パナソニックは17日、温室効果ガスの排出が問題となっているアブラヤシの廃材を活用した家具の製造・販売を、大塚家具など14社と共同して4月から開始すると発表した。パナソニックが独自開発したアブラヤシの廃材を木質ボードに加工する技術を使っており、まずは事業検証として生産量を限定して開始し、将来的には建材などへの活用も検討する。
アブラヤシは、果実からマーガリンやせっけんの原料として使われるパーム油が採れることから、東南アジアを中心に毎年大量の廃材が発生している。その多くは放置され、腐敗が進む過程でメタンガスなどの温室効果ガスを排出し、問題になっている。
パナソニックは持続可能な開発目標(SDGs)への貢献の一環として、アブラヤシの廃材から木質ボード用の中間材をつくる技術を開発していた。
家具はフランスベッドなどが製造し、大塚家具と東京インテリアが販売を行う。フランスベッドでは、ベッドフレームの約40%を廃材から再生した木質ボードを使用し、ベッド1台あたり500ミリリットルのペットボトル約5740本分の二酸化炭素削減効果があるという。また、輸入木材の不足で価格が高騰する「ウッドショック」の影響を軽減する効果も期待される。
パナソニックハウジングシステム事業部の足立真治氏は「調達先のマレーシアでは年間4500万トンの廃材が出ている。建築材料などへの活用も検討し、事業領域拡大につなげたい」と話している。