ダイヤモンドのお値段~それぞれの立場から | 宝石★Wonderland

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こんにちは。

 

 

 

 

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

本当なら今頃、三寒四温などと言って

寒い寒い冬日の中にあって時折の暖かい一日が、

春の訪れを少しずつ感じさせる頃なのですが

 

今年は「今日は寒いわね」といったところで

真冬の寒さとは格段に違うぬるめの寒さ。

 

真冬のダウンコートはもう必要ないかもしれませんね。

 

 

どんどん季節が進んでしまって、その分余計に時間の過ぎるのが早く感じてしまいます。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、2月という、少し中途半端なひとつきでありましたけれど

気分はもう春、後戻りはできそうもありませんね。

 

 

コロナを警戒しながらも、徐々におしゃれを楽しむ気配がしてきました。

 

ジュエリーを身に着けて思い切りお出かけを楽しめる日は

そんなに遠くないかもしれませんね。

 

 

(といっても、今まだ緊急事態宣言の眞中です。

 

はめをはずしてはいけませんね。 自粛、自粛。)

 

 

 

 

 

 

今日はダイヤのお値段についてお話ししようと思います。

 

 

ダイヤのお値段について語るとなると、

かなり大風呂敷を広げたことになるのですが、

 

私はジュエリーを仕立てる立場なので、その経験内での小さな範囲のお話にとどめます。

 

 

 

私は、大きくて0.7~8カラット前後くらいのを、

小さいものだと1/100カラットくらいのダイヤモンドを主に購入します。

直径でいえば1.5ミリくらいから5ミリ前後といったものになります。

 

 

どこで買うかというと、ダイヤモンドの卸店で買うことが多いです。

いつも同じお店に行くので、電話で注文することもあります。

 

 

卸店というのは、いわゆる問屋さんですね。

業者でなければ取引してもらうことができません。

 

基本、卸店は一般の方には販売しないのですが、

業者に卸す時とは別の「上代」で一般販売してくれるお店もあります。

 

でも、小さな声で言いますが、

上記は建前であり、

今時は意外とどなたに対しても卸販売してくれる事もあるようです。

そこはお店によってお考えが様々なので

あくまでも”一般向けの販売”は”例外”と思ってくださいね。

 

 

 

 

私はメレダイヤ(0.1カラット以下の小粒の石)をたびたび購入します。

 

 

買い方は、こうなっています。

 

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メレダイヤの大きさは、石枠の大きさに合わせて

1.3ミリとか、1.75ミリとか、直径で考えます。

 

ダイヤはラウンドのブリリアンカットという形状が定番になっていて、

この形状で規格が出来上がっています。

ショップでは、直径でも、カラットでも、1000分率でも対応してくれますが、いずれもラウンドのブリリアンカットが前提の話になります。

 

 

必要な石の大きさとその数をメモしてショップへ行きます。

実際に留めつける枠を持っていくこともあります。

 

 

 

ショップでは、同じ大きさの石でもランクがいろいろあって

2万円くらいから7万円くらいまでをよく見かけます。

 

 

例えば、4万円のメレダイヤ、とはどういうことかというと、、、

 

よく、「ガイの4万の石」という言い方をするのですがその意味は、

 

一つ一つの石はとっても小粒で、カラットに換算すると

直径1~2ミリの石は一粒がそれぞれ0.005~0.03カラットぐらいです。

小粒石をたくさん集めて合計して1カラットにした場合の金額が

「ガイの〇〇円」といわれる金額になります。

 

(カラット=ct ・・・重さの単位、 1ct=0.28g)

 

 

ガイで4万のダイヤで1.5ミリを10個と、1.2ミリを20個・・・みたいな買い方をするので、実はダイヤモンドははかり売りともいえますよね。

最終的に全部をはかりに乗せて、正確な重量を出して、

ガイの金額で計算するのです。

 

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すると、

「1カラットのダイヤが、安ければ卸価格2~3万円で買えるってこと?」

 

と思われるかもしれませんが、

実はそれも違っていて、

今までのお話はメレダイヤに限った販売形式です。

ある程度の大きさがある石は、別の価格体系で販売されます。

 

その説明をするためには「4つのC」という、

ダイヤ販売につきものの定番の説明をしなくてはいけませんので、

ここではその話は致しません。

 

 

 

メレダイヤとは、0.1カラット未満の小粒石のこと。

 

ジュエリーのメイン石の周りを飾る脇石に使われます。

 

メイン石と脇石は、例えて言えば、

舞台の主役とわき役、

歌手とバックコーラス、

第一バイオリンと第二バイオリン、

おかずと漬物

   ・・・・のような関係ですね。

 

 

舞台でもドラマでも、主演が名演技を披露してもわき役が大根だと、

全体が白けてしまいますものね。

 

わき役ってほんと大事なんです。

 

 

例えば、

メインに高価なルビーが入るとすると、脇のダイヤもそれに合わせてクリアーに輝くはっきりした粒のものを入れたいですし、

個性的なカンテラのオパールを取り巻く場合は、ふわっとした明るさを出すように小粒のダイヤをちりばめたいと私は考えます。

 

そうやってメレダイヤも、目的に合わせて大きさと金額を決めていくのです。

 

 

 

 

さあ、これをお読みの方の中には

すでに計算機をたたいていらっしゃる方もおられることでしょう。

 

そろそろお気づきかもしれませんが、

 

「ダイヤモンドはお小遣い程度から買えるのね。」

 

 

はい。

 

その通りです。

 

 

 

卸店では一粒、数百円からお求めいただけます。

 

実際、ショップに数百円のダイヤを1個だけ買いに行くこともあります。

パヴェで留めてたらちょっと隙間が空きそうになったり、計算違いで足りなかったり。

・・・やってるといろいろあるのです。

 

 

 

でもどうぞ、

「業者、業者って、あんたたち、暴利をむさぼってんじゃねーよ!!」

 

とお怒り召されませぬよう。

 

 

 

 

 

一粒数百円のダイヤの小石ですが、

留め代というのがかかります。

 

宝石を台に留めつけるのは最も気を遣う技術の一つで

職人が、磨いた技術と特別な道具をもってして

初めてジュエリーになるのです。

 

その職人の経験と技術そのものが留め代となるので、

決してお安く見積もってはいけない部分です。

 

とはいえ、職人がダイヤ一粒留めるために何万円も請求するわけでもありませんが。

 

 

かくして、一粒数百円のメレダイヤは

加工が済んでびっしりパヴェののったジュエリーとなったころには数万円~数百万円の価値の商品となります。

 

 

 

 

どうかどうか、「ジュエリー、たっけ~!いみわかんない!」と言わず、

美しいものを作る労働者への正当な対価として

ジュエリーに気持ちよくお支払いをしていただければと思っております。ウインク