師走になると思い出す曲がある。PSY-Sのライブアルバムに収録されている「冬の街は」。
オリジナルはSIONのアルバムに入っているらしいが、私はこのPSY-Sのアルバムしかもっていない。ライブにSIONがゲスト出演したモノを聴くことができる。
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後半の歌詞、というかSION独特の語りのフレーズをネ、いつも思い出すんだよ。
12月 街は クリスマス気分
あちこちから 思いだした様に ジョンの声
そして いつも 俺ときたら この頃になると
何かやり残した様な
やわらかな後悔をする
何度か言ったことあるけど、PSY-SはエレクラがICEと並んでお手本にしているバンド、というかユニットだね。楽曲に関してはカラーリングは一番近くて分かり易いかもしれない。昔初代がエレクラを評して、おもちゃ箱をひっくり返した様なユニット、と言ったけれど、その雰囲気に近いかもしれない。
SIONは独特の歌唱で、他を寄せ付けない世界を築いているワン・アンド・オンリーな歌い手。デビュー当時、何かのテレビ番組で見た「シティ・ライツ」という曲は絶品だったな。わたしが好きなSHADY DOLLSのユウジも尊敬するアーティストの一人にあげている。アルバムは一枚もっている。
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さて、曲の話に移ろう。私はこの「やわらかな後悔」っていうフレーズが好きなんだ。年末、年の瀬が押し迫ってきてさ、なんとなく寂しさが募ってくるだろ。クリスマスとか、今日みたいな祝日とか、学生だったら冬休みとか、正月、初詣、なんて楽しい企画が目白押しの中で、つい過去に捕らわれるとさ、寂しい感じがいつもするんだ。
でも、何か人生をかける様な大失敗をしたわけでなく、一年間淡々と過ごしてはいたんだけど、なんとなく後悔するって感覚があるんだよね。幼い頃、特に色気付き始めた中学生の頃は特にそうだった。大人になってから、エレクラをやり始めて、年末に大仕事を終えてその後に、なんだ今年一年もエレクラしかやってこなかったな、なんて思う時。彼女もできなかったし、でもエレクラは充分に楽しかったし、プラマイゼロ?でもな・・・なんて感覚に捕らわれるのがこの時期、よくあった。
その時に一番ぴったり来るのが、この「やわらかな後悔」という表現だったんだよ。この言葉を得てね、自分の感情にまたひとつ、言い訳というか、収拾がついた様な気がしたんだよね。もちろん、この言葉だけでなく、この曲自体、12月に必ず聴く曲なんだよね。それこそ、思いだした様に(笑)。
昨日の記事でさ、何かが手軽になったら、一方で失うモノがある、っていう話をしたじゃない?それは別に手軽さだけとか、そういう事じゃなくて、何をしてもそれが真理なんじゃないかな、なんて思っているんだよ。もしかすると、否定的な意味に聞こえたかもしれないけど、私は全くそうは思っていない。と言って積極的に受け入れるわけでもなく、どうしたって仕方ない、真実だと思っているのね。
失ってイイもの、新たに創造してイイもの、その評価は人それぞれ千差万別だと思うんだよ。でも、何かを選び取った時に、何かが必ず失われている。可能性とかそういうの。それをちゃんと自覚しておきたいな、といつも思っているんだ。
昔、あるところで知り合ったお嬢さんが、私はどうにも嫌いだったのね。お綺麗な方だし、お嬢様だし、で他の人には人気があったんだけど、私はどうも、嫌いだったのね。その人は、何もかも手に入れて離さない人だったのね。お金も地位も遊びも仕事も全部、何から何まで自分のモノにしようとしている人だったんだ。
それは望みというか、願うのは勝手だけど、叶わぬ夢でもあると思うんだ。あまりイイ言葉ではないけれど、何処かで妥協しないと、結局は全部手放すことになる。私はそう思っていたから、あんまり好きじゃなかったんだよね。上を見るのはいいことだけど、ちゃんと何かを手に入れた時に、何かを失っているということを解った上で、願って欲しいな、と思っていたんだよね。
最近の世間の動向を見ても、そういうのを感じるんだよね。不景気で派遣切りだ、とかいって大量リストラする方もどうかと思うし、いきなり解雇されて不当だ、と言う輩も私はどうかと思うんだよ。お互い切実な問題だから無責任なことは言えないけど、準備は怠りなかったのか?と思うんだよね。
アメリカの自動車会社を公的に救う、救わない、って話もそうだと思うんだ。潰れ得かよ、と。不景気を言い訳に、何やっても許されるの?って。必死でがんばっている人たちだっているワケじゃない、この御時世で。そういう人から見れば、何様だよ、って気がすると思うんだよね。
結局ね、不景気って失うモノばっかりでなんのイイこともない、って思うかもしれないけど、世界は上手く出来ていてね、ここで得する人も必ずいるって事なんだよね。株価が暴落した時に、新規で株を買う人が増えたっていうじゃない?その後どうなったかは知らないけどさ。
何かを得た時には、必ず失うモノがあるということはサ、逆のことも言えるんだよ。失うことの中に、必ず得るモノがあるんだよ。そういうモノを探し回った方がいいと思うんだ。生活はキツくなるけど、きっと幸せがあるんじゃないかと、そういうのを探す生活にシフトした方が、私はイイと思うんだよ。こういう時だからこそ、見えやすくなっていることが山ほどあるんじゃないかと思うんだよ。派遣切りを率先している企業の物は買わない、とかそういうことでも好いからさ。
ただ、今得をしているのは、ここぞとばかりに与党を攻撃している、政権にしか興味のない政治家なんじゃないかと思うのがやりきれないんだけどね。お金の心配せずに、不幸を一番商品にしている奴らだからな。小沢に負けるな自民党(笑)。
まぁ、市井の私たちは、コレで良かったのかな?って考えるのが年末だと思うんだよ。そこで、ちょっと後悔をする。あぁ、あの時さ、ってね。それがね「やわらかい後悔」ってレベルなら、幸福なんじゃないかと思うんだ。私の経験上、コレを思い出す時、クリスマス前ならラッキー、クリスマスを過ぎて思い出すと、しまったって思う。何もかも奪ってやる!なんて言われたあげくに全部奪われて、思い出すことも、聴くこともできなかったこともあるからね。でも結局は全部取り戻したけど(笑)。そして今日、こうしてこの曲についてさ、話ができるのも、幸せなことなんじゃないかな、と思うわけです。
その大きな要因が、コレです。ハイ、またしても、ごめんなさい(笑)。
星に願いを2008(復活おめでとうバージョン) (←←←クリックしてね)
さて、件の嫌いなお嬢さんなんだけど、ハナから私のことなど相手にしてくれなかったから、どうでもいいんだけど、一度そのお嬢さんに言ったことがあるんだ。
「香川の東の方ではわからないけど、西の方ではクリスマスになるとね、うどん玉を送るんだよ。汁は自動販売機で缶に入って売ってあるからね」
愛媛にはポンジュースの蛇口がある、のと同じくらいのことと思う無かれ。努々思う無かれ。香川では結婚式でもうどん、葬式でもうどん、ちょっと小粋な紳士には、淑女たちはバレンタイン・デーにうどん玉を送るんだよ。
嘘だと思った方は、是非この暮れ・正月に、香川の方にいらして自分で確かめてみてください。
それでは今日はこの辺で、ご機嫌よう。