怒濤のレコーディングウィークも、今日で終わり。本日作業が全て完了した。しかし、完成ではない。実は一番最後に大事な作業が待っているんだよ。
今日は昼からバチっと、取りかかろうと思ったんだけど、毎週土曜日の超マニアックな番組「囲碁・将棋ジャーナル」を見てしまったんだな。何たって今日のゲストは依田紀基と羽生善治。囲碁、将棋界の中堅王者。今一番頂点に立っているお二人。私は囲碁も将棋もなんとなくしか解らないが、折に触れて見ていると、なんとなく流れというか、状況は解ってくる。このレコーディングウィークの最中に、将棋竜王戦の第七局があったじゃない。その中継はAV止めてちゃんと見ていたんだよ。
その竜王戦。渡辺竜王と羽生挑戦者、いずれが勝っても永世の称号がもらえるってんで、NHKは強力に中継していたんだけど、結局時間内には収まらず、深夜のダイジェストで渡辺竜王の防衛、そして永世竜王の称号が決定したことを伝えたんだよね。私もドキドキしながらそれ見てた。
そんな重要な対局の後に、負けた方の羽生さんを呼ぶなんざ、NHKもイキなことをするよ。しかも、自戦を解説するんだよね。コレはもう見なきゃ、と思ってさ。
将棋って端から見ていると退屈なんだけど、やってる本人は白熱していてさ。それで、いつもは勝った方が注目されるじゃない?記者会見とか、新聞とかにも大きく載るし。でも、あそこまで戦って負けた方の話っていうのは、ある意味興味深いと思うんだよ。自分で自分のドコが悪かったのかを、棋士の人はちゃんと冷静に分析しているんだよね。
まぁ、何か精神論とか、そういうのは別の番組になるんだろうけど、負けた方の解説っていうのはなかなかおもしろかったよ。解説していることは、詳しくは解らないんだけどね。
なんて事をネ、やってからいよいよ、取りかかったのさ。昨日のうちに編集作業は終えておいた。しっかり残業したよ。それで、今日はモニターにずらっと並んだフェーダーを、あちこちいじくり回すわけだ。
以前、私が使っているDAWのソフトSONARの話はしたんだけど、私はバージョン4で止まっているんだよね。初めて買った時は2.1XLだったけど、ちゃんと4にはバージョンアップしたんだよ。でも、4から上位へはしていない。それは前にも言ったように、上位に欲しい機能がないんだよね。今のままで満足しているんだよ。
でも、2.1から4へのバージョンアップは、私にとっては絶対だった。なぜなら、このミックス、っていう作業の時に4は最高に使い勝手がイイからなんだ。
何がって、最終的な音を出すのに、BUSっていうフェーダーを立ち上げるんだけど、コレが2.1では4つまでしか付いていなかったのね。それが4では無限に増設出来るんだよ。コレはもう、私にとってはまさに、痒いところに手が届く機能でね。
というのも、例えばドラムなんかだと、パーツ毎にトラックを立ち上げるんだ。それでミキサーで音量のバランスやら、左右の振り分けを設定するんだけど、以前はそこから直でマスターのフェーダーに送っていた。というか、送れなかったのね。それが、4からはここにドラム全体の音量を決めるフェーダーが追加出来るんだよ。そこに送って、また別に、複数あるギターもまとめて、また新たなフェーダーを作って、っていう感じで、どんどんルーティングしていくんだよ。
簡単にいうとね、パソコンでいうフォルダとディレクトリの関係みたいなもので、ツリー状に音源がぶら下がっていて、最終的な音決め、バランスを取るのに少ないフェーダーを操作すれば済む、って事なんだ。コレはね、音源が増えれば増えるほど、とても有効で、特にエフェクトをかける時なんか、本当に重宝するんだよね。
そんな感じでね、サクサク作業ができる環境にはあるんだけど、実はミックスっていうのは、出てくる音を決める作業だから、神経使うのよ。こちらが聞かせたい音があって、でも、それをまとめると他が聞きづらくなったり、全体の印象が変わってしまう。そこを駆け引きしながら、最終的に妥協案を練るわけだよ(笑)。聞かせたい音が一番前にいて、他はその盛り上げ役に徹する。音に対してそういう役割付けをしてやるんだよ。
まぁ、現実相手が人間でも、そういうのって気を遣うじゃない?それと同じようなところがあるね。自分が弾いたギターの音なんかを、後ろに下げるのは納得出来るんだけど、例えば他に頼んだ人の音を下げるのは、骨が折れる。まぁ、そこはそれ、信頼関係というか、繋がりが大事になってくるんだけどね。
私の場合、昔から、ボーカルとドラム。コレが基本になっているのね。ボーカルは誰に聴かせても、一番最初に耳に飛び込んでくる音だし、ドラムはこの音の出方如何で、曲全体の元気さというか、雰囲気が変わってくるんだよね。経験上、私はそのポイントを修得することができたんだ。昔の機材だと、このイコライザーのここ、って言うのがあったんだけどね。そこさえ動かしておいてやればOKみたいな。
最終的にバランスが取れて、全体を聴いてみると、なんだか懐かしかったというか。あぁ、エレクラだな、って思った。私も姫も、ぜんぜんまだ勘を取り戻せてないからさ、いきなりド頭で姫は音外しちゃっているし、ドコで拾ったんだかガリガリバリバリいうノイズは入っているし。でも、それが素人っていうか、アマチュアの大胆さでさ。コレで私たちが気持ちいいんだから、ってとこで済ませられるんだよね。めんどくさがりだし。
以前ならもっとイイ感じで録れた、とは思うよ。でも、まぁ、今回は復活の肩慣らしだからさ、あんまり小さいことにこだわるより、復活した、レコーディングした、一曲完成させた、って事の方が大事なんだ。コレは、あくまでも私個人、エレクラのパーソナルな話なんだけどね。そういう曲なんだよ。
で、一応作業が完了して、WAVEに書きだして、CDに焼いたり、mp3にしてアップしたりするんだけど、そこまではひとまず済ませた。
でも、最終確認をしないといけないんだよ。それは車で走りながら聞いてみることなんだ。
作業は全編ヘッドフォンで行っている。最終的には、例のEDIROLのスピーカーから出してみるんだけど、それぞれ癖があるから、どちらとも言えないんだ。そこで、また妥協点を探して調整するんだけど。そこから本当は、いろんなスピーカーから出してみるというのが大事なんだよね。
でも、私の場合、今音が出るものといえば、ヘッドフォンかそのパソコンのスピーカーぐらいしかないわけで、部屋の中だしそれほど大音量でも聴けないんだよね。だから一度車で聴いてみるんだ。まぁ、確認だから、そこから大きく変更、って事はないんだけど、何かあるかもしれないからね。その確認だけは、ちゃんとしておこうと思って。
昔なら、作業の翌日、仕事の行き帰りにできたんだけど、今はずっと部屋に引きこもっているじゃない?だから、久しぶりに深夜のドライブを決め込んでみようと思っているんだ。そこからまた作業になるのか、完成ということになるのかは解らないけど、少なくとも明日、このブログで復活第一作目をご紹介出来ると思うよ。
ま、やれやれ一安心。コレで、大きな山は越えたからね。ホッとしています。深夜のドライブっていうのもね、ずっと同じ曲を何回も何回も聴いていた憂さ晴らし、っていうのもあるのさ。
エレクラにとって、この復活作は、大きな意味があると思うんだ。それはさっきも言ったけど、完成した音そのものではないけど、未だにエレクラ健在、って事が示せるのが何ともうれしいんだよね。
自分のことなんだけど、やっぱり私はエレクラが好きなんだな、と思うよ。
それでは今日はこの辺で、ご機嫌よう。