Amazon Audidleで聴きました。

 

久々の怪談語りの感想。10はこちら

 

中山さんの怪談の安定感よ。ながら聴きして申し訳ないですけど作業のお供にぴったりです。

 

「内線電話」「誰と話した?」「お化け人形」

あるイベント会社で起きた出来事。その会社の社長に聴いた話だそうです。

 

この会社では怪奇現象が頻発していたらしいのです。すごいですよ。

 

近くの踏切で人身事故があったとき、閉め切った部屋なのに頭上から見知らぬ靴(後日、人身事故のものとわかる)が落ちてきたり……。オフィスに誰もいなかったはずなのに、取引先からの電話に対応をした謎の人物がいたり……(幽霊が仕事をした?)。

 

場所がおかしい系の話(ちなみにこの会社の立地はちょっと特殊で、踏切二本に挟まれるように建っている)なのかなと想像していたら、それだけじゃないみたいなんです。

 

会社にあるお化け人形(お化け屋敷などで使われる)にたびたび怪奇現象が起きるので、四谷稲荷でもらったお札を会社の玄関に貼ったら、人形に関係する怪奇現象がおさまったそうなんです。いろいろな現象が起きているなか、人形に関係する現象だけがおさまっているんです。お札がピンポイントに効果(?)を発揮しているんですよ。ひとつの現象(霊体?)につきお札一枚。

 

わたしは中山さんを本当に話を集めているひとだと思っているんです。こういう話を、本当にあったことにしろサービス精神にしろ、社長が大真面目に自分の会社であったと話すというのがおもしろいとわたしは思うのですよ。

 

 

好きな話は「旅館の女将」。
夢と現実が交差する話。わたしは夢の話が好きなんです。

 

ある旅館に感じた謎の悪寒。その夜、その旅館にいる夢をみて……というようなハナシ。

 

廃業してそのままになってしまっている旅館って独特の雰囲気を醸し出していますよねえ。

 

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廃旅館といえば、怪談でもなんでもないけど、知人からこんな話を聴いたことがあります。オチもなければ内容もないです。

 

知人が夏休みに田舎の実家に帰省していたときのこと。夕方、犬の散歩をしていたら、自転車に乗った男性に道を尋ねられたんだそうです。真っ黒に日焼けしていて、たくさんの荷物を自転車にぶらさげた、自転車で長距離を旅しているんだろうなというような感じのひとだったそうです。

 

「〇〇温泉を探しているんですけど……」

 

山のふもとにポツンとあるその温泉公衆浴場(以前は旅館だった)はもう何年もまえに廃業になっていて、それはそれは雰囲気のある外観になっています。知人は男性のことを廃墟マニアかなと思って(謎思考)、道順を説明して別れようとしましたが、一応「もうやっていませんよ」と伝えると、男性は驚いた声をあげたあと「このへんでテントを張っても大丈夫な場所ってありますか」と尋ねてきたそうです。

 

だからなんだっていう話なんですけど、わたしはこの話を聴いたとき、想像せずにはいられなかったです。もし知人がやってないことを伝えなかったら……電灯もない暗い山道でただひとり、山に埋もれるように荒れ果てた旅館を目にした男性はどんなことを思っただろうって……。

 

こういうところから怪談のひとつでもできそうです。

 

 

 

 

 

 

 

常連客
四国の実家
山の女
旅館の女将
禁断のアルバイト
越前海岸
カラオケボックス
鏡の多い部屋
内線電話
誰と話した?
お化け人形
SOSの電話