バウの修理(その112 さらなる撤去。。。) | なんちゃってオーシャンセーラーのブログ

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オーシャンセーリングに憧れて。。。
今は、実現に向けてヨットの整備と身の丈より少しだけ背伸びをした活動をしています。

『バウの修理(その111 積層を整理すると。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12124397631.html からの続き。。。


『バウの修理(その102 ステム修理箇所の露出バルサの防水処理。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12118422653.html から早10週間、、、何やってたんだかDASH!


フォアーステイの取り付け部分の修理なんて当然初めてなので不安だらけ。。。適当にやってしまってセーリング中にチェーンプレートが飛んだなんてシャレにならないのでビルダーにヘルプを求めるための資料整理や英文メールの作製などで3週間を費やし、、、


メールを送ったけど2日後に『今、海外だから帰ったらメールする。』と一言。。。


で、あれだけ頑張って質問したのに送られてきたのはたったの6行、、、一つ一つの質問に対する詳細な答えがない。。。DASH!


とりあえず返事があったのは、この、、、


ABSガイドや日本のFRP造船関係の本に書いてある外側からオーバーラップさせる方法(Plam-A)と、、、



この、、、ウエストシステムの方法とオリジナルの方法(Plan-B)のどちらの方法がいいかということ、、、



Plan-Aがベストだそうな、、、僕もその方がいいと感覚的に思っていたけど、、、じゃあ何故オリジナルはPlan-Bの方法だったのだ!?


それ以外の答えは、、、

『You are doing a very good job!』

『photos are good』

『keelis good and bulb』

『Hull fixing is also good』


まあ、とりあえず僕がしてきたことと、しようとしていることは問題がないということみたい。。。


もう一行は『チェーンプレートのボルトパターンはそのままじゃないといけないよ。』ということらしい。。。

これはもう少し詳しくやり取りしないといけなさそう、、、チェーンプレートの肉厚を増やし、一回り広くしてボルトも太くして、ボルトパターン(ピッチ)も広げようと思っているんだけど。。。ダメかな???


で、このビルダーからの返事を見て、やはりトライアクシャルのEグラスを使ったほうがよさそうだと思い探してみたものの、ホームページ上に取り扱いがあると記載されている業者に何度電話しても繋がらす、FAXを送っても返信がこないので、以前ダブルバイアスのEグラスを送ってくれた会社に今回は直接電話、、、しかし600g/㎡のトライアクシャルのEグラスしかないらしい。。。


厚みがほしいだけなら600g/㎡を2枚重ねるだけでいいらしいけど、繋ぎのオーバーラップは50mmらしいので、我が艇のオリジナルのトライアクシャルのEグラスの各繊維方向を考えると、1方向辺り373g/㎡と747g/㎡と1121g/㎡になり、合計で3363g/㎡だけど、これをダブルバイアスのEグラスで再構成すると7層で4200g/㎡になる。。。


まあ、重たくなって丈夫になるのはウエルカムだけど、問題はこの7層。。。


ABSガイドやFRP造船関係の本に書いてあるのは指定がない限り最低でも50mmのオーバーラップを1層の継目には設けることとなっているので、7層なら350mm、、、つまり水の中、、、汗

上架してマストを倒して修理できれば問題ないけど、そんな予算がない!


結局、国内では音沙汰なしか取り扱いがないところしか見つからず、送料が高くつくのを覚悟の上でビルダーに送ってもらうことにしてメールを入れる、、、返事を待つこと1週間、、、しびれを切らして電話をすると『明日、確認してメールする。』と、、、でそれから待つこと1週間、やっと送りますと返事が来た。。。汗


で、手配してくれて実際に発送されたのが3月18日、、、届いたのは22日。。。DASH!


そんなこんなで2か月半も前に積層の段取りができたにも関わらず、積層の破壊検査をして積層の向きを調べたり、英語と闘ったり、返事を待ったりとあっという間に時間が過ぎてしまったDASH!


その間にほかのメンテナンスをしようと思っていたら昔なじみから『助けて~!教えて~!』と、、、『走錨して座礁して割れてんねん。。。』ということらしい。。。

バレンタインデーにパートナーとデート中に電話がかかって来て、二人で様子を見に行く。。。『割れてんねん。』ということで人の不幸は蜜の味、ワクワクドキドキしながら見に行くと、何のことはなく、1度目の座礁の修理跡が完璧でハルは無傷、単にハルと鉛のキールを巻きこんでいた2次接着部分が剥離しただけ。。。でも、流石に不安なのか、、

『〇〇造船で請け負ってえな~!!』と、、、

僕は造船会社の看板なんて揚げたことはありませんビックリマーク

まあ、昔なじみでお世話になっていたこともあるし、しぶしぶ『自分でやるお手伝いで責任を負わなくていいのなら。。。』と引き受ける。。。

2日ほどかかって自艇や倉庫などを整理して車に積めるものを積み込んで、3日目にサンディングに行き2次接着部分を削り取ると前回の修理でハルとインナーモールドの間の水を抜いたであろう水抜き穴がキールの左右に、、、汗そこから水がぽたぽたと、、、これはプラス1週間はかかるな、、、さらにキール側を削ると鉛の凹凸が酷すぎ、下地処理だけでプラス1週間はかかるなと上架日程を延長してもらうも、トータルで5週間しか取れないよう。。。冬の屋外のエポキシの作業はどれだけ暖房しても1日1度しかできません。。。ということで結局、土日もほとんど潰して1日十数時間の重労働の末に構造70点、仕上げ30点程度の作業しかできませんでした。。。チーン!まあ、次からはプロに頼んでください!しかも本人はほとんど来ないんだからほとんど請負状態、、、ならせめて責任は持たないけど時間当たり最低賃金くらい払って欲しいものだな~むかっ

という作業をバレンタインデーから3月19日まで雨の日と抜けれない仕事の日以外の実質は26日やっていましたとさ〰。。。

まあ、責任を負わなくていいなら日当25000円くらいで倍の日数をもらえたら同じクウォリティーのアルバイトしますよ!なんちゃってビックリマークなんていい加減でぼったくりなあせる



話を本題に戻して、、、


2016年3月25日、金曜日。


朝から昼過ぎまで神戸大学のJ24のレストアのお手伝いに行ってから夕方自艇へ。。。


この2か月半、こんな感じで、、、


作業は止まっていました。。。あせる


一度、今年の活動はすべてなしにして修理の年にしようと思ったくらい絶望の淵をさまよっていたけど、トライアクシャルのEグラスもエポキシもこの部分に必要な分は”たぶん”最低限段取りできたので、GWは諦めつつ、その次のイベントやクルージングには行きたいな~ということで修理再開レンチ


まずは、前回削り取ってしまった部分から更に後ろに線を描き、、、


描き、、、


描き、、、


描き、、、


線を描いたら、、、


切る!!


ぎゅいーんビックリマーク


ぎゅいーんビックリマーク


ぎゅいーんビックリマーク


ぎゅいーんビックリマーク


んで、切ったら、、、


剥がす!!


メリメリメリ〰、、、


メリメリメリ〰、、、


メリメリメリ〰、、、


メリメリメリ〰、、、


あっ!あんな破壊検査しなくても1層だけの場所の繊維方向が簡単にわかるような剥がれ方した。。。

なんだったのだ!?あのチクチクしながらやっていた破壊検査は。。。むっ



で、表層を剥ぎ取ったら、


コンコン、カンカン、”正常な”バルサを撤去する。。。


防水のためのマイクロバルーンエポキシパテの撤去が大変だ~。。。


バルサがある程度撤去出来たら、マイクロバルーンエポキシパテをある程度グラインダーで削り落とし、仕上げにランダムアクションサンダーで削る。。。


今回はバルサのメッシュシートが軽く残る程度だけ削った。。。DASH!


広く綺麗になったDASH!


えっ!?なんで”正常”なのに更にそんなにも広げたかって?


まあ、”たぶん”プロでもここまでやらないだろうけど、ビルダーがすべて『Good』って言うもんだからその根拠を調べるために、本や資料を読み漁って、その中の一番厳しい?オーバーラップやテーパーの基準を採用しようかなと。。。


とりあえず


手元にある本4冊


と、


日本財団図書館(ホームページ上の電子図書館)の日本小型船舶工業会の『FRP船修理標準工作法』


と、


無料で確認できるABSガイド(American Bureau of shipping)


とを確認してみた。。。本当は冊子になっているものが欲しいんだけど、日本小型船舶工業会に連絡する時間がなくて、、、ABSガイドを購入したいんだけど、ダウンロード版が無料で手に入るから冊子版があるかどうか???


更にはABSガイドが『アメリカ船級協会』なんだから、有名な『ロイド船級協会』や『ノルウェー船級協会』、所謂『CEマーク』を発給?するスペシャルレギュレーションにもABSガイドとともに記載されている『the EC Recreational Claft directive for Category A』も確認してみたいんだけど。。。



で、なんでさらに広く撤去したかというと、


ABSガイドでは、


基本的に木材などをテーパーにするときは3:1以上の比率にしなさいとある。


僕は補強板やコアを入れ替えた部分のテーパーは5:1にしたので問題はないだろう。。。

ということでビルダーが『Good』と言ったことは納得。。。



ABSガイドでは、


サンドイッチパネル部分から単板部分にするには2:1以上の比率にしなさいとある。


僕は、オリジナルのバルサコアと合板のコアの取り合いも5:1にしたし、今まさに単板部分にしようとしている部分と合板との取り合いも5:1にしているので問題はないだろう。。。

ということでビルダーが『Good』と言ったことは納得。。。


ABSガイドでも、すべての手持ちの本でも、ビルダーの指示でも、


1層の継目のオーバーラップは50mm以上取るようにしなさいとある。


僕は素直にオリジナルの積層に対してすべて50mm以上のオーバーラップを取っているんだから、ビルダーが『Good』というのは納得。。。



ということは今回さらに広く撤去しなくても、前回の撤去か所は20mm厚程度で長さが300mm近くあったんだからテーパーの比率は15:1以上あったわけでABSガイドなんて目じゃないよと言うくらい安全なテーパー率があったということ。当然テーパーが広ければ広いほど応力(荷重)は分散される、つまりハードスポットがなくなるということで大変良いこと、、、



だけど、ABSガイドと国内の本との大きな違いは修理部分のテーパー率。


国内のFRP船の修理方法が記載されている本は修理箇所のテーパー率は厚みに対して16倍以上となっているのに対して、


ABSガイドは、12倍になっている。。。


と、いうことは当然国内の基準?のほうが厳しいということ、、、だと思う。。。


当然、不安な素人の僕はテーパー率が大きいほうの基準を採用する。。。



しかし、国内の基準?にはサンドイッチ部分から単板部分への変化のテーパー率は記載されていない。。。


その代わり、厚みを変えるのは艇の前後方向で厚みの40倍ずつ、艇の横方向で20倍ずつ厚みを変えていきなさいということ、、、


見落としているだけかもしれないけどABSガイドにはこの前後方向40倍や左右方向20倍というような記載がなかった。。。


厚みを変えるのは1層の継目のオーバーラップとは違い、ハードスポットを避けるのが目的のために、今使っている600g/㎡のダブルバイアスのEグラスなら積層した厚みは0.8mm程度なので厚みの変化のためには32mmずつオーバーラップさせていけばいいということに、、、


で、この0.8mm厚の積層厚になる600g/㎡のダブルバイアスのEグラスを裏層と表層の積層の厚みを変えていくと考えると、間に19mm厚のコアがあるから、各層辺り8.5mmの厚みが増すということに、、、


ということは600g/㎡で厚みを変化させるには11層ほど必要、ということは、32mm×11で前後方向は352mm必要ということになる。。。


これが1121g/㎡のトライアクシャルであれば1層当たりの厚みが1.4mmなので6枚ほど必要で、1.4mmということは40倍すると56mmのオーバーラップが必要ということに、、、56mmだったら1層の継目にするオーバーラップよりも長い!

これだと前後方向は336mm必要ということになる。。。


なので、今回はこの厚みの変化には厚みの40倍必要だということを信じて前後方向に不足分をさらに撤去したのでした~。。。DASH!


たぶん不要だと言われるでしょう。。。でも自分で実験して根拠を出せない限り、頭のいい人がたぶん長年破壊実験を繰り返し得たデータを元に本を書いたり基準を作ったりしていると思うのでその中の一番厳しい基準を採用することにしました。。。


まー、元々がバルサ材が入っていたようなステムなので単板にすると元の5倍近くのFRPの厚みになるから完璧に重くなり過ぎるのでは!?ニコニコ


とある本にはステム部分のFRPの厚みは表層と裏層を合わせた1.4倍程度でよく、薄くなった部分のおかげでナットがその厚みの中に納まるって、書いてあったけど、別にナットを収める必要もないしね!



『バウの修理(その113 ステム補強板部分のコアの単板化。)http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12147901110.html 』へ続く。。。