ジャン・コクトー版《美女と野獣》最終回 | 宝石★Wonderland

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こんにちは。

 

 

 

 

お寒い一日でしたがいかがお過ごしでしたか?

 

 

 

今日は昼でもコートの襟をきゅっと締めて歩くような、

そんな冷たい風が吹いていました。

都心の人影も、最近の休日より気持ち少なめ、

電車も余裕で座れるくらいでした。

 

 

私もできる限り人混みに出ないようにと思うのですが、

今年前半にできなかった仕事を片づけるために

10~12月にスケジュールを多めに組んでしまい、

困ったなあ、と思いながら外出をしています。

 

当然、マスクに消毒、密はできるだけ避け、無駄話もせず、

用が終わり次第さっさと帰宅、というようにしていますが。

 

しっかり用心しながら、感染ピークが収束することを願うばかりです。

 

 

では、美女と野獣・コクトー版の続きです。

本日最終話です。

どうぞお読みください。

 

 

 

 

 

 

《美女と野獣・コクトー版 ③》

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ベルの帰宅で、病気の父親の容態は次第に回復していきました。

 

しかし豪華な衣装を着たベルを見た2人の姉たちは、野獣の館で贅沢な暮らしをしていることを妬み、意地悪を画策します。

ベルが1週間以内に野獣の館へ帰らねばならぬことを知りながら、何かと優しい言葉をかけて滞在を引き延ばします。

そしてベルが野獣から預かった金の鍵を盗み出してしまいました。

 

一方、兄のリュドヴィクとアヴナンは、その姉たちに協力して野獣を退治しようと考えます。

そのころ野獣は、なかなか帰らぬベルを心配して馬のマニフィスをベルの家へ差し向けるのですが、リュドヴィクとアヴナンが丁度それを見つけ、そのまま馬に乗って野獣の館へ向かってしまいました。

 

一日毎に館への帰りを引き延ばしていたベルはさすがに野獣のことが心配になり魔法の鏡で見てみました。

すると鏡の中に寂しそうな野獣の顔が映り、次の瞬間、鏡が砕けてしまいます。

ベルは驚いて野獣との最後の約束を思い出し、その時初めてダイアナ神殿の金の鍵が見当たらないことに気付きます。

そして大変な事をしてしまったと慌てて魔法の手袋を使って野獣の館へ引き返しました。

 

そのころ野獣の館ではリュドヴィクとアヴナンがダイアナの神殿を見つけていました。

ダイアナの神殿にはダイアナの像とたくさんの金銀財宝がきらびやかに光っているのが見えます。

どうやら姉たちが盗み出した金の鍵で、この神殿に入り込めそうだと考えるのですが、きっと罠であろうと疑ったリュドヴィクは、天井のガラス窓を割って忍び込むことにしました。

 

2人がダイアナの神殿によじ登っている頃、ベルは館で野獣を探し回ります。

庭園の泉のそばで横たわった野獣を見つけた頃には、野獣はすでに瀕死の状態、ベルに抱かれてとうとう息を引き取ってしまいました。

 

その時、ダイアナの神殿の天窓を壊し天井から忍びこもうとしたアヴナンは、ダイアナの矢に打ち抜かれ神殿の中で野獣の姿に変えられてしまいました。

 

すると、ベルの傍らで死んだはずの野獣は、みるみるうちに美しい王子の姿で生き返ります。

驚くベルに王子は言いました。

「自分はアーデント王子である。

精霊の存在を信じなかった父親に怒った魔女が、自分を野獣に変えてしまったのだ。

ベル、いますぐ王国へ行って結婚しよう。

父親も一緒にそこで暮らすのだ。

そして姉たちには結婚式のガウンの裾を持たせよう。」

そう言って、二人はアーデント王子の国へ飛び立って行くのでした。 

 

 

 

 

 

 

《おしまい》

 

 

 

 

 

映像では、最初から最後までエレガントと言う言葉がぴったりでしたが、ストーリーは恐ろしくメルヘンチックです。

 

前半はアヴナンたちの借金の証書が出てきたり、妙に実務的な場面があるのですが、王国の話や飛び立つシーンなどはボヤッと霧が掛かったような曖昧さがあって、このアンバランスさが「時代」ものを感じさせるように思います。

 

そして、ディズニー版とのストーリーの違いも興味深くありませんか?

 

理詰めで間違いの無いストーリー展開を求められる現代ものより、このくらい曖昧さの残る筋書きでも良いんだなあ、なんて思いました。

 

 

 

 

長らくお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

次回からもまた、お楽しみください。