応援するよ、ハニー。無職も百日を越えると、日常も安定するモノで御座るな。当たり前、という物がなんであるか、価値観も逆転するで候。失業直後、何の準備もなく突然だったがためにまるで抜け殻のような、云ってよければ欲望の全くない日々が始まったので御座ったが、それも今はある程度のスケジュールと、ぼんやりとしたやることリスト、みたいなものに囲まれているで候。時間は前に進んでいるので御座るなぁ。
さて。
アタラシイノデケタデ。そうしないと更新もしない。いや、もうすでにブログというプラットホームは昨今レガシーツールに押し込められてしまって、なぜここを更新しなくてはいけないのか、という疑問も無いではないけれど、長文書くのは嫌いじゃないからね。ネタがあれば更新するよ。
結局、無職になってやることと云えば、エレクラ作業か、プラモぐらい。でもね、余談だけど、最近ちゃんと料理している。材料を買って、包丁で切って、煮て焼いて揚げて。ちゃんとネットでレシピも調べて、道具も揃えられる物は揃えて、調味料も用意して、レシピ通りに作る。その辺、感覚はプラモデルを作るのと同じ。説明に従って作れば、食べられるものが出来る。グルメじゃないので、出来れば満足、それよりは作っている間が楽しいのは、やはりそれもプラモデルと一緒。
その割に、今回この人生二度目の城プラモを作ってみると、ガンプラで培ったある程度のテクニックと、前職で得た見極めの妙とが相まって、プラモデルに関しては多少グルメ的な部分も出てきました。単純に、キレイに出来れば、というのではなく、手を抜くところは手を抜いて、拘らないところは曖昧にして、でも丁寧に作る。矛盾しているようで、これは作っているとわかる物。
そもそも、このキットは、前回姫路城を作ったときに、関連書籍を買って、その懸賞に応募したら当たって届いた、という曰く付きの?代物です。城プラモは金輪際作らないだろう、と思っていたのが、作らねばならなくなった(笑)。そういう経緯なので、キットが届いて約十三年間放置していたワケね。何度も作ろうとはしていたんだけど、特に熊本地震の時とかは今回のタイトルを掲げて発表したかったけど、それも結局スルー。ここ数年、必ず完成を目標に掲げていたけどそれも挫折。
でも、せっかく時間が出来たんだし、というのが作り始めた理由の一つ。
もう一つは、昨今のガンプラの状況が関わっている。前にも云ったと思うけど、コロナ以降、在宅で手軽に出来る趣味としてプラモデル製作、その入口として誰もが手に取りやすいキットとしてガンプラがブームになった。それはかねてからの世界規模でのブームも相まって、とにかく第一次ガンプラブーム並みに、品薄になってしまったのね。平たく言えば、好きなときに好きなガンプラのキットが買える、という状況では無くなってしまったのよ。
それは今も続いていて、買えるものを作れば好いじゃない、というのもあるんだけど、その状況自体がプラモデルを作る、という意欲をかなり萎ませてしまったんよね。でも、なんとなく作りたい、手指を動かしたい、という願望はあるので、それならば、とガンプラ卒業宣言、したわけよ。正確にはガンプラも買えるものが手に入ったら、作るけれど、それよりは別のジャンルのキットに手を出そう、と。そのうちの最初が、例の自作エフェクターで、プラモデルじゃないけど、設備資産は十二分に使える。そして、ちゃんとプラスチックに戻って、長年の懸念であったこいつを仕上げることにしたんだね。
先程も言ったように、この間プラモデル製作の一応のスキルは積み重ね、前職により塗装の頃合いというか、その辺も身に着け、関連本やDVDも多少は増え、何なら今回は熊本城の資料も揃えた。実際行こうか、時間あるし、とも思ったけど、復旧の邪魔をしても行けないし、無職だし、で断念した。とにかく機は熟した、前回よりはずっとキレイに出来上がるだろう、といざ製作開始。
確かに、丁寧に作るようになった。手先の微妙な加減というか、この辺でという頃合いはわかるようになっていた。でも、城プラはまだまだハードルは高かったね。最初の内は善いけれど、組み立てて行くにつれて、あっちが立てばこっちが立たず、という古いキットならではの不具合が出てくる。それを上手く扱ったり、修正したり、というところまではまだ私の腕はほど遠かった。
ただ、丁寧、と言ったのは、手を付けなかったわけではなく、修正してキレイにしようとしたが、腕が及ばず。また、何よりもスムーズな行程を望むタチなので、そのめんどくささが何よりの障壁だったんだけど、今回は、ちょっとしたタッチアップにも必要な器材を用意して、ちゃんと手を付けた、でも及ばなかった。
隙間は出来ているし、なんか見えちゃいけない部分がいっぱい見えている。でも、実際の熊本城は曇り一つ、埃一つない、というモノでは無く、もっと何というか、キットのようでは無く曖昧な部分があってこそ。色むらとか、そういうのは実際に目の当たりにするとけっこうある物なのよ。という言い訳で、かなりスルーしたけど、さっき云ったように、それではもう言い訳できないレベルで出来が悪い。
更に言い足すなら、木が少なすぎたな(笑)。もう何本かあっても好かった。草地表現や、その辺の汚しは、そこそこ出来ていると思うけど、なんかまだおざなりだなぁ。そういう所を上手く見せるスキルもあるハズなんだけどなぁ。やっぱりそこは、ブランク空けてちゃ身につかない物だろうね。
苦言ばかり上げたけれど、実際はその「丁寧」の部分が、面白かったし、好いリハビリになった。さっきも言ったような虚無の時間からの復活は、このプラモデル作業、この城プラに向き合ったことが多大な貢献をした。ガンプラ卒業宣言、と言いながら、UC関連はやはり作りたいのでキットを買い、ついでに、戦車だ艦船だクルマだ、と作ったことのないジャンルのキットも買うようになり、それがかなりのモチベーションになった。それもこれも、この熊本城が私の背中を押した、と言っても過言ではないんだよね。
ちなみに、このキットは古い金型を使っているので、私が上げた苦言のほとんどはそこに原因がある。最近新たに発売された城プラはその辺は改善されているらしく、そうしたらもっとキレイに出来上がるかもしれない。実はガンプラも、今の接着剤がいらないHGに慣れているけれど、それ以前のいわゆるモナカキットは、同じ様な不具合が出てくる。実際、イングラムを作った後に手を付けた、昔のキットは似たような物よ。それでまた、作りかけで置いてあるんだよね(笑)。
今、意欲のほとんどが料理と、プラモデルに向いている。どちらも似たような感覚で取り組めるし、どちらも初めて手を付けることが目白押し。だから面白くなってきている。その余波か、エレクラの方もずっと昔の、最も熱を入れて曲作りをしていた頃を思い出す感覚が、時々表れている。その辺は、ベクトルが違うのでハッキリとは言えないけど、それもまた旧作のバージョン違いを作っていて、よみがえった感覚でもある。いずれにしろ、新しいことに手を出している、歩いたことのない道を散策しているけれど、そのルーツは背後に連なる長い長いデコボコ道にあった、ということなんだね。
なんてね、さてでも次は何を作ろうか、って云ってみました。予定ではまた自作エフェクターを作ることにしていたんですけど、せっかくプラモが面白くなってきたのでね。そんな折、やっとこの(仮)の部品が再販されまして、すぐさま手に入れました。こいつもずっと懸念だったんですから、早く本当の完成にしたいものです。これ、たった一個の部品だよ、それをなくしただけで三年待たされたんだからね、ってコトで。
それでは今日はこの辺で、ごきげんよう