2日放送のEテレ
『待ってました!歌舞伎生中継』に、
【息子】が収録されていて嬉しかった。
他の演目の生中継、ダイジェストや
インタビューなど盛り沢山。
この番組のおかげで、
より待ち遠しくて仕方なかった
今年最初の歌舞伎見物へ。
しかも一日通しで!
幸四郎の誕生日に、いざ!歌舞伎座!
~壽初春大歌舞伎 昼の部~
⚪️【當辰歳歌舞伎賑
(あたるたつどしかぶきのにぎわい)】
〈五人三番叟〉
中村福之助、鷹之資、歌之助、
玉太郎、虎之介の5人による
若さと活気に漲る三番叟。
キレッキレで躍動感がすばらしかった。
足拍子も心地好く。
あぁ、若さって……いいよね!
天下泰平と五穀豊穣の祈りを込めて。
どうかどうかその祈りが
被災地の方々に届きますように。
色々と思い巡らせずにはいられなかった。
〈英獅子(はなぶさじし)〉
芸者・雀右衛門、鳶頭・鴈治郎、
鳶頭・又五郎による英獅子。
初春の吉原で、
芸者と鳶頭二人が華やかに舞う。
恐ろしく運動能力の高い獅子舞の
尻尾を引っ張り(!)、
軽くあしらってしまう雀右衛門かっけぇ!
鴈治郎・又五郎が紅白の扇獅子を手に、
獅子の狂いで魅せてくれた。かっけぇ!
粋でいなせなお三人の貫禄。さすがです。
どちらも、
一年の始まりに観る事ができて心華いだ。
⚪️【荒川十太夫】
『生中継』での、
松緑と左近のインタビューにほっこり♡
からの。
荒川十太夫、最高でございました!
相方にも観せたかったな。
伊予松山藩松平家の、
下級武士・徒歩(かち)である荒川十太夫。
何故彼が身分を偽り、
なおかつ身分に似合わぬ出で立ちで、
泉岳寺にある赤穂義士・
堀部安兵衛の墓を参るのか。
偶然居合わせた
目付役の杉田・吉之丞に咎められ、
松平隠岐守定直・坂東亀蔵に直々に
取り調べられることに。
その取り調べの場で
十太夫が偽りの身分をかたった理由とは…。
堀部安兵衛の介錯をつとめた十太夫。
その回想の再現が上手い演出で見事。
白装束の大石主税・左近と、
堀部安兵衛・中車が登場し、
先に主税が呼ばれる。
その時の二人のやりとりに涙。
立派な主税の最期に感涙する安兵衛。
その後、安兵衛の番になり、いざ自刃。
その前に介錯人である十太夫に、
自らの身分と姓名を朗々と名乗りあげる。
その威厳のある様に感銘を受ける十太夫。
安兵衛は尋ねる。十太夫の名と身分を。
ただの徒歩である自分に介錯されるのでは
お気の毒すぎると、咄嗟に嘘をついてしまう。
「伊予松山藩松平家の物頭役である」と。
それ以降、安兵衛の墓参には身なりを整え、
従者をつけて訪れるのだった。
しかもその費用はコツコツと内職をして…。
うわ~ん、あか~ん、十太夫…。
なんて義に厚い男なのか…。
もう歌舞伎座で初泣き。
夜の部の【息子】で初泣きかなと
思っていたけど、十太夫で初泣き。
それを褒める定直と杉田。
でしょうとも!でしょうとも!
良いお殿様で良かったよぅ。
十太夫にしばらくの謹慎を申し付けた後、
本当に物頭役を十太夫に任命した定直。
しかも十太夫の去り際に、
「今日より内職は無用にいたせよ」と
粋な一言をかける。ここ、大好き♡
心の中で定直にグッジョブ!!
泉岳寺の和尚・猿弥が詠んだ、
「騙されて心地好く咲く 室の梅」という句。
まさにこんな暖かい気持ちになれる、
素晴らしいお芝居だった。是非また観たい!
⚪️【狐狸狐狸ばなし】
さて。【荒川十太夫】と同じ、
人を騙す話でもえらい違いの
下世話なお話(笑)【狐狸狐狸ばなし】。
伊之助・幸四郎にベタ惚れ♡してしまい、
今月中に昼の部だけリピート予定。
月に二回お江戸行きは初めて。
だから【荒川十太夫】、も一回観れるで。
もう泊まりは厳しいので、
泣く泣く昼の部だけ。
それほど面白かった【狐狸狐狸ばなし】。
リピ後に、また別枠で愛を叫ぶど!
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