オーディブルで聴きました。一はこちら。
時代物から現代（といっても大正）のいろいろな怪談が32話収録されています。聴いていてぞくぞくする話はないですけどおもしろいです。"刺激的な怪談" を期待するとちがうと思います。
田中貢太郎の本だったら『日本怪談実話〈全〉』が個人的にはおすすめですけど、田中貢太郎の作品の多くはkindleや青空文庫で無料で読めますよ。
おもしろかったのは『あかんぼの首』。
流産した女性が見知らぬ夫婦が住む家に忍び込んで赤ちゃんを抱く夢を何度もみる。やけにリアルな夢だと思ったら……というような物語。
抑圧した感情の爆発とも読めなくもない話です。
夢にみていた場所に実際に行ってみると……予想していた通りの展開になっていくんですけど、ラスト付近でちょっと変わったことが起きるんです。それがとっても印象的。おもしろいです。
『竈の中の顔』もおもしろい作品。
箱根の温泉宿の裏山にいる怪しげな坊主の物語。
田中貢太郎『山寺の怪』と読み比べてもおもしろいかもしれません。ちょっとだけ似ているんです。
どの作品も無料で楽しめます。青空文庫やkindleでどうぞ。
