午後9時まで」緩和に期待
首都圏4都県の緊急事態宣言が期限の21日で解除される見通しとなった。新型コロナウイルス感染拡大で宣言が再発令されて約2か月半。長引く苦境にあえぐ飲食や観光の現場からは、客足回復への期待とともに感染再拡大への不安が漏れた。保健所の関係者も「全く油断できない」と気を引き締めた。
■■1時間延長
「来週以降、お客が少しずつでも戻ってくれればいいが……」。東京・上野の居酒屋「的場屋 上野アメ横店」の店主、島田健一さん(53)は17日午後7時半前、この日最後の客を見送ると、祈るように言った。
都の要請で営業は「午後8時まで」で、売り上げは例年の3分の1に落ち込み、閉店時間前に客がいなくなる日もある。宣言解除後は「午後9時まで」に緩和される。「1時間長く店を開けられれば、サラリーマンも足を運びやすくなるのでは」と期待する。
店では、客は1組4人までとし、50席から35席に減らして間隔を確保する。周囲には、要請に応じず深夜まで営業する店もあるが、「感染者が出れば、客足が遠のく。感染のリバウンド(再拡大)も心配される今、対策を緩めるわけにはいかない」と力を込めた。