コーヒーやジュースなどの清涼飲料市場が縮小している。2020年の清涼飲料の生産量は2年連続のマイナスだった。少子高齢化や健康志向の高まりに加え、コロナ禍で外出機会が少なくなり、主要な販売経路である自動販売機の利用が減ったことが大きい。自販機の数が減少していることも影響した。飲料各社は新商品の投入でてこ入れを進めている。
■◆2年連続減
全国清涼飲料連合会によると、20年の清涼飲料生産量は前年比4・9%減の2157万キロ・リットルだった。オフィスなどで飲まれることが多い缶コーヒーや、小型のペットボトル飲料の落ち込みが大きかった。
コロナ禍で在宅勤務や外出自粛が広がり、オフィスや観光地で自販機を利用する機会が減ったことが打撃となった。
飲料総研の調査では、清涼飲料の販売経路のうち、19年時点で自販機は全体の約3割を占め、スーパーに次いで2番目に多い。食料品などの購入でスーパーに足を向ける人はコロナ禍でも大きく減らなかったが、自販機には逆風となった。
自販機は保守・管理や商品の補充などにあたる人手の不足で数を維持するのが難しくなっている。ネット通販が普及し、購入手段が多様化していることもマイナスだ。日本自動販売システム機械工業会によると、20年の清涼飲料自販機は202万台で、13年に比べて約1割減った。