大糸線全駅間歩き2(信濃大町-糸魚川) 最終回・日本海の街に到着! | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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その10からの続き

 

-頸城大野(14:20発)-姫川(14:46着・15:00発)-糸魚川(16:03着)

 

 

頸城大野(くびきおおの)駅に着きました。

大糸線の非電化区間には、古い駅舎がよく残っています。

雪の吹きだまりを防ぐためか、入口正面には仕切りが設けられています。

 

 

 

ホームは昔から1面1線だったようです。

しっかりした駅舎があるのに、ちょっと意外…。

 

 

 

反対方向を望むと、雨飾山や妙高連峰の山々が顔を覗かせていました。

そんな風景を眺めながら、昼食をとりました。

 

 

 

休憩を終え、次の駅へ向かいました。

沿道では、ちょうど田植えが行われていました。

 

 

 

線路が近づいてきました。

大糸線も、松本駅から100kmを超えたようです。

 

 

 

こちらは国道へ向かいました。

国道は、いつの間にか街っぽくなっていました。

 

 

 

沿道には、糸魚川名物「ひすい」の販売店もありました。

 

 

 

最後の途中駅・姫川駅に到着しました。

1980年代に開業した駅で、駅舎はありません。

ついこの前まで同名の駅が北海道にもありましたが、

利用者数は大糸線の姫川駅と「いい勝負」だったようです。

 

 

 

姫川駅は姫川病院を利用する人のために開設されたそうですが、

10年ほど前に閉院となり、今も廃墟がそのまま残っています。

 

とはいえ、病院があった頃でも、姫川駅の乗車人数は1日10人程度。

送迎バスの方が使いやすかったのか、それともそもそも患者数が少なかったのか…。

 

 

 

次は最終目的地の糸魚川駅です。

国道は目の前に迫る丘を迂回しています。

 

やがて、左手に姫川が見えてきました。

川幅は北小谷で見た時のように広くなっていました。

実は、姫川が写っている写真はこれが最後。

ずっと寄り添って歩いた川だから、最後くらいちゃんと撮っとけばよかったかな。

 

 

 

丘を迂回したところで小道に入り、線路へ向かいました。

 

 

 

北陸自動車道をくぐるところで、列車がやって来ました。

 

 

 

踏切を渡りました。

線路は糸魚川駅へ向かって一直線に続いていました。

 

 

 

こちらも糸魚川の住宅地を北へ進みました。

 

 

 

道なりに進むと、北陸新幹線の高架が見えてきました。

 

 

 

そのまま高架をくぐり、大糸線とえちごトキめき鉄道(旧・北陸本線)の踏切を渡りました。

もう来るところまで来ちゃいましたよ~。

 

 

 

踏切の先は、糸魚川の旧市街地です。

別行動していた塩の道とも、さっきの踏切で合流しました。

 

 

…そして、

 

 

目の前に日本海が広がりました!

「塩の道」はこの突き当たりが終点です。

 

 

 

いよいよ日本海に出ました!!

 

海岸沿いを国道8号線が走っていました。

糸魚川駅の駅前通りまでは国道を歩くことにしました。

 

 

 

国道を歩き出してまもなく、異様な光景を目の当たりにしました。

東北の被災地で見たあの光景が頭の中で重なりました。

 

 

 

そう、ここは昨年末に発生した「糸魚川大火」の現場です。

1件の民家で発生した火事が強い南風によって飛び火した結果、

広範囲を焼き尽くす火災となり、延焼家屋は140棟以上にも及びました。

これだけの大火災となりながらも死者が出なかったのは、不幸中の幸いでした。

 

 

 

海沿いにある展望施設から被災現場を見渡せました。

 

 

 

8年前、ほぼ同じ場所を偶然撮影していました。

密集していた家屋がほとんど焼失した様子が分かります。

 

1軒の火災がこれだけの被害をもたらすとは、恐ろしい限りです。

一日も早い復旧・復興を願ってやみません。

 

 

 

そこから振り向けば、見渡す限り日本海が広がっていました。

この日は日本海らしくない、べた凪でした。

 

はじめは妄想だった、太平洋-日本海縦断。

ついに日本海まで来ちゃったよ…。

 

 

 

いよいよ糸魚川駅へ向かいます。

この駅前通りは「ヒスイロード」と呼ばれています。

 

 

 

途中、雁木造の家屋を見かけました。

雁木造とは、民家の庇を歩道まで突き出すことで

雪よけの役割を果たしている屋根のことで、雪国を中心に所々で見かけます。

簡単に言えば、「日本古来のアーケード」でしょうか。

 

雁木造の家屋群は糸魚川の中心市街地の特色でしたが、

今回の大火では大きな被害を受けてしまいました。

 

 

 

ついに最終目的地・糸魚川駅に到着しました!

北陸新幹線開業に併せて大規模なリニューアル工事が行われ、

地上駅舎から橋上駅舎へと切り替わりました。

自分も、この駅舎を見たのは初めてです。

 

 

 

駅前の物産館でお土産を買って、早速ホームへ向かいたいところですが、

その前に、反対側の出口(アルプス口)まで行ってみたいと思います。

アルプス口の1階には「ジオパル」という交流施設があります。

 

そこにいらっしゃるのが…

 

7年前まで大糸線を走っていた、キハ52です。

現在は開放され、待合室として使用されています。

足下には線路が引かれており、晴天の土日は駅の外で展示されています。

 

 

そして、キハ52の車内を通り抜けた先には…

 

「ジオラマ鉄道模型ステーション」があります。

正面には糸魚川駅が再現されており、駅周辺の建物もよく再現されています。

実際の配線とは少し異なりますが、大糸線のホームも用意されていて、

写真からは見えませんが、ジオラマの奥には姫川駅もあります。

 

ちなみに、ここでは貸しレイアウトも行われているため、

自分の鉄道模型を持ち込んだり、運転したりすることも可能です。

 

 

 

それでは、いよいよホームに向かいます。

 

大糸線の列車は、基本的に頭端ホームの4番線を発着します。

 

糸魚川駅の在来線ホームは、全てえちごトキめき鉄道(トキてつ)が管理していますが、

ホームに設置されている時計にはJRのロゴが残っていました。

 

 

 

駅名標は大糸線専用の4番線も含めてこの仕様でした。

仕様がこれなのは、管理がトキてつだから仕方が無いか。

 

よ~く見ると、4番線の駅名標だけ「トキてつ」のロゴがなく、

次駅の欄に「青海」と並んで「姫川」の記載があったりするのですが。

 

 

 

「大糸線全駅間歩き」も無事完成しました。

せっかくなら大糸線に乗って帰りたい…ところですが、

大糸線経由でその日のうちに東京に帰れる列車は、先ほど出て行ってしまいました。

 

そのまま帰るとすれば新幹線を使うことになりますが、

実はこの後、上越(高田)に住む友人と会うことにしていました。

最初は2時間くらい呑んで、最終の新幹線で帰ろうと思っていたのですが、

その友人が翌日上京するということだったので、高田に泊まって、翌朝一緒に帰ることにしました。

 

糸魚川から高田まで在来線に乗るのは、3セク化してからは初めてでした。

かつては3両編成電車が走っていた糸魚川-直江津間は、

1両ぽっきりのディーゼルカーが担当していました。

3両だと輸送力過剰だったそうですが、1両ではしっかり立ちが出る混雑ぶりでした。

 

18時過ぎ、直江津で乗り換えた電車は高田駅に到着しました。

西陽は駅舎にも電車にもきつく差し込んでいました。

 

 

最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。

 

 

(おわり)

 

 

5月5日(金・祝)  歩行区間:平岩-糸魚川  天気:晴れ  日出時刻/4:49 日没時刻/18:42

鉄道距離:20.4km  歩行距離:26.7km  総歩数:41,009歩  所要時間:7時間38分

宿(8:25発)-0.5km-平岩(8:33着・8:49発)-8.2km-小滝(10:33着・10:55発)-3.9km-

-根知(11:45着・12:00発)-7.7km-頸城大野(13:35着・14:20発)-2.2km-

-姫川(14:46着・15:00発)-4.2km-糸魚川(16:03着・17:07発)=1647D=

=直江津(17:49着・17:59発)=2370M=高田(18:09着)

 

総歩行区間:信濃大町-糸魚川  総鉄道距離:70.3km

総歩行距離:99.7km  総歩数:154,002歩  総所要時間:29時間48分

 

大糸線合計

総鉄道距離:105.4km  総歩行距離:148.3km  総所要時間:44時間20分  行程日数:4.5日

 

 

頸城大野駅手前から糸魚川駅までのGPSログ(1/60,000)です。

塩の道は、頸城大野駅手前から右手(東側)の丘を登り、

地図の真ん中から北に延びるグレーの道をたどり、

北陸新幹線のガード手前で今回歩いた道に合流しています。

 

 

 

全行程のGPSログ(1/700,000)です。

小谷村から先は崖が線路沿いまで迫る険しい区間が続きました。

飯田線山間部の全駅間歩きと異なっていたのは、線路沿いに道が続いていたという点。

線路沿いに道があってこんな感じですから、無かったらと思うとぞっとします。

 

 

 

3日目全行程の標高データです。

中山峠では100メートルほど登った後、150メートルほど下っています。

その後、データ上では0メートル近くまで一気に落ち込んでいますが、

実際は、糸魚川駅へ向かって緩やかに下っています。

 

 

 

全行程の標高データです。

1日目の佐野坂峠から先は、姫川に沿って進んでいるため、

全体的には下っていますが、峠越えのために所々登っている箇所もあります。

逆コースで歩くと、より厳しい行程になったと思われます。

 

 

<参考:豊橋-辰野-松本-糸魚川間>

鉄道距離:332.6km  歩行距離:493.0km  総所要時間:140時間47分  行程日数:14.5日

時間がある方は、こちらから旅の記録をご覧ください。