2004年1月4日、新日本プロレスではIWGPを奪還した若獅子中邑真輔がK-1へのリベンジと新日本威信復活を賭けた対外敵路線の開戦を誓った。その同日、皮肉にもOH砲は本来彼らが得意としていたハズの新日本のそれとは全く別のベクトルで、まことに思い切った新たなる戦いをスタートさせた。
メイン前のアンダーカードは、
橋本対ベイダー
川田対マーク・コールマン
と、興味深い組み合わせが実現している。
ハッスルがここに至るまで前年から積み上げてきた勧善懲悪の図式。プロレスを舐めきっているDSEもとい高田統括本部長に対抗するOH。とはいえメインで注目すべきは勝敗であった。小川が勝てばハッスルは打上げ花火で終了するだろう。また負ければ何かしらのかたちでネクストが提示されるのではないだろうか。といった展開が予想できる。
実際問題、試合は終始ぎこちないものとなった。暴走王と呼ばれた小川と全米を席巻したゴールドバーグはともに持ち味を発揮することなく両者探り探りにただ試合が進行していくといったトホホな印象。それに輪をかけて緊張感のない実況席と、見る者を退屈させるには充分すぎる状況が出来上がっており、特にこれといった見せ場もなく時間だけが淡々と過ぎていく。
狸寝入りを決め込む島田レフリー。この疑惑のレフリングが最後まで尾を引き小川はあっさりと高田軍の軍門に下る。ジャイアント・シルバの介入で深い(?)ダメージを負った小川は伝家の宝刀ジャックハマーを浴びて3カウントを聞く。
よしよし。とゴールドバーグを称える悪徳マネージャー風の高田。ここで高田目掛けて花道より全力疾走する男が!
よしよし。とゴールドバーグを称える悪徳マネージャー風の高田。ここで高田目掛けて花道より全力疾走する男が!
そして「ハッスルから逃げんなよ!」と高田の挑発を皮切りに再びOHのお家芸ともいえる乱闘騒ぎに。この試合のハイライトはここにあった。小川はドサクサに紛れて高田を払腰で叩きつけ、あれよあれよと揉みくちゃにされる高田。
橋本「ハッスルするぞー!」
小川「オーッ!」
会場「……」
二人の掛け声と同時に花火が上がり、かくして半ば強引にネクストが提示される格好でハッスル1は幕を閉じた。
…結果ハッスルの全貌はとんでもない茶番であった。が何か新しいものが始まるのか?という類の期待感もほんのちょっぴり抱かせてもらった。それは高田が想像以上に体を張っていたとう点に尽きる。結局アレの焼き増しと言われた第一次W-1との大きな違いはここだ。
もしかすると高田は本気なのかもしれない。しかしゼロワンがDSEの傘下に入ってしまったのかという不安も拭いきれないのも事実。様々な憶測が飛び交いながらも…とにかくハッスルは続いていく。
続く