滑コンデンサ(メタライズドフイルムコンデンサ)
« 特性
メタライズドフィルムコンデンサは、フィルムコンデンサの一種ですが、オーディオ用、交流電源雑防用など安定した特性を持っています。エポキシ樹脂を真空含浸した高絶縁、高耐湿、高耐熱性を有するコンデンサで特性は極めて安定しています。
« 構造
メタライズドフィルムコンデンサは、誘電体であるプラスチックフィルムに電極となる金属を真空中で蒸着後、蒸着されたフィルムを一定の幅でスリットし、一対で捲回したコンデンサをプレス・熱処理後、内部電極を取り出すためにメタリコン後、リード線などの端子を溶接又は半田付けした構造となっている。
« 特徴
メタライズドフィルムコンデンサの大きな特長として、誘電体に弱点部があったり、過電圧が加わったりした場合など、印加エネルギーやコンデンサ自身が持っているエネルギーにより蒸着金属が瞬時に酸化してコンデンサの機能が回復する自己回復性(セルフヒーリング性)を持っているが、近年では、更にメタライズドフィルムの蒸着膜に保安機能を設け信頼性を上げる構造が主流となってきている。
以上です。









