-頸城大野(14:20発)-姫川(14:46着・15:00発)-糸魚川(16:03着)
頸城大野(くびきおおの)駅に着きました。
大糸線の非電化区間には、古い駅舎がよく残っています。
雪の吹きだまりを防ぐためか、入口正面には仕切りが設けられています。
ホームは昔から1面1線だったようです。
しっかりした駅舎があるのに、ちょっと意外…。
反対方向を望むと、雨飾山や妙高連峰の山々が顔を覗かせていました。
そんな風景を眺めながら、昼食をとりました。
休憩を終え、次の駅へ向かいました。
沿道では、ちょうど田植えが行われていました。
線路が近づいてきました。
大糸線も、松本駅から100kmを超えたようです。
こちらは国道へ向かいました。
国道は、いつの間にか街っぽくなっていました。
沿道には、糸魚川名物「ひすい」の販売店もありました。
最後の途中駅・姫川駅に到着しました。
1980年代に開業した駅で、駅舎はありません。
ついこの前まで同名の駅が北海道にもありましたが、
利用者数は大糸線の姫川駅と「いい勝負」だったようです。
姫川駅は姫川病院を利用する人のために開設されたそうですが、
10年ほど前に閉院となり、今も廃墟がそのまま残っています。
とはいえ、病院があった頃でも、姫川駅の乗車人数は1日10人程度。
送迎バスの方が使いやすかったのか、それともそもそも患者数が少なかったのか…。
次は最終目的地の糸魚川駅です。
国道は目の前に迫る丘を迂回しています。
やがて、左手に姫川が見えてきました。
川幅は北小谷で見た時のように広くなっていました。
実は、姫川が写っている写真はこれが最後。
ずっと寄り添って歩いた川だから、最後くらいちゃんと撮っとけばよかったかな。
丘を迂回したところで小道に入り、線路へ向かいました。
北陸自動車道をくぐるところで、列車がやって来ました。
踏切を渡りました。
線路は糸魚川駅へ向かって一直線に続いていました。
こちらも糸魚川の住宅地を北へ進みました。
道なりに進むと、北陸新幹線の高架が見えてきました。
そのまま高架をくぐり、大糸線とえちごトキめき鉄道(旧・北陸本線)の踏切を渡りました。
もう来るところまで来ちゃいましたよ~。
踏切の先は、糸魚川の旧市街地です。
別行動していた塩の道とも、さっきの踏切で合流しました。
…そして、
目の前に日本海が広がりました!
「塩の道」はこの突き当たりが終点です。
いよいよ日本海に出ました!!
海岸沿いを国道8号線が走っていました。
糸魚川駅の駅前通りまでは国道を歩くことにしました。
国道を歩き出してまもなく、異様な光景を目の当たりにしました。
東北の被災地で見たあの光景が頭の中で重なりました。
そう、ここは昨年末に発生した「糸魚川大火」の現場です。
1件の民家で発生した火事が強い南風によって飛び火した結果、
広範囲を焼き尽くす火災となり、延焼家屋は140棟以上にも及びました。
これだけの大火災となりながらも死者が出なかったのは、不幸中の幸いでした。
海沿いにある展望施設から被災現場を見渡せました。
8年前、ほぼ同じ場所を偶然撮影していました。
密集していた家屋がほとんど焼失した様子が分かります。
1軒の火災がこれだけの被害をもたらすとは、恐ろしい限りです。
一日も早い復旧・復興を願ってやみません。
そこから振り向けば、見渡す限り日本海が広がっていました。
この日は日本海らしくない、べた凪でした。
はじめは妄想だった、太平洋-日本海縦断。
ついに日本海まで来ちゃったよ…。
いよいよ糸魚川駅へ向かいます。
この駅前通りは「ヒスイロード」と呼ばれています。
途中、雁木造の家屋を見かけました。
雁木造とは、民家の庇を歩道まで突き出すことで
雪よけの役割を果たしている屋根のことで、雪国を中心に所々で見かけます。
簡単に言えば、「日本古来のアーケード」でしょうか。
雁木造の家屋群は糸魚川の中心市街地の特色でしたが、
今回の大火では大きな被害を受けてしまいました。
ついに最終目的地・糸魚川駅に到着しました!
北陸新幹線開業に併せて大規模なリニューアル工事が行われ、
地上駅舎から橋上駅舎へと切り替わりました。
自分も、この駅舎を見たのは初めてです。
駅前の物産館でお土産を買って、早速ホームへ向かいたいところですが、
その前に、反対側の出口(アルプス口)まで行ってみたいと思います。
アルプス口の1階には「ジオパル」という交流施設があります。
そこにいらっしゃるのが…
7年前まで大糸線を走っていた、キハ52です。
現在は開放され、待合室として使用されています。
足下には線路が引かれており、晴天の土日は駅の外で展示されています。
そして、キハ52の車内を通り抜けた先には…
「ジオラマ鉄道模型ステーション」があります。
正面には糸魚川駅が再現されており、駅周辺の建物もよく再現されています。
実際の配線とは少し異なりますが、大糸線のホームも用意されていて、
写真からは見えませんが、ジオラマの奥には姫川駅もあります。
ちなみに、ここでは貸しレイアウトも行われているため、
自分の鉄道模型を持ち込んだり、運転したりすることも可能です。
それでは、いよいよホームに向かいます。
大糸線の列車は、基本的に頭端ホームの4番線を発着します。
糸魚川駅の在来線ホームは、全てえちごトキめき鉄道(トキてつ)が管理していますが、
ホームに設置されている時計にはJRのロゴが残っていました。
駅名標は大糸線専用の4番線も含めてこの仕様でした。
仕様がこれなのは、管理がトキてつだから仕方が無いか。
よ~く見ると、4番線の駅名標だけ「トキてつ」のロゴがなく、
次駅の欄に「青海」と並んで「姫川」の記載があったりするのですが。
「大糸線全駅間歩き」も無事完成しました。
せっかくなら大糸線に乗って帰りたい…ところですが、
大糸線経由でその日のうちに東京に帰れる列車は、先ほど出て行ってしまいました。
そのまま帰るとすれば新幹線を使うことになりますが、
実はこの後、上越(高田)に住む友人と会うことにしていました。
最初は2時間くらい呑んで、最終の新幹線で帰ろうと思っていたのですが、
その友人が翌日上京するということだったので、高田に泊まって、翌朝一緒に帰ることにしました。
糸魚川から高田まで在来線に乗るのは、3セク化してからは初めてでした。
かつては3両編成の電車が走っていた糸魚川-直江津間は、
1両ぽっきりのディーゼルカーが担当していました。
3両だと輸送力過剰だったそうですが、1両ではしっかり立ちが出る混雑ぶりでした。
18時過ぎ、直江津で乗り換えた電車は高田駅に到着しました。
西陽は駅舎にも電車にもきつく差し込んでいました。
最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
(おわり)
5月5日(金・祝) 歩行区間:平岩-糸魚川 天気:晴れ 日出時刻/4:49 日没時刻/18:42
鉄道距離:20.4km 歩行距離:26.7km 総歩数:41,009歩 所要時間:7時間38分
宿(8:25発)-0.5km-平岩(8:33着・8:49発)-8.2km-小滝(10:33着・10:55発)-3.9km-
-根知(11:45着・12:00発)-7.7km-頸城大野(13:35着・14:20発)-2.2km-
-姫川(14:46着・15:00発)-4.2km-糸魚川(16:03着・17:07発)=1647D=
=直江津(17:49着・17:59発)=2370M=高田(18:09着)
総歩行区間:信濃大町-糸魚川 総鉄道距離:70.3km
総歩行距離:99.7km 総歩数:154,002歩 総所要時間:29時間48分
大糸線合計
総鉄道距離:105.4km 総歩行距離:148.3km 総所要時間:44時間20分 行程日数:4.5日
頸城大野駅手前から糸魚川駅までのGPSログ(1/60,000)です。
塩の道は、頸城大野駅手前から右手(東側)の丘を登り、
地図の真ん中から北に延びるグレーの道をたどり、
北陸新幹線のガード手前で今回歩いた道に合流しています。
全行程のGPSログ(1/700,000)です。
小谷村から先は崖が線路沿いまで迫る険しい区間が続きました。
飯田線山間部の全駅間歩きと異なっていたのは、線路沿いに道が続いていたという点。
線路沿いに道があってこんな感じですから、無かったらと思うとぞっとします。
3日目全行程の標高データです。
中山峠では100メートルほど登った後、150メートルほど下っています。
その後、データ上では0メートル近くまで一気に落ち込んでいますが、
実際は、糸魚川駅へ向かって緩やかに下っています。
全行程の標高データです。
1日目の佐野坂峠から先は、姫川に沿って進んでいるため、
全体的には下っていますが、峠越えのために所々登っている箇所もあります。
逆コースで歩くと、より厳しい行程になったと思われます。
<参考:豊橋-辰野-松本-糸魚川間>
鉄道距離:332.6km 歩行距離:493.0km 総所要時間:140時間47分 行程日数:14.5日
時間がある方は、こちらから旅の記録をご覧ください。