本人(百姓)が高齢になり、
息子たち(団塊の世代)もサラリーマンを選択し、
頑張って、それなりの生活基盤を築いて、
定年を迎える時期の 新春を迎えて。
2~5年前に早期退職(肩タタキ?)をあえて選択し、
やっと自由を手にして年金を受給しながら、
犬を可愛がり、日々、悠々自適生活を迎えた人たち。
当地でも、農道を犬の散歩をしながら、歩く人たちが、増えました。
実は、Aさんも、そんな一人です。
さて、農業に付いて。(シミュレーションをして見ます)。
特に「米」について、考えて見ます。
定年後は、自分の食べる「米」ぐらいは
自分で生産したいと考えたAさん。
退職金は老後のための貯えだから
「米」生産の機械器具の購入には使いたくない。
で、JAに「米」生産を委託することを考えました。
画像は当地のJAが出している「今年の請負代金明細」です。
明細を参考に、反当り(10アール)で考えて見ます。
⑨育苗・・・1枚 945円。 20枚必要です。 18,900円
⑩運賃・・・1枚 95円。 20枚分。 1,900円
⑥耕運~脱穀セット 86,100円
これ以外に、肥料や除草剤の費用は自前で出費。
(最低必要分のみ計上します。)
除草剤(シルノックLジャンボ) 2,780円
箱施用(アミスタープリンス粒剤) 4,070円
肥料(ユーコート666-Ⅱ型)@2990円×3本 8,970円
○台風や冷害、害虫被害も無く順調に生育したとして、
収量は3石。 (玄米ベースで450㎏)
⑦乾燥・もみすり・・・玄米1㎏当り53円×450㎏ 23,850円
⑪米用紙袋・・・1枚 55円(30㎏用)×15本 825円
●以上(玄米反当り生産に必要な最低)合計金額 147,395円
昨年当地での「自主流通米」の販売価格(玄米30㎏) 6,500円
●販売価格合計 (6500円×15本) 97,500円
●結論 147,395円 - 97,500円 = ▲49,895円
約5万円の赤字。
そしてAさんは、生産した「コシヒカリ」を販売し、
自分の食べる米を、スーパーに行って、
「ブレンド米」を購入して、家族で食べているのです。
(自分で食べる米ぐらい、自分で生産したいと
考えた所期の目的を達成することなく、
結局「ブレンド米」(古米が含まれているかも?)を購入しています。)
農業を守ろうとしているのですが、そろそろ限界です。
以前にも書きましたが、電車の窓から見える
綺麗な「田園風景」も、やがて、
雑草と木々が生い茂る、原野風景に変貌するのです。
それを、選択したのは、結果的にはワタシを含めた消費者です。
追伸、それ以外にも、「固定資産税」とか「賦課金」とか、
増してや、生産に携わる「労働賃金」とか
目に見えない、費用がかかるんですけどね・・・。
そんな費用は、問題外です。