鶏立つ | 珈琲にハチミツ

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ハッスル2の対ガファリ戦。花道の途中で小川はオープンフィンガーグローブを観客席へ放り投げた!

この行動は99年UFO旗揚げ以来慣れ親しんできたファイティングマシーンスタイルとの決別を意味した。どよめく観衆。どうやらハッスルの小川は一味違うと見た。ところがこの小川のスタイルチェンジがちっぽけなものと思える程に人生観を180度変えてきた男が会場に現れた。そう、あの日雇いのボーイにチキンの食いカスを届けさせた総統のお姿が初公開される。
バルコニーに現れただけで会場の雰囲気を一変させてしまった高田総統。ついにハッスルの真打登場である。
※山口日昇いわく天井からつららが降るんじゃないかと思うほど会場が凍りついた。

ひとしきり演説をうち、姿をくらますと今度は屈強なモンスター軍がリングへ次々と雪崩れ込み、急遽6人掛けを強いられる羽目になった小川は怯むことなくSTOの乱れ打ちと大立ち回りを演じる。
やはり多勢に無勢か、懸命に抵抗するも徐々にモンスターの圧力に屈する小川。最終的にコーナーポスト逆さ吊りの刑に処され、またしても醜態を晒してしまう。
ここで小川を救出すべく橋本が駆けつける。
が、時すでに遅し。ボロ雑巾のように叩きのめされた小川はすでに虫の息。高田モンスター軍は意気揚々と引き揚げた後であった。
高田総統の悪行三昧に怒りを爆発させる橋本。
次回こそ雪辱を誓う小川。そしてハッスルポーズで締め!

…後日、都内某所にて会見を開いた小川。何やら高田総統からビデオレターが送られてきたという。その安っぽい仕掛けとは裏腹に、テープには高田総統からの驚愕のメッセージが収録されていた!
「来る4月25日、バーリトゥード世界最高峰のステージPRIDEグランプリが開催されると聞いている。おいチキン!これで逃げたら君のハッスル出場資格は永久にない‼︎ビビったか!たじろいだか!…決断を待つ。」
「ハッスル出る為なら、PRIDEグランプリだろうが、コイツの要望通り何でも要求飲み込んでやります。」

2000年の佐竹雅昭戦以来頑なにバーリトゥード戦を拒み続けていた小川がいよいよ重い腰を上げる。これは一つの事件だ。

マット界でどの団体よりも集客力を誇り、フジテレビのゴールデンタイムで中継されるPRIDEは、一途にハッスルを世間に広めたい小川にとって大変魅力的な舞台であった。またハッスルを通じ、グランプリの目玉として小川のPRIDE復帰への道筋をどうにかして作りたかったDSEの思惑も絡んでいた。

…こうした微妙な裏事情があろうがなかろうが、プロレスファンの立場からはチキンハートと陰口をたたかれながら未だ日本人最強を目される小川がPRIDEに立つことにはなんら異論はなかった。大晦日興行戦争の残状と、年が明けてからは元全日本の猛者であるスティーブ・ウィリアムスがアレクセイ・イグナショフからKO負けを喫していることから、相変わらず格闘技側から食いものにされつづけているプロレスの状況に不満は溜まりに溜まっていたのだ。



とにかく賽は投げられた。PRIDEグランプリにエントリーされた小川、バーリトゥードに臨むかぎりは勝つしかない。


続く