男一匹…リングに賭けた | 珈琲にハチミツ

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ゼロワンは崩壊した。なんともあっけなく。

橋本が欠場してからわずか3ヶ月のことであった。その間団体内部で燻っていた橋本不信が取り返しのつかない形で表面化してしまい、結果的に大谷らと袂を別つ格好で一人ぼっちになってしまった。さらにリングや練習機材、試合用設備一式もZERO-ONE MAXに譲渡と…何もかも失ってしまった橋本。あと残ったものといえば巨額の負債である。

天下取りならず。そういえば橋本はよく「天下」という言葉を好んでいたが、長州力もこの言葉を使ったことがある。「…永田!よく上がってきたな!天下を取り損ねた男がよく上がってきた!※以下略)」プロレス界においての天下とは何なのか?時々考えさせられる。ゼロワン設立当初に橋本はプロレスの真の復権を掲げたり、OH砲結成時は世直しを表明したりと、とにかくスケールの大きな話が良く似合っていた。

だが「今まで通り、テーピングを巻いて試合をすることはできるんです。でも自分はそこに価値を見出せなくなった。」と自身は会見で語っていたとうり欠場前の橋本にはもはや力なく、実際問題欠場後に即・手術という訳にもいかなかった。それは検査の結果に判明したのだが、橋本の肩はすでに4本の腱全てが切れおり、もし手術に失敗すればそれこそ選手生命が完全に絶たれてしまうという、躊躇するにはじゅうぶん過ぎる理由がそこにあったのだ。

橋本が言わんとする天命はやってこないのか…活動停止会見以降、橋本は表舞台から姿を消すことになる。

一方で、蝶野正洋があれこれと画策して橋本をリングへ上げようしていた新日本プロレスは、いよいよ混沌の極みを迎えようとしていた。いわゆる暗黒時代の到来である。ブッカー上井文彦の突然の退社、オーナー・アントニオ猪木の度重なる介入による現場の混乱など。ただせさえ健介、天龍、みのる、藤田ら外敵勢が闊歩する最前線に長州力、小川直也の投入とまさにカオスの様相を呈していた。
(その混乱の最中、新世代のトップ格であった柴田勝頼は何一つ打開策を講じず、結果も残さずただ不平不満をぶち撒けたまんま団体を去るという悪例を残す。)

話を戻すと、マット界と一定の距離をとりながらも、12月に入り橋本は主演映画「あゝ!一軒家プロレス」の舞台挨拶や盟友・小笠原和彦の道場開きなどに顔を出し橋本らしい明るい笑顔をみせていた。

そして同月の10日、いよいよ右肩の手術に踏み切った橋本は約9時間にわたる大手術を見事に乗り越えた。これでリングへの道が開けた。橋本の周りは真っ暗闇かもしれないが、リングへの向かう一本道には一筋の光明が差し込んでいるはずだ…


年が明けて2005年、プロレス関係者各位に橋本から復活宣言が届けれた。

「初心に戻り、必ず復活します。」

プロレスラー 橋本真也



続く