大粟神社宮司です。

先日『古事類苑』神祇部、宗教部を念願かなって書斎の蔵書に収められたので、がぜん研究を進める気持ちが湧いてきております。


宮司の書斎書架は、定期的に蔵書の入れ替えをします。
写真は昨年春の書棚。大体かわりませんが、昨年は太平広記など中国道教関係の勉強をすすめていました。
墨子などもあります。


二四史を並べた時期。

今は、書道の法帖と字典を書庫からだしており、少し書斎が大変なことになっています。



古事類苑の導入で、令和二年正月から着手しはじめたのは、実は有職故実、祭祀学。
今年は神道学のこの分野を専門的に修めていきます。



あつめに集めた
中国史の史料が有職故実や祭祀学にも役立ちます。
唐会要は、
唐の政経や文化についての史料。
隋書や旧、新唐書の志には祭祀や服飾にかかわる史料がありますが、
会要は項目を作ってくれていますから、唐の装束について勉強できます。



巻32には笏(しゃく)についての記述。



どうしても、神道学科時代の教科書を紐解いて有職故実についての知識を切り売りしがち。

いやいや、これだけでも何度も読み返しなさい!なのですが、やはり中国史の史料と、例えば日本の令や、儀式書や装束についての史料に直にあたると、自分の発見があります。


唐会要を調べると、やはり中国の制度を日本の笏についての規定は参考にしているのがわかります。

白文(に近い点だけの本)の読解は厄介ですが、象牙と竹木の笏があり、身分によって使用が制限されていたようです。


こちらは、同文尚書。
昔の版木の影印本です。これぞ白文でして、こういう白文で頭を悩ませて、訓点を自分でうつトレーニングをするわけです。
尚書に関しては、漢文大系などもありますから訓点を学べるわけです。



今年は儀式書や装束の文献をどんどん読み進めて祭祀学と有職故実を深めていくつもりです。
先行研究が進んでいない文献もありますので、このように白文に訓点を自分でうち訓練は必須です。

実はさらに大量に有職故実や祭祀を研究するための史料が宮司蔵書に入る予定です。

楽しみです。