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美し過ぎる副市長

10月末、雲南省昆明市副市長に32歳の張茜女史が選ばれた。山東省出身の「若い」「美女」副市長誕生に中国ネチズンは軽く沸いている。

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「公式ブロガー」たちは「幹部人事の『血液循環』をよくする」と歓迎の言辞を連ねているが、ブログのコメント欄にはネガティブな意見が多い。曰く、「何のバックもなしに能力だけではありえない」「昆明の32歳の美女才女はどこに行った?」

張女史は77年山東省生まれ。山東財政学院で財政学を学び、98年国務院財政部に採用。同部農業司(日本の局に相当)、国際司で勤務したあと、山東省費県の副県長に転出し、07年財政部国際司国際金融組織第二処副処長。09年1月から財政部の共産主義青年団書記……という一見、華麗な経歴の持ち主である。

中央で役所の基本的な仕事の仕組みを学んだあといったん地方に出るのは、日本のキャリア官僚に似ている。ただ、中国の財政部は日本の財務省ほど役所としての「格」は高くない。

中央政府のポータルサイトを見れば一目瞭然だが、財政部の序列はマクロコントロールを担当する国家発展改革委員会(3位)の遥か下(12位)である。近年の経済成長で、中国では「格」と実力に齟齬が生じている役所がいくつかあるが(e.g.外交部、商務部)、それでも金融の監督権すらない財政部のパワーはまだ限定的だと思う。

■□「最年少」「タレント」地方幹部が続出□■

中国政界は昨年以降、「最年少副省長(江西省の謝茹、当時39歳)」とか、「最年少市長(湖北省宜城市の周森鋒、当時29歳)」の誕生が続いている。有名人のリクルートもあって、番組であの福原愛を泣かせた男として有名になったCCTVのキャスター王志は昨年秋、雲南省麗江市の副市長になった。

今回の「美し過ぎる副市長」、共青団からの転出であることを鑑みれば、胡錦涛系勢力の思惑が働いたと見るのが正しそうだ。ただどこかの国に、最近までやたら若さや知名度を基準に候補者探しをする政党がなかったか。

それほど格の高くない役所から末端行政レベルへの転出……とはいえ、奇策で人民の注目(あるいはガス抜き)をはかろうとするのはあまり健全な思考とはいえない。そもそも上記ネチズンの怨嗟の声を聞けば、ガス抜きにもなっていない。どこか対処療法的で、行き過ぎた大衆迎合的政策、という印象を受ける。

まさか、最近下野した「あの党」のマネをしたわけではないだろうが。

北京で初雪!(人工だけど)

11月1日朝、北京に初雪が降った。平年より1カ月、87年以降では最も早い降雪だという。天安門付近も真っ白に雪化粧したようだ。

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11月の声を聞くと北京はグッと寒くなる。しかし校舎など公的な建物の「暖気(ノアンチー、セントラルヒーティング)」が入るのはまだちょっと先なので、この季節、北京の学生はダウンジャケットを懐にかきこむようにして教科書を読むことになる。

それにしてもちょっと早いな、と思っていたら、案の定「人工雪」なのだという。北京市人工影響天気弁公室の副主任が人民広播電台に「10月1日の国慶節以降、北京近郊ではまとまった雨が降らなかったので、もし降雨のチャンスがあれば、(雪になるものであっても)そのチャンスを逃すことはない。今回の作業で水量に換算して160万トン相当を増雪した」と答えている。

北京の雪、いえば1972年2月のニクソン訪中を思い出す。

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ロマンチック(いろいろな意味で、だが)な記憶と直結しやすいのは、北京の降雪が短期間で、根雪にもならないからだろう。北京っ子たちの今回の反応も、おおむね「下雪啦!哇哈哈~~~(雪だ、ワハハ!)」と「庭かけまわる犬」状態だ。

ダライ・ラマ!

チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が31日、東京・有楽町の外国人特派員協会で講演と記者会見を行った。前日のラビア・カーディルのおよそ2倍、200人近い内外の記者・カメラマンが土曜の朝にも関わらず集まった。ウイグルの国際社会における「人気」が、チベットとダライ・ラマに遥かに及ばないことを如実に表している。

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昨年3月のラサ騒乱以降、チベット亡命政府と中共政権の関係が膠着状態にあり、どちらかと言うとチベットの方がウイグルよりニュースにはなりにくいはずだ。それにも関わらず、こんなに在京海外メディア(とのその背後にいる海外の読者・視聴者)の関心が集まる最大の理由は、欧米社会を「魅了」するダライ・ラマ個人のキャラクターにあるだろう。

彼のどこに魅力を感じるのか。この日の「法話」は、「調和のとれた平和な社会をつくるための教育の重要性」という内容で、正直宗教的な深みは感じられなかった。

ただ、ときおり織り交ぜるユーモア(↓)や自虐的ジョークが非常に欧米的で(e.g.「ダライ・ラマは世界中を旅してトラブルを起こすのが仕事!」)、かつ表情もとても豊か、さらに強気で押す喋りのスタイルが、彼をフォトジェニックな存在にしていると思う。

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□■ダライ・ラマvs.新華社■□

しかし、である。欧米の支持者たちの間で、チベット仏教やチベット文化そのものに興味と愛着をもつ人はどれくらいいるのだろうか。

甚だしきにいたっては、「チベット(あるいはダライ・ラマ)が好きな自分が好き!」という人も少なからずいるはずだ。この日のダライ・ラマの講演の様子を背景に、携帯で記念写真を撮る欧米人記者の姿を見て、そう感じた(これに加えて、「中国が嫌いだからチベット(あるいはウイグル)」という人もいるわけだ)。

ビートルズのインド好きと同じ、などと野暮を言うつもりはない。チベットだって、利用できるものはしたたかに利用すればいい。ただし、ダライ・ラマは今年74歳。この日の会見では、昨年手術を受けたことも明らかにしていた。このままでは、いつか「Xデー」が来たとき巨大な空白が生じるのは避けられない。

「新華社だろ?」と、ダライ・ラマは会見に来ていた新華社の記者2人に「ちょっかい」を出し、新華社の記者の1人が「個人的な立場で」と断ったうえで(公式の会見の場で個人的もくそもないと思うが)、ダライ・ラマに「漢族社会でチベット文化が受け入れられていることについて、どう思うか」という質問をぶつけていた。本来官僚的で、面倒は極力避けるはずの新華社の記者が質問するあたりに、中国側の余裕もそこはかとなく感じられた。