『バウの修理(その110 とんだ勘違い!やっと分かった繊維方向!)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12124408222.html からの続き。。。
2016年2月8日、月曜日。
『バウの修理(その102 ステム修理箇所の露出バルサの防水処理。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12118422653.html から早3週間、、、やっと我が艇を作ったビルダーにメールを送りました。。。
日本人同士でフェイスtoフェイスなら写真を見せながらほんの10分程度で終わる会話だと思うんだけど。。。
日本語で質問すると、、、
『ステムの中にバルサが入っていて朽ちていたから表面の積層を切って朽ちたバルサを取り除いたんだけど、かなり大きな面になってしまったんだけど、ここってフォアーステイのテンションがかかる部分だから前後30cm、高さ80cmの修理面積で十分強いかな?』
『今、ダブルバイアスのEグラスしかないけど45度ずつ傾けて元の繊維方向より各繊維が多ければ問題ないかな~?それとも絶対にトライアクシャルのEグラス使ったほうがいい?』
『なんかオリジナルのステムの補強はベースになる全体のトライアクシャルのEグラスの上に小さく2枚貼ってあっただけなんだけど、こんなに薄くて大丈夫?そもそも補強の小さなトライアクシャルのEグラスって全体の積層の内側にないといけないんじゃないの?修理するときは元にならうべきなのか、それとも小さいトライアクシャルのEグラスは内側にすべきなのかどっち?』
『FRPの重ね代って50mmみたいだけど、この部分も50mmでいいの?感覚的には広く重ねたほうが強いような気がするんだけど。。。どう?』
『フォアステイのチェーンプレートが付く部分は単板で他の部分はPVCフォームを入れようと思うんだけど、単板の部分はダブルバイアスのEグラスを45度ずつずらして十分な高さになるまで積層しようとおもうんだけどこれでいいかな?』
『Woven roving が使ってあるんだけど、これって使わないといけないの?これって構造メンバーではなくてコーティングメンバーのような気がするんだけど。。。どう?』
『他に何かある?』
というだけのことなんだけど、、、
オリジナルのビルダーと言えども我が艇の現状を知らない海外の人。。。しかも艇は20年も前に建造されたもの。。。
兎に角、現状や元の状態を伝えるために、『バウの改造(桟の取り付け。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-11819302117.html で発見した水漏れから始まって『バウの修理(その1~その110)』から抜粋したのと、この下の図の合計109枚の写真と図をワードに貼りつけてほぼすべての写真と図面にコメントを書いて(もちろん英語で)、やっと今日送ることができました。。。
兎に角、図面を描くのも大変で、写真だけでも100枚ほどピックアップしたし、、、オマケに昨日は書き揚げたレポートを見ると、所々写真が抜けてた
『リレーションシップIDrIdBのイメージパーツがファイルにありませんでした。』って出てたけどなんのこっちゃ
幸いなことにビルダーに送るための写真をコピーしてかき集めて一つのファイルにまとめていたからそこから貼り直すだけですんだけど。。。
おまけに英語は言葉はある程度出てくるけどスペルが全く出てこないので『weblio』に日本語やカタカナで入力していくつスペルを調べたか。。。
僕に取って新しい言葉を辞書で調べて使ったのは『mold』『dull』『deteriorate』『certain』『extent』の5つのワードだけ、、、
これならプリントアウトした写真を100枚見せてフェイスtoフェイスで会話してボディーランゲジーも使えば1~2時間で終了するような内容だったんだけどな~、、、何時間、、、何日かかったか
『バウの修理(その110 とんだ勘違い!やっと分かった繊維方向!)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12124408222.html ですべての繊維方向と積層が分かったので図面を描くとこんな感じ、、、
デッキ直下の積層は、、、
デッキから300mm下の積層は、、、
デッキから300mm下の構造と繊維方向の詳細は、、、
デッキから800mm下の積層は、、、
とりあえずまとめるとこうなった。。。
しかし、意外だったのはステイによって上に引っ張られるはずの繊維方向が一番少ないということ
まあ、フォアーステイのチェーンプレートの取り付けボルトの穴で繊維は断ち切られるから、断ち切られた繊維は左右45度方向の繊維と横方向の繊維で複雑に保持されているということなんだろう。。。
セーリング中は完全に上に引っ張られるのではなくて、サギングが出るので少し角度も付くだろうしね。。。
我が艇の事ながらまだ知らないことがたくさんありそうだ
まあ、新艇でも作って毎日建造風景を見ない限り理解できないだろうけど。。。
みなさん、
自由気ままにパーツを後付していませんか?
パーツを後付したところは単板や合板の入ったところですか?せめて穴の処理をしてからパーツを取りつけましたか?
建造から時間が経って一度もコーキングをやり直していない場所はありませんか?
今、この作業を進めているのは僕だけではありません。。。学生さんも頑張って同じ修理をしています。。。
色々な艇種に同じような症状が現れています。
同じような状態の艇は過去に何艇も見たし、今作業をしていないけど同じ状態の艇も知っているし。。。
このような酷い状態を簡単に見抜くのは各パーツ周りにクラックがあるかないか、、、また修理後がある艇は他の場所も同じような状態になる可能性もあります。。。クラックがなくてもコーキングが切れて傷み始めている場合もあるし。。。
ただし、元々FRPは『張り子のトラ』方式で建造されているので傷んだ部分は我が艇のように修理すればいいだけの話。。。
ただ、、、それを見抜けず予算いっぱいで中古艇を購入してしまったら、、、
僕は艇を譲り受ける時に覚悟はしてたのであまりショックはなかったですけどね~。。。
しかし、実際の作業より、画面に向かって考えながら図面を描いて、スペルを調べながら英文を書く方が大変だ~
久しぶりに『目が疲れた』という実感が、、、年かな。。。?
早く返事来ないかな~、、、まあ、返事が来るまで休憩だ~
『バウの修理(その112 さらなる撤去。。。)』http://ameblo.jp/oceansailor/entry-12143146192.html
へ続く。。。