12月で保険証が廃止になるのでマイナンバーカードは必ずつくらないといけないのでしょうか? |     おび内科・漢方クリニックのブログ

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       鎌倉で内科、漢方、胃カメラ、大腸カメラのクリニックをしています。診療の合間につれづれなることを発信していきます。

おびクリニュース2024年7月号を転載いたします。

 

Q.12月で保険証が廃止になるのでマイナンバーカードは必ずつくらないといけないのでしょうか?

 

A.2024年12月2日から保険証の新規発行が停止されることが決まっていますが、マイナンバーカード(以下マイナカードと表記します)がなくても当面のあいだ、診察は受けられます。「マイナカード無し」の場合、以下の方法が認められています。

 

①現行の健康保険証(有効期間内で最長2025年12月1日まで使用可能)

 

②資格確認書(マイナ保険証がない方には保険証の有効期間が切れる前に送付される予定)。現行の健康保険証も有効期間内であれば2025年の121日までは使用可能です保険証の有効期間が切れる前に「資格確認書」が送られてくることになっていますので、多くの方は今お持ちの保険証を、そのまま使用するか、送られてくる資格確認書で2024年の122日以降も受診されることになると思います。

 

マイナカードが便利だとお考えになる方は、ぜひご利用頂くとよいと思いますが、私は不便を感じています。

 

なぜかというと、紛失すると再発行が大変だからです。

 

まず、警察に遺失届けを出します。

 

警察で受理番号をもらいます。

 

その受理番号と本人確認資料(運転免許証、パスポートなど)を揃え、市役所でマイナカードの交付申請書を発行申請します(手数料1000円)。

 

そして、新しいカードの受け取りまで約1か月かかります。

 

その場で再発行とはいきません。

 

夏の旅行にマイナカードを持って行ったが、旅先で紛失してしまうと、そのあと1か月はマイナカードが手元にない状態です。

 

受診の時はどうしたらいいのでしょうか。

 

なんと、デジタル庁は準備ができていないと回答しています。

 

 

 

「紛失など例外的な事情により、手元にマイナンバーカードがない方々が保険診療等を受ける際の手続きについては、今後、関係府省と、別途検討を進めてまいります(2024年7月20日)」。

 

唖然としました。

 

保険証廃止を心配している国民の気持ちが全然わかってないことが伝わってきます。

 

 

マイナカードと保険証を紐づければ全国民がマイナカードを所持することになるので、政府はこの方法で一気に普及させようと考えたのですが、紛失時の対応は検討中という未完成な状態です。

 

それ以外にも、情報管理の不備やシステム障害などで積極的に使用する気になれない事案が多く発生しています。

 

合理的に考えて頻繁に情報が変更される健康保険証をマイナカードと紐づけることはハードルが高い作業です。

 

もし、紐づけるなら、情報変更の必要がない、大学、高校の卒業証書、国家資格、民間資格の証書などをマイナカード化して、そのあとで徐々に健康保険証へと移行していれば、利用が広がったかもしれません。

 

また、使用率を上げるには、マイナ保険証を使用すると、患者さんが紐づけた銀行口座に毎回お金がいくらかキャッシュバックされるようにすれば、利用者は一気に増えるはずですが、なぜか政府はマイナカード利用率が多い病院と薬局に報奨金を支給する選択をしました。

 

しかし、効果がないので、さらに報奨金を増額しましたが、利用者の目線が欠けた対策を打ち続け、無駄に税金を浪費していると言ったら失礼でしょうか。

 

そもそも、取得が任意であったマイナカードを、嫌がる人にもなし崩し的に取得させようと考えた人達の下心に、払拭できない嫌悪感を抱いてしまった方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

一番不憫なのはマイナカードかもしれません。

 

誰かのせいで国民から疎まれる存在になってしまいました。

 

かわいそうなマイナちゃん。

 

気の毒でなりません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。